2025.12.12

〈医学部受験〉医学部志望理由書に時間を掛けすぎず素早く終わらせよ

医学部合格を目指す受験生の皆さん、そして陰ながら支えていらっしゃる保護者の皆様、こんにちは。医進塾プレメディスタです。

願書の提出時期が近づくと、多くの受験生が「志望理由書をどう書けばいいのか」「これだけで合否が決まるのではないか」と不安になり、ペンが止まってしまう姿をよく目にします。しかし、何日も悩んで勉強時間を削ってしまうのは、実はもっとも避けたい「不合格への落とし穴」なのです。

今回は、数多くの受験生を面接会場へ送り出してきた経験から、「時間をかけずに、かつ面接で圧倒的に有利になる」志望理由書の作成術を伝授します。この記事を読めば、迷うことなく最短ルートで納得のいく書類を仕上げられるはずです。

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1. 志望理由書に時間をかけすぎてはいけない!その真の理由

まず、大前提として覚えておいてほしいことがあります。それは、「志望理由書の作成に何十時間も、何日も費やすのは、戦略的に間違いである」ということです。

医学部受験の合否を分けるのは、あくまで共通テストや二次試験の「学科試験」の点数です。志望理由書を完璧に仕上げるために、数学の問題演習や英語の長文読解の時間を削るのは本末転倒です。

作成時間の目安は4時間

  • 構成・下書き:2〜3時間
  • 清書:1時間
  • 最終チェック・修正:30分

合計で4時間以内に終わらせるのが理想的です。なぜそれほど短時間でよいのか? その理由は、大学側の評価実務を知れば納得できるはずです。

始めての志望理由書に掛ける時間が4時間程度なので時間はどんどん短縮されていくはずです。

2. 医学部受験の裏側:志望理由書は「点数化」されない?

驚かれるかもしれませんが、多くの医学部において、志望理由書そのものが直接点数化されることはほとんどありません。

なぜ点数化されないのか?

テストや面接と異なり、作成そのものを大学側の監視下で行うことが出来ないことが大きな要因です。現代では、生成AIの普及やプロの添削、代筆、評価の高い志望理由書のコピペなどが容易にできてしまいます。大学側も「提出された書類の文章力=受験生の能力」とは判断できないことを重々承知しているのです。そのため、志望理由書はあくまで「参考資料」として扱われます。

大学側がチェックしているポイント

点数にはなりませんが、全く意味のないものではありません。以下の3点は厳しく見られています。

  1. 整合性と一貫性: 出願書類と実際の面接での発言に矛盾がないか。
  2. アドミッション・ポリシーへの理解: 大学が求める学生像から大きく逸脱していないか。
  3. コミュニケーションの端緒: 面接で問いかける「ネタ」があるか。

つまり、志望理由書は「面接という本番のための、自分専用の台本(材料)」に過ぎないのです。

3. 「自分への助け舟」を出す!面接で勝つための書き方

志望理由書を書くときの最大のコツは、「面接官にここを突っ込んでほしい!」というポイントをあらかじめ仕込んでおくことです。これを私は「自分への助け舟」と呼んでいます。

自分が自信を持って話せるエピソードをあえて短めに書き、面接官が「それは具体的にどういうこと?」と聞きたくなるように誘導するのです。

面接対策で必要になるテクニックで想定問答がありますが、志望理由書に質問ポイントをうめこむことで相手の質問を想定しやすくなるのです。

志望理由書の構成

以下の構成に沿って書けば、論理的で誠実な文章が完成します。

  1. 導入(動機): 医師を志したきっかけ(実体験に基づくもの)。
  2. 具体的エピソード: 医師になりたいという思いを補強する経験(ボランティア、見学、部活動、自身の通院など)。
  3. 学び・準備: 医学を学ぶために、これまでどのような努力をしてきたか。
  4. 将来像: どのような医師として社会に貢献したいか。
  5. 大学への志望理由: その大学でなければならない理由(カリキュラム、研究内容など)。

具体的例文テンプレート(3つの方向性)

【臨床志向型】

「祖父の闘病生活を支える医師の姿に感銘を受け、患者の不安に寄り添う臨床医を志しました。貴学の早期臨床体験プログラムを通じて、技術だけでなく患者との対話力を磨きたいと考えています。」

想定される質問

実際に見ていた医師の姿は患者と対面している面に過ぎないが、想像している内容と実務が異なった場合はどう対処しますか?

