【医学部受験専門個別指導塾 東京都世田谷渋谷予備校 医進塾プレメディスタ オンライン授業対応】 無料LINE相談
【解説】大学の年内入試に学力試験が導入可能に:医学部受験にも影響は?
2025年6月、文部科学省が新たに発表した大学入学者選抜要項により、2026年度入試から「年内入試(推薦型選抜・総合型選抜)」での学力試験が条件付きで認められるようになりました。この変更は、一見地味ながら、大学受験の仕組みに大きなインパクトをもたらす可能性があります。
特に影響が大きいのが「医学部・歯学部」を志望する受験生です。これらの学部では以前から、推薦や総合型選抜であっても学力に関する評価が不可欠とされてきました。今回の制度変更は、こうした実態をある意味で追認した形ともいえるでしょう。
この記事では、今回の文科省の方針変更の概要と背景、そして医学部・歯学部入試への影響について詳しく解説します。
年内入試にも学力試験が導入可能に
従来、文部科学省が定める「大学入学者選抜実施要項」では、個別の学力検査は原則として年明けの2月1日以降に実施することとされていました。これにより、いわゆる「年内入試」である推薦型選抜や総合型選抜では、知識を問う本格的な学力試験を実施することが難しい状況にありました。
しかし現実には、特に医療系学部を中心に、推薦型・総合型であっても「思考力試験」や「基礎学力確認テスト」といった名称で、実質的な筆記試験を課す大学が少なくありませんでした。こうした「建前」と「実態」の乖離が、長らく指摘されてきたのです。
そして今回、2026年度入試からは次のような条件を満たすことで、2月1日以前に学力試験を実施してもよいと正式に認められるようになりました。
主な条件
- 小論文や面接、口頭試問、プレゼンテーション、エッセイなどと併用すること
- 学力試験が単独の評価軸にならないよう注意すること
- 小論文は教科知識を問う内容ではない形式とすること
- 高校からの推薦書や活動報告書などを用いた「多面的評価」が前提
このように、単なる筆記試験だけで評価するのではなく、多角的なアプローチと組み合わせることが要件となっています。
医学部・歯学部入試では既に「年内学力試験」が常態化
医学部や歯学部における推薦型・総合型選抜は、以前から他学部とはやや異なる様相を呈していました。表向きは「総合型」や「推薦型」として実施されていても、実際にはかなり高度な学力確認を行っているのが実態です。
たとえば:
- 東邦大学医学部では「適性試験」や「基礎学力試験」が設けられており、科目知識を問う形式ではなくとも、一定レベルの学力がなければ合格は難しいとされます。
- 東京女子医科大学では「思考力試験」が課され、論理的思考や問題解決能力が問われます。
- 昭和大学歯学部では「模擬授業の理解度確認」が行われ、通常の学力試験とは異なる形式ながら、事実上の知識確認がなされています。
このように、形式上は「推薦」や「AO」でも、学力が評価の中心になっているのが医学部・歯学部の特徴です。
なぜ文科省はルール変更に踏み切ったのか?
昨年(2024年)、東京都のある私立大学が、年内の学校推薦型選抜において事実上の学力試験のみで合否を決める入試を実施したことが、ルール違反として文科省から指導を受ける事態となりました。
一方で関西の一部大学では以前から、推薦型選抜に筆記試験を取り入れるケースがあり、「黙認状態」だったとの見方もあります。
こうした状況を受けて、文部科学省は全国の大学や高校からなる「大学入学者選抜協議会」で協議を重ね、今回のルール改定に至ったという経緯があります。つまり、これまでグレーゾーンだった「学力試験の年内実施」を、一定の条件下で正式に容認することで、制度と現実の整合性を取った形です。
医学部受験生が気をつけるべきポイント
この制度変更を受けて、医学部・歯学部の推薦型選抜にチャレンジしようと考えている受験生は、以下の点に注意する必要があります。
1. 「推薦型」でも学力対策は必須
形式上は「推薦」や「総合型」でも、学力は合否に直結します。高校での評定や活動実績、志望理由書も重要ですが、それらだけでは通用しないのが医学部入試の現実です。
2. 筆記試験の内容に注目
いわゆる「学力試験」がなくても、「思考力試験」や「適性検査」の名のもとに、教科知識を土台とした問題が出題される可能性があります。英語・数学・理科の基礎力は欠かせません。
3. 評定平均はあまり重視されない
一部の医学部では出願資格として評定平均を定めていますが、それを満たした上で合否を分けるのは、あくまで試験や面接での実力。高校による評定のばらつきも考慮されており、評定平均だけで安心してはいけません。
4. 出願書類の完成度も重要
推薦書、活動報告書、志望理由書、学修計画書など、書類の完成度は合否に大きな影響を与えます。特に「将来の医師としての展望」や「なぜその大学なのか」といった明確な動機づけが求められます。
今後のスケジュール:受験生の戦略に影響も
今回の変更を受け、2026年度入試のスケジュールは次のようになります。
- 共通テスト本試験:2026年1月17・18日
- 推薦型選抜 願書受付:2025年11月1日以降/結果発表:12月1日以降
- 総合型選抜 願書受付:2025年9月1日以降/結果発表:11月1日以降
各大学が学力試験を実施するかどうか、その評価方法などは、2025年6月3日から7月31日までに発表される予定です。受験生はこの期間中に、志望大学の選抜方式をしっかりチェックする必要があります。
まとめ:医学部を目指すなら“推薦”でも学力重視
今回の制度変更により、大学入試における推薦型・総合型選抜のあり方が少しずつ変わり始めています。とはいえ、特に医学部や歯学部に関しては、推薦であっても「学力が勝負」という基本構造は変わりません。
「推薦だから楽」などという甘い考えでは太刀打ちできないのが現実。むしろ、提出書類の作成、小論文や面接対策、筆記試験の準備と、やるべきことは一般選抜より多岐にわたります。
受験生の皆さんは、形式に惑わされず、「合格のために何が必要か」を常に冷静に見極め、実力をつけることが大切です。
医学部受験専門個別指導予備校 医進塾プレメディスタについて
1回60分 体験授業 (無料)
医学部受験専門の体験授業は随時承っております。
対面授業、オンライン授業どちらでも対応可能です。
お電話または下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。