医学部進級と国家試験合格への道筋：現状と対策
医学部に入学した学生にとって、6年間でのストレート卒業は目標の一つであり、そこから国家試験に合格し医師としての道を歩むことが期待されています。しかし、医学部の進級は厳しく、留年する学生も少なくありません。今回は進級や国家試験に関する現状と、その対策について詳しく解説します。
留年率の高い医学部トップ5
厚生労働省が発表するデータによれば、各大学でのストレート卒業率、つまり6年で卒業し国家試験を受験した学生の割合が明らかになります。このデータから、留年率の高い医学部をランキング形式で紹介します。
- 川崎医科大学: 留年率35.5%
- 杏林大学: 留年率32.5%
- 福岡大学: 留年率31.8%
- 愛知医科大学: 留年率28.2%
- 横浜市立大学: 留年率26.7%
上位4校は私立医学部で、5位の横浜市立大学のみが公立大学となっています。これらの大学に共通するのは、比較的入試の難易度が低いとされている点です。入試難易度が低い分、進級の壁が高く、6年間で卒業するのが難しい学生が多いと考えられます。仮に留年させなかったところで国家試験に落ちると判断されているのでしょう。
一方、横浜市立大学医学部は入試難易度が高いにもかかわらず留年率が高くなっています。これは2年から3年への進級が非常に厳しいため（PEが厳しい）ストレート卒業が難しくなっていると考えられます。国際都市横浜を語る上で外せない要素だそうですが入学前にそこまで周知されていないため英語が苦手で他教科で乗り切って合格した生徒は留年してしまうというトラップが仕掛けられています。
進級が比較的容易な医学部トップ10
次に、進級が比較的容易な医学部をランキング形式で紹介します。
- 順天堂大学: ストレート卒業率97.7%
- 名古屋大学: ストレート卒業率95.6%
- 東京慈恵会医科大学: ストレート卒業率95.5%
- 鹿児島大学: ストレート卒業率94.9%
- 神戸大学: ストレート卒業率94.9%
- 浜松医科大学: ストレート卒業率94.2%
- 東京女子医科大学: ストレート卒業率93.8%
- 筑波大学: ストレート卒業率93.7%
- 東北医科薬科大学: ストレート卒業率93.0%
- 自治医科大学: ストレート卒業率92.7%
進級が容易な大学には、国公立私立を問わず、偏差値が高い大学が多い傾向にあります。優秀な学生が多いため、試験の難易度が高くなくても自主的に学習し、進級する学生が多いと考えられます。
しかし大学の進級というものは教授に生殺与奪を握られています。今進級率の高い大学でもある年から悪魔の使者がやってくれば留年率は途端に爆増するので注意してください。
2022年第116回医師国家試験におけるデータを参照
ストレート卒業を確保するための対策
医学部でストレート卒業を目指すためには、以下の4つの対策が有効です。
- 過去問を徹底的に解く
医学部の試験は範囲が広く、科目数も多いため、過去問を活用して効率的に学習することが重要です。過去問を分析し、試験の出題傾向を把握することで、効率的に勉強を進められます。教授が変わったり新設された授業、過去問が出回らない授業などは苦戦必須でしょう。 - 再試験に備えた情報収集
万が一、試験で不合格となった場合には再試験を受ける必要があります。この再試験で失敗すると留年する可能性が高いため、事前に再試験に関する情報を集めておくことが重要です。しかし大学によっては追試を受けるだけで一科目１万円するところもあるのでできれば追試にならずに合格したいところ。 - 学習スケジュールの計画
多忙な医学部生活では、学習スケジュールを立てることが必要です。特にサークルやアルバイトをしている学生は、余裕のあるスケジュールを組むことが求められます。 - 予備校の利用
予備校には、ストレート卒業を目指す学生をサポートするコースもあります。特に留年を避けたい場合、予備校の活用を検討するのも一つの手です。
国家試験合格率ランキング
最後に、過去5年間の国家試験合格率ランキングを紹介します。
- 自治医科大学: 合格率99.6%
- 国際医療福祉大学: 合格率99.2%
- 順天堂大学: 合格率97.8%
- 東北医科薬科大学: 合格率97.8%
- 横浜市立大学: 合格率97.3%
自治医科大学は、毎年ほぼ100%の合格率を誇り、国家試験合格において非常に優れた成績を収めています。
まとめ
医学部の進級や国家試験の合格には、厳しい試練が待ち受けていますが、効果的な対策を講じることで、ストレート卒業や国家試験合格への道を切り開くことが可能です。自分の学習スタイルや状況に合わせた計画を立て、しっかりと準備を進めてください。
