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医学部と獣医学部の違いと進路選びのポイント
はじめに
医学部と獣医学部
医学部に入りたいけど難易度が高すぎる…多浪なんて絶対にしたくない。なら似た学問の獣医学部なら入れそう。そっちに方向転換しよう。と思う受験生も一定数いると思います。とくに高校生レベルではそれぞれの違いはよく分かっていない人も多いでしょう。文系ならとにかく大学名が大事なので学科は問わず同じ大学のいろんな学科を片っ端から受ける人もいれば様々な大学の偏差値の低い学科を探して受けたりしますから学科を真剣に選ばなくてもなんとなるという雰囲気がどことなくあります。実際文系は法学部を出た人が必ず弁護士になるわけでもなければ経営学部を出た人が経営者になるわけでもありません。どの学部も横一列で就職活動をします。しかし理系はそうもいきませんし、特に資格職になる医学部と獣医学部は違いがかなりあることを理解しておきましょう。
獣医学部について
獣医学は元々、家畜の利用管理を目的とした学問であり、農学の一部とされています。医学の一部であると思っている人が多く農学にルーツがあることを知らない人も多いでしょう。現在でも多くの大学で獣医学科は農学部に設置されています。そのため、獣医学部で学ぶ内容は動物の医療だけでなく、畜産利益の維持増進法(畜産業)に重きを置いています。具体的には、犬猫のようなペットよりも牛、馬、豚、鶏のような家畜について学ぶ時間が多いです。また食肉の衛生管理など動物の医療に直接関わらない分野も重要であり、これが獣医学の特徴です。ペットとして動物が大好きなだけで畜産の興味は皆無となると講義が退屈に感じることもあるでしょう。
医学部と獣医学部の違い
医学部と獣医学部は、共通点もある一方で、将来のキャリアや学習内容、年収において大きな違いがあります。
学部の比較表
学部 | 医学部 | 獣医学部 |
将来のキャリア | 医師 | 獣医師 |
年収 | 1,200〜2,000万円程度 |
500〜600万円程度
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学習内容や カリキュラム |
獣医学、畜産学、
食品科学、衛生管理
|
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入試偏差値や 合格難易度 |
国公立大学:65〜74程度 私立大学:62〜72程度 |
国公立大学:62〜68程度
私立大学:55〜62程度
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学費総額 (6年間) |
国公立大学:350万円程度 私立大学:1,850〜4,650万円程度 |
国公立大学:350万円程度
私立大学:1,300〜1,500万円程度 |
高額な学費
医学部と言えば高額な学費が有名ですが獣医学部も負けず劣らず高額です。最低2000万する私立を避けるべく国公立に集中するため国公立の高倍率は避けられないでしょう。
最高額こそ医学部とは大きな開きがありますがこれには大学の数も関係してきます。
学べる大学の数
獣医学部は国立10校、市立1校、私立6校、合計わずか17校しかありません。82校ある医学部に比べると上下が幅が少なくなることも頷けます。これでもモリカケ問題でゴタゴタに巻き込まれた岡山理科大学:獣医学部が2018年4月に開設され52年ぶりに一校増えました。
政治的な話は受験生には関係ありませんので特段気にする必要はないでしょう。今まで中国四国地方の獣医学部は国立の鳥取大学 農学部/共同獣医学科 と山口大学 共同獣医学部/獣医学科の二校しかなかったため必然的に東京圏の私立も視野に入れざるを得ませんでした。岡山理科大学:獣医学部の開校はこの地域の獣医師を目指す人からはありがたい存在となるでしょう。
大きな開きのある年収
また何よりの違いは年収でしょう。学費は両者とも高いにもかかわらず収入には開きがあります。
医学部は医者になり安定した地位と高給取りとなりますが獣医学部はサラリーマンとさほど変わりません。
医療関係者=高給取りを思い描いている人はやや異なる現実と向き合うことになります。
お金持ちになりたくてなる職業ではないと言えます。ただし国家資格を持ち安定を得られることは間違いありませんし、非常にやりがいのある仕事です。誰にでもできる仕事ではないため高い人気を誇ります。
医学部に向いている人
医学部に向いている人の特徴は以下の通りです
- 高い学力を持っている
- 人の命を救いたい、国の医療問題を改善したいという強い意志がある
- 高い年収を求めている
獣医学部に向いている人
獣医学部に向いている人の特徴は以下の通りです
- 動物が好き
- 畜産学や食品科学に興味がある
- 医学部に合格できる学力はないが、医療関係の仕事に携わりたい
- 獣医師を目指したい
- 動物の命を救いたい
獣医学部の難易度について
獣医学部の難易度は非常に高いです。その理由は以下の通りです
- 大学数が少ない 日本には獣医学部を持つ大学がわずか17校しかありません。これに対して、医学部は80校以上あります。そのため、獣医学部の競争率が高くなります。それでも医学部よりは低倍率ですが獣医学部に目標を変えたから楽というわけでもありません。なによりも受験の回数が減ってしまうためミスのリカバリーをする機会が減ってしまいます。ケアレスミスが多いタイプの受験生にとっては死活問題です。
- 併願が難しい 獣医学部を持つ大学が少ないため、併願できる選択肢が限られています。特に、地理的な制約が大きい場合、生活環境も大きく変わることになります。東京には国立2つに私立1つしか大学がありません。神奈川も行動範囲内としても私立3つ(北里は一年時のみ神奈川)。中京地域に至っては0です。
- 浪人生が多い 「どうしても獣医学部に入りたい」という受験生が多いため、浪人生が多くなり、現役生にとっての難易度がさらに上がります。これは医学部と変わりません。
- 倍率が高い 獣医学部は募集人数も少ないため、倍率が高くなります。さらに前述の大学自体が少ないという問題にも直面します。
医学部からの方向転換はあり?なし?
医者になりたくて医学部を目指していたならばナシです。説明した通り似て非なる学問です。医学部より入りやすいことは間違いありませんが医学部と比べたらどこの学部でもそうです。医者になりたい人は目的意識がはっきりしているタイプが多いため、入学後ギャップに耐え兼ねて大学をやめたり留年したり放校なるケースが散見します。獣医学部も理系で難しい学問ですから低いモチベーションで続けられるほど甘くありません。獣医学部も立派な学問で否定する気は一切ありません。夢として獣医になりたいのであればその道を大手を振って進みましょう。ただし医学部を諦めての方向転換はおすすめできるものではありません。
まとめ
医学部と獣医学部は、それぞれ異なるキャリアパスと学びを提供しています。どちらの学部に進むかを決める際には、自分の興味や将来の目標をしっかりと考えることが重要です。動物の医療だけでなく、食品の安全管理や畜産学にも興味がある人は獣医学部が適しています。一方で、人の命を救いたい、高収入を目指したいという人は医学部が適しているでしょう。どちらの学部も難易度が高く、それぞれの分野での専門知識が求められます。進路選びは慎重に行い、自分の適性と興味を考慮した上で決定しましょう。
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