私立医学部の一般入試は「共通テスト後」に始まるのではなく「共通テスト中」に既に始まっているのかもしれません―2026年度、最速校は共通テスト終了のわずか中1日後に一般試験を実施します。この事実を正確に把握している受験生と保護者はどれほどいるでしょうか。他学部のように「共通テスト後にゆっくり私大対策」という常識は、医学部入試では全く通用しません。本記事では最新の入試日程を徹底検証し、医学部特有の時間構造と受験生が陥りがちな失敗パターンを分析します。
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目次
- 2026年度 私立医学部一般入試の主要日程(事実確認)
- 医学部と他学部の構造的相違――なぜ「中休み」が存在しないのか
- 共通テスト後に頻発する典型的失敗パターン(客観的記述)
- 日程移動がもたらす構造変化――1月末組が2月初旬へ大移動
- よく見られる具体的事象(報告的整理)
- 結語――医学部受験における「共通テスト後」の本質
1. 2026年度 私立医学部一般入試の主要日程
まず押さえるべきは、2026年1月17日(土)・18日(日)に実施される大学入学共通テストの直後に、私立医学部の一般入試が矢継ぎ早に開始される現実です。
全国最速級のスタート――愛知医科大学
1月20日(火)、共通テスト終了からわずか中1日で、愛知医科大学が一般入試(第一次試験)を実施します。これは全国の私立医学部で最も早い日程の一つとされています。
続く連戦――岩手医科大学、東北医科薬科大学
- 1月21日(水):岩手医科大学が一般入試を実施岩手医科大学公式。
- 1月22日(木)〜24日(土):東北医科薬科大学が22日、帝京大学医学部が試験日自由選択制(3日間のうち1日を選択)で実施。
聖マリアンナ医科大学、自治医科大学
- 1月24日(土):聖マリアンナ医科大学(一般前期)聖マリアンナ医科大学公式。
- 1月26日(月):自治医科大学(一次試験)自治医科大学公式。
重要な変化――1月末→2月初旬への日程移動
従来1月末(25〜31日)に実施されていた杏林大学、獨協医科大学、金沢医科大学などが、2026年度は2月1日(月)〜4日(木)頃に移動しています。これは私立医学部全体のスケジュール再編成の一環と見られ、受験生の併願戦略に大きな影響を与えるでしょう。
このように、共通テスト終了後から1週間以内に主要私立医学部の試験が集中しており、他学部のような「出願準備期間」や「対策の立て直し期間」は事実上存在しません。
2. 医学部と他学部の構造的相違――なぜ「中休み」が存在しないのか
二次試験(面接・小論文)の必須化と比重
私立医学部入試では、ほぼすべての大学で二次試験(面接・小論文・適性検査等)が必須です。一次試験(学科)通過後、わずか数日〜1週間程度で二次試験が実施されるケースが多く、学力だけでなく人物評価・適性評価が合否を左右します。
他学部の一般入試では学科試験のみで合否が決まることが多いのに対し、医学部では二段階選抜が標準であり、一次合格後も気を抜けません。面接では志望動機、医師適性、倫理観、コミュニケーション能力などが評価され、準備不足は即不合格につながります。
共通テスト利用方式のボーダーの高さ
私立医学部の共通テスト利用入試では、ボーダー得点率が概ね85〜92%程度と非常に高く設定されています。他学部の上位私大文系(MARCH・関関同立)が70〜80%台前半であることと比較すると、医学部のハードルの高さが際立ちます。
さらに、多くの私立医学部では共通テスト利用でも二次試験(面接)を課すため、共通テストで高得点を取っても安心できない構造になっています。
合格までの時間軸・評価軸の違い
他学部では、共通テスト後に私大一般対策の時間的余裕があり、「共通テスト→国公立二次対策→私大一般」という時系列が成立します。しかし医学部では、共通テスト終了と同時に私大一般試験が開始し、かつ記述式・面接・小論文という多様な評価軸が同時並行で求められます。
この構造的相違を理解していないと、「共通テスト後に私大対策を始める」という誤った前提で計画を立ててしまい、初戦から大きく出遅れることになります。
3. 共通テスト後に頻発する典型的失敗パターン
パターン①:共通テスト・ショックによる学習停止
共通テストで自己採点が目標を下回った場合、精神的ショックから数日間学習が停滞するケースがあります。しかし前述の通り、最速校は中1日後に試験が始まります。この「立ち直りの時間」が医学部受験では致命的なロスとなります。
パターン②:試験形式の切り替えミス
共通テストはマークシート式ですが、私立医学部一般入試の多くは記述式です。特に数学・理科では、途中式を丁寧に書く記述力、計算の正確性、論理展開の明示が求められます。
マーク式の感覚が抜けないまま記述試験に臨むと、部分点を取り損ねる、計算ミスに気づかない、時間配分を誤るなどの問題が生じます。この「切り替え」には最低でも数日の訓練が必要ですが、日程的余裕がありません。
