医学部受験における志望理由の重要性と対策

医学部受験における志望理由の重要性と対策

医学部受験といえば、高い学力が必要とされるイメージが強いですが、実際には学力だけでは不十分です。なぜなら医学部受験には必ず面接と小論文があるからです。医師という職業は人と向き合う仕事であり人間性も求められます。したがって医学部受験では学力だけでなく人間性も評価されるのです。特に重要視されるのが、受験生の志望理由です。医学部を目指す多くの人が医師になることを目指していますが勉強だけできればいいというわけではありません。時々耳にする東大生は勉強ができるだけで社会で通用しないと嫉妬まがいに揶揄されることは医学部では絶対にありません。高い学力のみならず、高い人間性も兼ね備えた人物のみが医者なるチャンスをつかむことができるのです。

志望理由が重要な理由

1. 医師になるには内省的に自分を見る必要がある。

医学の情報は常に更新されており、医師として活躍するためには新しい知識や技術を常に吸収し続けることが求められます。つまり親族に医師が多いからという理由は自己の頭で考えていないと見なされ弾かれます。自分の親世代に医師として求められていたことと今の時代に求められていることははっきり言って全く異なるのです。給料がいいなどの外的要因も好まれません。自分の内省的な部分で医者というものにどれくらい向いているのかを示さなければならないのです。

2. 医師になる強い熱意を持った学生を採用したい

医学部の目的は、学生を医師などの医療人として育て上げることです。学生が在学中に挫折し退学することを避けるためにも、医師になる強い熱意があるかどうかが重要です。大学入学後の医学部の勉強量は他の大学とは似て非なるものです。理工系と比較してもかなり多く、文系大学と比べれば歴然となり、ドラマのようなキャンパスライフを送ることは難しいです。そんな厳しい環境でも辞めずに立ち向かう忍耐力がある人を求めているため医学部を志望する段階での強い熱意の確認として、志望理由が重視されます。

志望理由が求められる場面

医学部受験で志望理由が必要になるのは、主に以下の3つです。

1. 志望理由書

大学によっては、出願時に志望理由書が必要です。例えば、京都大学や名古屋大学、横浜市立大学などで提出が必須でした。志望理由書の量は大学によって異なりますが、1,000文字以上の長文が求められることもあります。読み手にうまく伝わるよう、構成や段落を意識して作成することが重要です。

2. 小論文

一部の大学では、小論文で志望理由を書かせることがあります。志望理由書は時間をかけて作成できますが、限られた時間内で書く小論文は難易度が高いです。事前に志望理由をイメージし、対策をしておくことが重要です。

3. 面接

医学部では、学力テストに加えて面接が実施されます。面接では志望理由は必ず聞かれるため、考えた内容をスムーズに伝えることが大切です。時間が限られているため、端的にわかりやすく伝えることが求められます。

志望理由の作成方法

1. 自分の本心を伝える

志望理由を考える際には、自分の本音をベースにすることが大前提です。模範解答的な志望理由を書いても、人物像がぼんやりしてしまい逆効果です。自分の個性やモチベーションが伝わるよう、率直な意見を述べることが大切です。
ただし何でもかんでも明け透けに本当のことを書くということではありません。お金が欲しいから、将来の安定が魅力だからなどの理由は胸の中にしまっておきましょう。

2. 医師になりたい理由と大学を志望する理由を明確にする

主に志望理由で問われる内容は医師になりたい理由と大学志望理由の2つです。これらの理由を論理的に、かつ矛盾しないように準備する必要があります。

3. 公的な視点で書く

志望理由書は公的な書類であり、第三者に読んでもらうものです。個人的なエピソードだけでなく、具体的なビジョンを持っていることを示すことが重要です。志望理由書では、大学の理念や医学部の特徴を踏まえて、なぜその大学を選んだのかを明確に説明しましょう。

4. 将来のビジョンを示す

医学部を卒業し、医師になった後のビジョンも示すことが大切です。医師としてどのような姿になりたいのか、将来の具体的な目標を述べることで、自分をアピールすることができます。

志望理由書は、医学部受験において非常に重要な書類です。自分の言葉で、自分の考えを簡潔に、かつ説得力を持って書くことが求められます。自分の経験や実績を具体的に挙げることで、説得力を高めることができます。また、書き上げた後には必ず添削を受け、修正を加えることが重要です。

志望理由は、医学部受験の合否を左右する重要な要素です。学力だけでなく、志望理由にも十分な時間を割き、対策をしておきましょう。