【共通テスト情報Ⅰ対策】高得点を掴むための分野別徹底攻略ガイド
新課程で導入された大学入学共通テスト「情報Ⅰ」。単なる知識の暗記だけでは通用せず、長い問題文や図表を読み解く力、そして論理的な思考力が求められます。ここでは、試作問題や本試験(2025年度)の傾向に基づき、共通テスト「情報Ⅰ」の出題内容と、高得点を取るための分野別対策を徹底的に解説します。
共通テスト「情報Ⅰ」の全体像と対策の基盤
共通テスト「情報Ⅰ」は、大きく分けて以下の4つの領域から出題されます。
- 情報社会の問題解決(情報倫理、情報セキュリティ、知的財産など)
- コミュニケーションと情報デザイン(情報のデジタル化、メディアの特性、情報の伝達・表現など)
- コンピューターとプログラミング(コンピューターの仕組み、アルゴリズムとプログラミング、モデル化とシミュレーションなど)
- 情報通信ネットワークとデータ活用(ネットワークの仕組み、データの収集・分析・活用など)
共通テストの対策は、まず教科書の内容を完全に理解し定着させることが大前提です。その上で、以下の力を鍛えることが重要です。
- 読解力と処理能力: 長い問題文や複数の図表・資料から必要な情報を迅速かつ正確に読み取る力。
- 情報的なものの考え方: 知識を基に、与えられた状況やデータに対して論理的に考察し、課題を解決する力。
- 時間配分: プログラミングやデータ活用など考察に時間のかかる大問に時間を残せるよう、知識問題は手早く処理する戦略。
大問別・出題内容別 徹底対策
出題内容と対策のポイントをまとめていきます。
第1問:主に知識と基礎的な考察力(小問集合的な位置づけ)
設問 | 出題内容 | 対策のポイント |
問1(1) | 情報社会の問題解決 | 情報倫理、法規、セキュリティの基礎知識が中心。デジタル署名、個人情報保護法、著作権、情報モラルなどの定義や仕組みを正確に理解する。単なる暗記ではなく、具体的な事例に適用できるかを意識して学習する。 |
問2(4) | 情報通信ネットワークとデータ活用 | データ表現(2進数、浮動小数点数、文字コード、情報量など)やネットワークの仕組み(プロトコル、IPアドレス、セキュリティ技術など)の基礎的な計算・知識が問われることが多い。特に2進数と情報量の計算は正確にできるようにする。 |
問3(3) | コンピューターとプログラミング | 論理回路、CPUの動作原理、アルゴリズムの基礎知識などが問われる。論理回路(AND, OR, NOT, XOR)の真理値表は完璧に。プログラミングで用いられる基本的なアルゴリズム(ソート、探索など)の考え方を理解する。 |
問4(2) | コミュニケーションと情報デザイン | 情報のデジタル化(標本化、量子化、符号化)の仕組み、ユーザーインターフェース (UI)・ユーザーエクスペリエンス (UX) の基礎知識、フィッツの法則などのデザイン原則が問われる。図やグラフを読み解き、適切な表現方法を選ぶ力が求められる。 |
全般 | 知識中心 | 試作問題の傾向から、短い時間で正確に知識をアウトプットし、確実に得点したい大問。教科書や問題集で基礎を固める。 |
第2問A:情報社会とデザインに関する応用的な考察
設問 | 出題内容 | 対策のポイント |
(1) | 情報社会の問題解決 | 情報社会における具体的な問題解決のプロセスを問う。例えば、SNS利用のリスク、情報セキュリティポリシーの策定、データ活用の倫理的課題など、現実の事例を題材にした考察問題が多い。複数の選択肢のメリット・デメリットを比較し、最も適切な対応を選ぶ力を養う。 |
(2) | コミュニケーションと情報デザイン | データや情報をどのように整理し、効果的に伝達・表現するかを問う。グラフの読み取り、情報の視覚化(インフォグラフィックス)、Webデザインの原則、アクセシビリティなど。図や資料から情報を読み解き、デザインの意図や効果を考察する練習が必要。 |
全般 | 読解力と考察 | 長文・図表の読み取りが本格化。問題解決の流れや、複数の登場人物の会話内容を理解しながら設問に答える練習を積む。時間をかけても満点を目指したい大問。 |
第2問B・第3問:プログラミングの核心とシミュレーション
設問 | 出題内容 | 対策のポイント |
第2問B(3) | コンピューターとプログラミング | モデル化とシミュレーションに関する問題。乱数を用いたシミュレーションや、具体的な事象をモデル化する過程が問われる。プログラムコードの穴埋めや、コードを実行した結果の予測が中心。シミュレーションの考え方を理解し、コードを読み解くトレーニングを積む。 |
第3問(3) | コンピューターとプログラミング | アルゴリズムとプログラミングに関する本格的な問題。プログラミング共通テスト用表記に慣れ、変数、配列、反復(ループ)、条件分岐(if文)などの基本構造を確実に理解する。特に配列の操作や添字(インデックス)の扱いは重要。プログラムを紙上で正確にシミュレーションし、トレースできる力を養う。 |
全般 | プログラムの読解 | プログラミングの実技は不要だが、与えられたコードを読み解く力が不可欠。市販の問題集や「情報関係基礎」の過去問を活用し、様々なアルゴリズムのプログラムに触れること。特に第3問は配点が高く、差がつくポイントとなるため、重点的に対策する。 |
第4問:データ活用の応用
設問 | 出題内容 | 対策のポイント |
第4問(4) | 情報通信ネットワークとデータ活用 | データの収集、分析、表現、そして活用に関する応用的な問題。統計的な分析手法(平均、中央値、分散、標準偏差、相関、ヒストグラムなど)の知識と、それらを具体的なデータセットに適用し、分析結果を多面的に解釈する力が求められる。データの読み取り・分析は共通テスト「数学I・A」の「データの分析」と共通する部分が多い。 |
全般 | 数学的知識と考察 | 数学的な背景知識(特に統計)が必要な場合があるため、苦手な場合は関連する数学の復習も行う。与えられた図表(散布図、ヒストグラム、度数分布表など)から適切な結論を導き出す訓練を積む。データ分析が問題解決にどうつながるかという視点を持つことが重要。 |
おすすめの学習ステップ
- 教科書・参考書の一周: まずは教科書や網羅系の参考書で全領域の知識と概念をインプット。特に「プログラミング」「データ活用」の原理原則は理解に時間をかける。
- 試作問題・過去問の分析: 大学入試センターが公開している試作問題と、初年度の本試験・追試験を解き、出題形式と時間配分の感覚を掴む。(時間が足りなくなりやすいので注意!)
- 弱点分野の克服: 模試や過去問で間違えた分野を特定し、教科書や分野別問題集で集中的に復習。特にプログラムのトレースとデータの分析は、手を動かす演習が必須。
- 実戦演習: 共通テスト形式の模試や予想問題集で時間を計って解き、問題文の読解スピードと処理能力を高める。
「情報Ⅰ」は新しい科目ですが、知識と論理的思考の組み合わせで高得点が狙える科目です。計画的に対策を進め、本番で実力を発揮できるよう準備しましょう!