2024.04.28

なぜ歯学部と違い医学部にはFラン大学がないのか

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医学部ばかり高難易度の実態

なぜ医学部にはFラン大学がないのでしょうか?歯学部や薬学部にはあるしそれさえあればこんなに多浪をしなくて済むのに…せめて偏差値50くらいの医学部が欲しい…そう思う人も多いでしょう。しかしそんなことをしても苦しみが増えるだけという現実をお見せしましょう。

Fラン医療系大学:歯学部編

歯科医師過多による収入の低下

2014年、日本歯科医師会は年間の新規歯科医師数を約1500人に抑えるべきだと主張しました。しかし、その後も歯学部の定員は増加し、2017年度には約2500人に達しました。この過剰な供給により歯科医師の収入が低下し業界全体に不安が広がっています。医学部並みに高い学費を払って歯学部を卒業したのに就職先が見つからない。自分で歯科医を立ち上げようにもすでにコンビニ並みに乱立する歯医者。これでは新規参入も厳しく年収も不安定で300万程度を前後するような苦しい生活を強いられます。

国による歯学部定員削減

文部科学省はこの問題に対処するため、歯学部の定員を減らす方針を打ち出しました。しかし、この削減は主に国公立大学に限られており、私立歯科大学における定員削減は進んでいません。国の管理下にある国立と生徒を集めその学費に頼る私立では立場が違うため仕方ないでしょう。そのため根本的な解決には至らず。現在厚生労働省は国家試験の難易度を上げることで過剰問題に対処しようとしています。2003年の合格率91.4%から、最近では63~65%へと合格率が低下しています。学費の安い国公立の定員は減らされるわ国試の枠は減るわ就職先はないわで歯医者になりたい人にとっては踏んだり蹴ったりです。

Fラン歯学部あるある 国家試験に受からない!

医療系の大学では国家試験の合格率は大学の格付けや人気に直結します。そのため合格しそうにない学生を留年や休学、卒業保留などの手段で排除するケースが多く見られます。医学部ですらこの傾向がみられるためFラン歯科大学ともなれば学校側も合格率の向上に必死になります。これにより浪人、留年、卒業保留、国家試験浪人を繰り返し地獄のループにハマる歯学部生がいます。計1億円近くの学費を使ったのに無職のまま三十路に突入という悲惨な事例が生まれています。もうやめればいいじゃんと思うかもしれませんが無職で資格のない30代を雇ってくれる会社があるわけがありません。このループにハマってしまうともう国試に受かるしかない人生です。医学部でもこういった生徒は稀にいますがほぼいません。それは厳しい医学部受験で土台をしっかり作られているからです。勉強に耐えられる体力も忍耐力も桁違いに鍛えられており賢いため国家試験に落ちればどういう末路になるかわかっています。医学部受験でFランが欲しいと思う気持ちはわかりますが医療系大学はすべて最後は国家試験という全員横並びの試験を受けなければなりません。結局どこで苦労するのかの違いと言えるのです。

国家試験合格率が低い歯科大学も存在したまま

国家試験合格率が低い歯科大学も存在し、これらの学校では入学することが比較的容易であるとされています。偏差値35からBFまであります。しかし前述の通りその後の国家試験の合格率は低く、卒業しても国家試験に合格できない学生の選択肢は限られています。最終的に逆ストレートを達成する学生(毎年留年して12年通う学生)やそれでも卒業できればいいほうで学費だけむしり取られて留年を重ね退学し高卒無職無経歴無資格多額の奨学金借金を併せ持つ最弱の30代が生まれます。

コンビニよりも数多く乱立する歯医者

こうした地獄を乗り越えた先に待っているのが飽和状態と化した歯医者という世界です。日本ではコンビニの数がコンビニは55000軒なのに対し歯医者(歯科医院)の数は約7万弱でした。(2018年時点)あなたはコンビニと歯医者どちらを多く利用しますか?答えるまでもありませんよね。せっかく資格を取ってもライバルだらけ。厳しい世界なのです。

こうした背景からFラン医学部や低偏差値医学部は今後もできることはない

このような状況下で医学部を増やしても歯学部と同様の末路を迎えることは明確なため増えることはないでしょう。歯科医師の需要と供給のバランスを取ることは非常に難しい問題です。適切な施策を講じることで、質の高い歯科医療を提供し業界の安定を図る必要があります。なので医療に携わる以上はどこで苦労するかです。まずは医学部受験を本気で乗り切りましょう。

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