【研究志向型】

「高校の生物の授業で免疫学に興味を持ち、難病治療の選択肢を広げる医学研究の道を志しました。貴学の充実した研究施設とMD-PhDコースに魅力を感じており、将来は基礎研究と臨床を結ぶ架け橋になりたいです。」

【地域医療志向型】

「過疎化が進む地元で地域医療の厳しさと重要性を実感しました。貴学が注力している地域医療実習に積極的に参加し、将来は多職種と連携しながら地域住民の健康を支える総合診療医を目指します。」

4. 面接官を誘導する「想定問答」の作り方

志望理由書を書いたら、すぐに「想定問答」を作成しましょう。書いた一文一文に対し、「自分なら何を質問するか?」を考えます。

頻出の質問と回答例

質問内容 模範回答(エッセンス) 深掘りへの備え(追加の一文)
なぜ医師なのですか? 医療の専門知識をもって人の命と人生に直接関わりたいからです。 「看護師や薬剤師との役割の違いを理解した上で、診断と責任を担う医師を志しました。」
本学の志望理由は? 貴学の「〇〇(教育理念)」に共感し、特に〇〇実習に魅力を感じたからです。 「オープンキャンパスで伺った〇〇先生の講義内容に感銘を受け、深く学びたいと考えました。」
挫折した経験は? 高校時代の部活動での怪我です。補欠としての役割を全うすることで組織への貢献を学びました。 「この経験から、患者さんの痛みを想像できる共感力を養うことができました。」
最近気になるニュースは? 医療DXやAIの導入に関するニュースです。 「AIは診断の補助として有効ですが、最終的な意思決定と心のケアは人間にしかできないと考えます。」
将来の志望科は? 現時点では〇〇科に興味がありますが、実習を通して幅広く学びたいです。 「どの診療科に進んでも、患者さんを第一に考える姿勢は変わりません。」

5. 誠実さを保ちつつ「話を膨らませる」ガイドライン

志望理由書は「堅実で真面目」な内容がベストです。突飛なエピソードで目立とうとする必要はありません。しかし、自分の経験を魅力的に見せるための「補足表現(話を膨らませる)」は必要です。

嘘と「膨らませる」の境界線

  • NG(嘘): 行っていないボランティアに行ったと書く。読んでいない本を読んだと書く。身内が病気になったり、病院にお世話になったエピソードをでっちあげる。
  • OK(膨らませる): 1日の病院見学で感じた小さな気づきを、自分の将来像と結びつけて深く考察して書く。

具体例:

  • 修正前: 「病院見学に行って、医師が忙しそうにしているのを見ました。」
  • 修正後(誠実な膨らまし方): 「病院見学の際、多忙な業務の中でも一人ひとりの患者さんと目を合わせて会話する医師の姿に、真のプロフェッショナリズムを感じました。」

事実は変えず、その事実から得た「自分の内面の変化」を丁寧に言葉にするのが、正しい膨らませ方です。

6. 志望理由書のポイント

書き終わったら、以下の項目をチェックしてください。これができていれば、面接で困ることはありません。

  • [ ] 数値や年月日に間違いはないか?(経歴の矛盾は不信感に繋がります)
  • [ ] 大学の理念(アドミッション・ポリシー)と矛盾していないか?
  • [ ] 書いた内容について、3分間詳しく話し続けられるか?
  • [ ] 「なぜ他の大学ではなく、この大学なのか」に答えられるか?
  • [ ] 尊敬する医師や、感銘を受けた本などの固有名詞が正確か?

7. 書いた後のステップ:面接練習の進め方

志望理由書は、提出して終わりではありません。むしろ、提出してからがスタートです。

  1. 音読する: 自分の書いた文章を声に出して読み、違和感がないか確認します。
  2. 録音して聞く: 自分の回答をスマホで録音し、「聞き取りやすいか」「誠実さが伝わるか」を客観的にチェックします。
  3. ロールプレイング: 保護者の方や塾の講師に面接官役を頼み、志望理由書を元に意地悪な質問を投げかけてもらいましょう。

まとめ:志望理由書は「合格へのパスポート」

医学部受験において、志望理由書はあなたを苦しめる壁ではなく、面接であなたを助けてくれる強力な武器です。

  • 時間はかけすぎない(4時間以内)。
  • 面接で聞かれたいことを書く(自分への助け舟)。
  • 嘘はつかず、誠実な内容を心がける。

この3点を守れば、自信を持って試験に臨めるはずです。残された時間は、1点でも多く積み上げるための学習に充ててください。

【注意】

生成AIや添削サービスを利用することは、構成を整える上での参考にはなりますが、最終的な原稿は必ず自分の言葉で、自分の体験に基づいて作成してください。面接では「文章に込められた熱意」が対面で見極められます。他者の言葉を借りただけの志望理由書は、深掘りされた際に必ずボロが出ます。最後は自分の手で、誠実に仕上げることを忘れないでください。

皆様の努力が実を結び、憧れの医学部への切符を手にされることを心より応援しています!

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