2026年度大学入学共通テストはなぜ難化する?最新データと科目別対策
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1. 2025年度共通テストの振り返りと新課程初年度の配慮
2025年度の大学入学共通テストは、新課程初年度として大きな注目を集めました。新たに「情報Ⅰ」が加わり、国語や数学でも出題形式や試験時間に大きな変更がありましたが、全体としては「受験生への配慮」が強く意識された出題となりました。実際、主要科目の平均点は軒並み上昇し、特に新設の情報Ⅰは平均点が69.26点(100点満点)と高水準を記録しました。
この背景には、初年度の混乱や不安を和らげるため、出題者側が難易度を抑えた「ソフトランディング」を意図したことがあると、河合塾や駿台、ベネッセなど大手予備校も分析しています。しかし、理系受験生を中心に、受験科目数の増加や新科目への対応など、学習負担は確実に増しており、2026年度以降の本格的な「本来水準」への回帰が強く予想されています。
2. 新課程初年度の主な変更点
2025年度からの新課程入試では、以下のような大きな変更が実施されました。
- 「情報Ⅰ」の新設と必須化
国公立大学のほとんどで「情報Ⅰ」が必須科目となり、受験教科は従来の5教科7科目(900点満点)から6教科8科目(1,000点満点)へと拡大しました。これにより、7科目以上の受験者数が前年から約1.6万人増加し、受験生の負担が増大しています。 - 国語・数学の出題形式・試験時間の変更
国語は大問が4問から5問に増え、試験時間も80分から90分に延長。数学では「数学ⅡB」に「数学C」が加わり、「数学ⅡBC」として出題範囲が拡大、試験時間も60分から70分に延長されました。 - 地歴・公民の科目再編と履修単位増
地歴では「歴史総合」や「世界史探究」など新科目が加わり、公民も2単位科目が廃止され4単位に統一。これにより、履修単位数が増加し、学習負担が増しています。 - 理科・社会の出題範囲・形式の拡大
理科は全範囲からバランスよく出題され、グラフや図表を用いた考察問題が増加。社会も複数資料型や実用的な文章の読解が重視されるようになりました。
これらの変更により、受験生は「新しい出題形式への対応」「科目数・履修範囲の拡大」「時間配分の見直し」など、従来以上に多面的な準備が求められるようになりました。
3. なぜ2026年度共通テストは難化するのか?
3-1. 初年度の“易化”の反動
2025年度は新課程初年度ということで、出題者側が「受験生の混乱を避けるために難易度を抑えた」ことが、平均点の上昇という形で現れました。実際、国語は前年比+10.17点、英語リーディングは+6.15点、情報Ⅰは69.26点と高得点でした。
各予備校の分析を見ても、「大きな制度変更があった年は平均点が高く出る傾向がある」「初年度は易化し、2年目以降に本来水準へ戻る」というのが過去の共通テストやセンター試験の傾向です。特に、情報Ⅰのような新設科目は、初年度は「試作問題の踏襲」「基礎的な出題」が中心となり、翌年以降は「応用力・思考力を問う本格的な出題」へとシフトすることが予想されています。
3-2. 新課程2年目としての「本来水準」回帰
新課程2年目となる2026年度は、「本来の出題意図に沿った難易度」への回帰が強く意識されると考えられます。これは、過去のセンター試験でも「新課程初年度は易化、2年目に難化」というパターンが繰り返されてきたためです。
たとえば、2006年度の新課程導入時は平均点が高く、翌2007年度には大きく下落したというデータが残っています。今回も同様に、2025年度の高得点傾向を受けて、2026年度は「平均点を例年水準(得点率60%前後)」に戻すため、難易度が引き上げられる可能性が高いと予想されます。
3-3. 出題範囲の拡大と試験時間・問題数の変化が学習負荷に与える影響
2025年度からの主な変更点として、「出題範囲の拡大」「試験時間の延長」「問題数の増加」が挙げられます。
- 国語:大問が4→5問、試験時間が80→90分に延長。新設の「実用的な文章」では複数資料の読解・要約・加筆修正など、従来とは異なるスキルが求められるようになりました。
- 数学:数学ⅡBに数学Cが加わり、選択問題が4つから3つ選択に変更。試験時間も60→70分に延長され、出題範囲が拡大しています。
- 情報Ⅰ:新設科目で全範囲からバランスよく出題。プログラミングやデータ活用など、従来の高校教育では扱いが薄かった分野も含まれ、学習の難易度が上がっています。
3-4. 大学入試センターや主要予備校の方針・予測
大学入試センターは、2026年度も「思考力・判断力・表現力を重視した出題方針」を継続することを公式に発表しています。特に、実社会の課題解決や初見資料の活用など、知識の活用力を問う問題が中心となる見込みです。
主要予備校も、「2026年度は難化傾向が強まる」「特に情報Ⅰや国語、英語リーディングで難度上昇が予想される」と分析しています。また、模試や合格判定システムのデータからも、「2025年度の高得点傾向は一時的なもので、2026年度は本来水準への調整が入る」との見方が強まっています。
4. 科目別の詳細予想と学習対策
英語(リーディング・リスニング)
- リーディング
2025年度は大問数が6→8問に増加した一方、総語数は約700語減少し、設問数も減ったため平均点が上昇しました(57.69点、前年比+6.15点)。しかし、2026年度は「語数が再び増加」「図表や複数資料の複雑化」「統合型タスクの難化」などが予想され、速読力・情報処理力がより重要になります。対策ポイント- 速読・多読の訓練を日常的に行う(目標:毎分140〜150語)
- 図表・グラフ・複数資料を素早く読み取る練習
