医学部面接に挑むための心構えと対策
医学部受験において、面接は避けて通れない関門です。一次試験を突破したとしても、面接で不合格になってしまうケースは決して珍しくありません。そのため、面接の準備と対策が非常に重要です。この記事では、医学部面接に臨む際に役立つポイントや対策を詳しく紹介します。
1. 医学部面接への対処法
ほとんどの受験生は、面接の経験が少ないものです。そのため、いざ本番を迎えると緊張してしまったり、思うように回答できなかったりすることがあります。ここでは、面接でリラックスし、自分の考えを効果的に伝えるためのコツをいくつか紹介します。
1-1. 質問への事前準備
面接に備える上で、あらかじめ想定される質問に対して準備しておくことが重要です。特に頻出質問の「医学部を志望する理由」や「その大学を選んだ理由」など、頻繁に聞かれる質問については、しっかりと回答を用意しておきましょう。具体的なエピソードを交え、あなた自身の熱意をしっかり伝えることが求められます。
1-2. 笑顔とコミュニケーション
面接では、笑顔を忘れないことが大切です。面接官はあなたの人柄を評価するため、表情や態度が重要な要素になります。緊張してしまうこともあるかもしれませんが、できるだけリラックスして自然な笑顔を心掛けることで、面接官に良い印象を与えることができます。
そんなことで…と思うかもしれませんが鉄仮面のような面接官も事実冷淡な医者も血の通った人間なのです。第一印象というものは誰にでもありプラスにもマイナスにも作用します。笑顔という点はありませんが鬱屈して小さい声で話す人よりも笑顔でハキハキコミュニケーションをとる人のほうが一緒にいてみたいと思うはずです。
また医者は患者という様々な人種に相対する職業です。どんな人にでも壁を作らずコミュニケーションが取れるかは大切な評価ポイントです。
1-3. 自己分析の重要性
面接の準備を進める中で、自分自身と向き合う時間が増えるでしょう。「なぜ医学部を志望するのか」「なぜこの大学なのか」「本当に医師になりたいのか」といった問いに対して、しっかりと自分の考えをまとめることが重要です。自己分析を深めることで、面接官に対して熱意や意欲をしっかりと伝えることができ、結果的に自信を持って面接に臨むことができるでしょう。
2. 面接でよく聞かれる質問とその対策
面接で聞かれる質問は大学によって異なりますが、以下のような質問は多くの大学で共通して聞かれる傾向があります。
医師についての意見も大学についての意見も具体的に述べる
これは事前準備とところでも少しふれました。医学部の面接では、医師を目指したきっかけや理由が問われます。具体的なエピソードを通じて、なぜ医師になりたいのか、その熱意を伝えることが大切です。単なる「医師の仕事が素晴らしいから」という漠然とした答えではなく、あなたが実際に感じた経験や出来事を交えて、医療への関心や使命感を示しましょう。
「なぜこの大学を選んだのか」と質問されることもあります。この問いに対しては、大学のカリキュラムや研究施設、教授陣について調査し、具体的なポイントを挙げると良いでしょう。また、自分が学びたい医学分野や興味のある研究テーマが大学の特色に合致していることを示すことで、説得力のある回答ができます。
3. 面接で避けるべき発言やNGワード
医学部の面接では、いくつかのタブーや避けるべき表現があります。面接官に悪い印象を与えないために、以下のポイントに注意しましょう。
3-1. 「医者」という表現は避ける
面接で「医者」という言葉を使うと、専門性が欠けていると受け取られる可能性があります。医学部は「医師」を育成する学科であり、「医者」ではなく「医師」と表現することが求められます。面接では適切な言葉遣いを意識し、正確な表現を心掛けましょう。
3-2. 過去の不適切な用語に注意
こちらも医者というワードと同様。看護婦という表現は過去には一般的でしたが、2002年保健師助産師看護師法によって「看護師」という性別に関係ない呼び方が使用されています。このように、過去の表現を使用すると、現代のジェンダー観に適合していないと判断される可能性があります。医学部の面接では、多様性への理解や現代的な価値観が重視されるため、適切な用語を選びましょう。言葉狩りのようにも捉えられますが国で指定されている大切なワードです。単に言い間違いでは済まされないため注意してください。
3-3. すぐに解答できなくてもわかりませんは避ける
質問に対して「わかりません」と答えてしまうと、思考力や積極性が欠けていると見なされます。その代わりに、「もう少し考える時間をください」や「現時点では確実な答えが出せませんが、今後学んでいきたいと思います」といった積極的な姿勢を示す表現を心掛けましょう。
3-4. 動機が他人任せでないか確認
医学部受験をしている層は意外と自分で考えたわけではなく頭がいいから周りに進められてという人が案外います。時々面接練習などで親に言われたのでと言ってしまう人がいます。まさかと思うかもしれませんが本当の話です。このような理由を挙げると、自分の意志が弱く見えてしまいます。医学部に進学する理由が他人に依存していると判断されると、面接官に医師としての適性がないと評価されるおそれがあります。自身の経験や思いをしっかりと整理し、自らの意志で医師を志す理由を具体的に伝えることが重要です。
4. 面接対策としての自己分析の深化
面接は単に質問に答えるだけの場ではなく、自分自身を見つめ直し、自分の考えを整理する機会でもあります。自己分析を深めることで、質問に対して自信を持って回答することができ、面接官に対して強い印象を残すことができます。医師としての使命感や目標、医学部で学びたい具体的な分野について、あらためて考える時間を設けましょう。
まとめ
医学部面接は単なる学力試験以上に躓きやすいポイントです。面接では、受験生の人間性や熱意、コミュニケーション能力が評価されるため、しっかりと対策を練って臨むことが大切です。この記事で紹介したポイントを参考に、自分自身の考えを整理し、緊張せずに自然体で面接官と向き合う準備を進めましょう。目指すべきは、ただ知識を詰め込むだけでなく、自らの思いや医療への情熱をしっかりと伝えることです。それが、合格への第一歩となります。