2024.08.11

医学部受験において、女子受験生が不利とされる背景

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医学部受験における女子受験生に対する差別の背景

医学部受験において、女子受験生が不利とされる背景には、日本の医療制度が抱える深刻な問題があります。医師不足や過重労働の問題から、医療機関は長時間労働が常態化しており、出産や育児でワークライフバランスを求める女性医師が増えることを懸念して、大学側が女性の入学を制限する動機を生んでいたのです。しかし、このような差別は、ジェンダー平等の観点から到底許容できるものではなく、令和時代に入ってもなお医学部で男女差別が続いていたという事実は、社会に大きな議論を呼び起こしました。

東京医大「不正入試」事件の背景とその影響

2018年7月、文部科学省の局長が息子を東京医科大学に裏口入学させた見返りに、大学側に助成金を提供したとされる汚職事件が発覚しました。この事件を契機に、他の医学部でも「不正入試」が行われていた事実が明らかになり、特に女子受験生や浪人生が不利になる形での減点や得点調整が問題視されました。これにより、医学部入試における不正が公に認識されることとなり、社会に衝撃を与えました。

医学部合格のために必要な要素

医学部受験は非常に競争が激しく、国公立大学なら東京大学や京都大学の非医学部レベル、私立大学なら早稲田大学や慶應義塾大学の非医学部レベルに匹敵する難しさがあります。この厳しい試験を突破するためには、女子も男子も、受験生自身が高い学力を持っていることが前提となります。

医学部に合格するためには

幼少期からの継続的な学習が重要であり、家庭環境や学校のサポートも大切です。中学受験を経験し、優秀な生徒が集まる中高一貫校に進学することも、医学部合格への道を広げる一因となります。しかし、有名進学校や医師の家系でない人でも医学部に合格することは可能です。再受験生や編入学試験など、多様なルートが存在するため本来は年齢や性別が医学部合格の障壁とはなりません。

女子が医学部に合格するための道筋

前提として医学部入試は、男子・女子を問わず非常に厳しい競争です。幼少期からの積み重ねが重要であり、優れた学力を持つことが前提となります。しかし、女子受験生にとっては数学が苦手な傾向があるとされています。これに対して、適切な対策を講じることで、そのハンデを克服することが可能です。

また、家庭環境や教育環境も重要な要素です。難関大学出身の家族や医師の親を持つ子どもは、幼い頃から勉強の重要性を自然に理解し、早期から学習に励む傾向があります。しかしこれらの環境に恵まれなくても、努力次第で医学部合格は可能です。

中高一貫校のトップ層では中学から画一的な指導が行えることもあり学校ぐるみで医学部を押す傾向が見られます。一貫校で医学部を目指すということは非常に現実的な医学部受験突破法でしょう。

高額な学費が医学生に与える影響‐女子医の大幅値上げ

医学部の学費は、特に私立大学において非常に高額です。6年間で2000万円から5000万円が必要とされるため、経済的に裕福でない家庭にとっては大きな負担となります。そのため一般家庭の受験生は国公立大学や学費が安い私立大学を志望することが多くなりますが、これらの大学は競争が激しく受験のハードルも非常に高いです。また女子受験生にとって大きな影響があるのは東京女子医科大学が令和3年度以降の入学者の学費を1年間200万円、6年間で計1200万円値上げを実施したことです。コロナウイルスによる大学病院の経営不振が影響しておりその影響が学生にまで波及してしまったわけですが女子差別がある中、女子受験生だけを受け入れる女子医の存在は一つの光明でした。しかし今ではワースト2位の高額学費となり女子受験生達は逆風となってしまいました。

聖マリアンナ医科大学の不正入試問題

2017年と2018年に、聖マリアンナ医科大学では2浪以上の女子受験生の合格者がゼロとなっていました。二次試験の結果を見ても、男子の合格率が女子の2倍以上となっており、公正な評価が行われていたかどうかには疑念が残ります。2023年に4人の受験生からの裁判に敗訴したところから見ても差別があったことは明確です。しかし聖マリは女子率が高く女子医を除いて最も女子が多く過半数を女子が占めています。今後受ける女子受験生は心配なく受験できるでしょう。

順天堂大学のケース

順天堂大学では、女子受験生が高いコミュニケーション能力を持っているため、面接試験の合格ラインを男子より高く設定していたことが明らかになりました。しかし、この論拠として提出された論文が不適切であることが指摘され、大学側も誤解を認めました。このケースは、医学部入試における評価基準の透明性と公平性がいかに重要かを示すものです。

東京医科大学の不正の根深さ

東京医科大学の不正入試問題は、男子学生を増やすことを目的とした組織的なものであり、その背景には大学のトップ層の意向が強く影響していました。女性医師の離職率の高さを理由に女子を排除する姿勢は、現代社会において容認されるべきではなく、今後は女性医師が働きやすい環境づくりが求められます。

まとめ

女子受験生が差別されてきた理由は医者の激務に耐えられる女子が少ないこと、ワークライフバランスを無視できない(男性も同様かと思いますが)、骨を切るなどの力仕事に純粋に向いていないなどの現場の声が受け入れられていた結果でした。今後医学部を受験する女子はあまり女子差別は気にする必要はないかもしれません。しかし就職などを考えたときにもともと差別をしていなかった大学に進学したほうが就職ルートやサポート体制が整っている可能性が高いためある程度考慮するとその後の人生が楽になるかもしれません。

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