パターン③:過密スケジュールによる肉体的・精神的疲弊
1月下旬から2月上旬にかけて、週に3〜5校を連戦するスケジュールは珍しくありません。移動時間、宿泊、試験当日の緊張、一次合格発表の確認、二次試験(面接)への準備――これらが中1日以下の間隔で繰り返されます。
結果として、睡眠不足、体調不良、集中力低下が蓄積し、後半の試験で本来の実力を発揮できないケースが報告されています。さらに、一次合格後に面接日程が重複し、物理的に出席できず辞退を余儀なくされる事例もあります。
パターン④:過去問演習不足による即戦力不足
共通テスト対策に時間を取られ、私立医学部各校の過去問演習が不十分なまま本番を迎えるケースです。医学部入試は大学ごとに出題傾向・難易度・時間配分が大きく異なります。
特に前日に過去問を確認する時間すら取れない状況では、初見の問題形式に戸惑い、時間切れや大問丸ごと失点といった事態が起こります。
4. 日程移動がもたらす変化――1月末組が2月初旬へ大移動
2026年度の顕著な変化として、従来1月末に実施されていた複数校が2月1〜4日に移動している点が挙げられます。
具体例
- 杏林大学医学部:従来1月28日前後→2026年度は2月1日(月)
- 獨協医科大学:従来1月30日前後→2026年度は2月2日(火)
- 金沢医科大学:従来1月末→2026年度は2月3日(水)
構造変化の影響
この移動により、1月下旬の「空白期間」がわずかに生まれる一方、2月初旬の試験密度が極めて高まる結果となっています。従来は1月末に複数校を受験して手応えを確認し、2月以降の戦略を練り直すことができましたが、2026年度は1月下旬の選択肢が減少し、2月初旬に初めて多数の選択肢が現れる形となります。
これにより、共通テストの自己採点結果を踏まえた出願戦略の練り直しが困難になり、事前出願時点での精度がより重要になっています。
5. よく見られる事象
共通テストリサーチ判定と初戦開始の時間差
大手予備校の共通テストリサーチ(自己採点データ分析)の判定結果は、通常1月下旬(22〜25日頃)に公開されます。しかし前述の通り、愛知医科大学は1月20日、岩手医科大学は1月21日に既に試験が実施されています。
つまり、自己採点リサーチの判定を確認する前に、初戦が終わっているという逆転現象が生じます。この結果、共通テストで予想外の失敗をした受験生が、リサーチ結果を見て初めて現実を認識し、既に受験した初戦校の手応えと照らし合わせて混乱することがあります。
一次合格は取れるが二次に物理的に出席できない事例
複数校を併願する場合、一次合格発表と二次試験日程が重複することがあります。例えば、A校の二次試験(面接)がB校の一次試験と同日に設定されている場合、物理的にどちらかを諦めざるを得ません。
特に遠方の大学を併願する場合、移動時間・宿泊手配の制約から、一次合格を取っても二次試験を辞退するケースが毎年あります。この場合、受験料・交通費・宿泊費が無駄になるだけでなく、精神的な消耗も大きくなります。
面接準備の時間的制約
一次試験から二次試験(面接)までの期間は、多くの大学で差があります。この間に、志望理由書の再確認、想定問答の準備、時事問題(医療・倫理)の学習、模擬面接の実施などを行う必要があります。
しかし同時期に他校の一次試験が続いている場合、面接準備の時間が物理的に確保できないという矛盾が生じます。結果として、面接で準備不足が露呈し、学科試験は通過したのに二次で不合格となるケースが後を絶ちません。
6. まとめ――医学部受験における「共通テスト後」の対応
私立医学部の一般入試において、「共通テスト後」は休息や準備の期間はなく、即座に次の戦場へ転換が必要です。最速校は中1日後に試験を開始し、その後1〜2週間で主要校が集中的に実施されます。
他学部のように「共通テスト→判定確認→私大対策→出願→受験」という時系列は、医学部では成立しません。共通テスト前の段階で既に私大一般の準備が完成していることが前提であり、共通テスト後は単に実戦を繰り返すフェーズに過ぎないのです。
さらに、二次試験(面接・小論文)の必須化、記述式への即時切り替え、過密日程による体力・精神力の消耗、日程重複による物理的制約など、医学部特有の構造的困難が重なります。
2026年度は日程移動により、1月末の空白と2月初旬の過密という新たな構造変化も生じています。受験生と保護者は、この現実を正確に把握し、共通テスト前の段階で私大一般への準備を完成させておくことが不可欠です。
医学部受験における「共通テスト後」は、戦いが始まる瞬間であり、準備を始め仕切りなおす時期ではない―この認識こそが、私立医学部合格への第一歩となります。
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