- 過去問・模試で時間配分を徹底的にシミュレーション
- リスニング
2025年度は平均点が61.31点(前年比-5.93点)とやや低下。1回読みの設問や多様なアクセント、図表読解型の問題が増加傾向です。対策ポイント- 先読み・メモ取りの練習
- 英語ニュースやポッドキャストで多様な英語に慣れる
- 模試や過去問で本番形式の演習を重ねる
国語(近代以降・実用的文章・古典)
- 全体傾向
2025年度から大問が5問に増加し、試験時間も90分に延長。新設の「実用的な文章」では、複数資料の読解や加筆修正、要約など、従来の読解力に加えて情報処理力・表現力が問われるようになりました。平均点は126.67点(前年比+10.17点)と大幅に上昇しましたが、2026年度は「選択肢の難化」「資料型問題の複雑化」「時間配分の厳しさ」などが予想されます。対策ポイント- 実用文・複数資料型の問題演習を増やす
- 要約・加筆修正・根拠説明の練習
- 時間配分を意識した過去問・模試演習
数学(I・A、II・B・C)
- 数学I・A
2025年度から選択問題がなくなり、全問必答に。平均点は53.51点(前年比+2.13点)と例年並みでしたが、標準偏差が大きく、得点のバラつきが目立ちました。 - 数学II・B・C
数学Cが加わり、選択問題が4つから3つ選択に変更。試験時間も70分に延長され、平均点は51.56点(前年比-6.18点)とやや低下。出題範囲の拡大により、苦手分野を作ると大きな失点につながるリスクが増しています。対策ポイント- 新課程範囲(数学C、統計的な推測など)の基礎固め
- 選択問題の出題傾向を分析し、苦手分野を早期に克服
- 時間配分を意識した実戦演習
情報Ⅰ
- 初年度の特徴
2025年度は「試作問題の踏襲」「基礎的な出題」が中心で、平均点は69.26点と高水準でした。しかし、2年目以降は「プログラミングやデータ分析など専門的な内容の本格化」「応用力・思考力を問う問題の増加」が予想されています。対策ポイント- プログラミングの基本構造・アルゴリズムの理解と演習
- データ活用・統計・ネットワーク分野の基礎から応用まで網羅
- 模試や予想問題集で多様な出題形式に慣れる
理科(物理・化学・生物・地学)
- 物理
2025年度は平均点58.96点(前年比-4.01点)とやや低下。全範囲からバランスよく出題され、実験考察型やグラフ・図表を用いた問題が増加傾向です。 - 化学
平均点45.34点(前年比-9.43点)と大幅に低下し、過去最低水準。計算問題の増加や初見資料の読解が難化要因となりました。 - 生物・地学
生物は52.21点(前年比-2.61点)、地学は41.64点(前年比-14.98点)と、いずれも低調。資料読解型や応用問題が中心です。対策ポイント- 基礎知識の徹底と、教科書レベルの典型問題の反復
- 実験・グラフ・資料読解型の問題演習
- 苦手分野の早期克服と、時間配分の最適化
地歴・公民(地理総合・歴史総合・公共など)
- 地歴・公民の再編
新課程で「歴史総合」「世界史探究」などが加わり、複数資料型や現代的課題を扱う出題が増加。平均点は地理総合57.48点、歴史総合・世界史探究66.12点、公共・政治経済62.66点など、科目間でばらつきが見られます。対策ポイント- 複数資料・グラフ・統計データの読み取り訓練
- 現代的課題や時事問題の基礎知識整理
- 過去問・模試で出題傾向を把握し、苦手分野を重点的に対策
5. 仮説検証:模試・合格実績・平均点の推移から見た「難度変化」の証拠
平均点推移と難易度変化
2025年度の共通テストでは、主要科目の平均点が軒並み上昇し、全体の得点率も約60%に達しました。これは、過去の新課程初年度と同様に「易化傾向」が強く出た結果です。2025年度は「新課程初年度の配慮」により平均点が高めに出ましたが、過去の傾向から「2年目は難化し、平均点が例年水準(得点率60%前後)に戻る」ことが予想されます。
模試・合格実績の動向
河合塾・駿台・ベネッセなどの模試データでも、2025年度は高得点者が増加し、準難関大志望者の増加や難関大志望者の志望変更が目立ちました。しかし、2026年度は「難化傾向を見越して早期対策を始める受験生が増加」「模試の平均点も例年水準に戻る」との予測が強まっています。
6. まとめ:2026年度共通テスト難化への備えと学習戦略
2026年度の大学入学共通テストは、「新課程2年目」「初年度易化の反動」「出題範囲・形式の拡大」「主要予備校の難化予測」など、複数の根拠から「難化する可能性が高い」と言えます。特に、情報Ⅰや国語、英語リーディングなど、初年度に高得点だった科目は難度上昇が濃厚です。
受験生・保護者へのアドバイスとしては、以下の点が重要です。
- 早期からの基礎固めと応用力養成
新課程範囲や新傾向問題への対応は、高2・高3の早い段階から始めることが不可欠です。 - 模試・過去問・予想問題の徹底活用
時間配分や出題傾向を体得するため、模試や過去問を繰り返し演習しましょう。 - 苦手科目・分野の早期克服
難化が予想される科目ほど、基礎の徹底と弱点補強が合否を分けます。 - 情報収集と柔軟な戦略立案
大学入試センターや予備校の最新情報を常にチェックし、志望校の配点や出題傾向に合わせた戦略を立てましょう。 - メンタルケアと体力管理
難化予測に一喜一憂せず、日々の学習と生活リズムを大切に。直前期には「本番リハーサル」も有効です。
2026年度共通テストは、知識の暗記だけでなく「思考力・応用力・情報処理力」がより重視される試験へと進化します。受験生・保護者の皆さんは、早めの準備と戦略的な学習で、この難化を「チャンス」に変えていきましょう。
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