2024.01.16

医学部地域枠の抱える問題点

医学部受験生必見! 地域枠の新展開に迫る

こんにちは、医学部受験生の皆さん。いよいよ受験シーズンが到来しましたね。今週末に大学共通テストが控え、一層緊張感が高まることでしょう。そんな中、注目すべきポイントの一つとして「地域枠」が挙げられます。どんな仕組みなのか、そしてそのメリット・デメリットについて解説していきましょう。

地域枠とは?

地域枠は、医師不足や診療科の偏在など地域社会の医療ニーズに対応するために、一部の医学部で設けられた入試制度です。入学後に一定の期間、指定の病院で働くことを条件に、優遇された形で受験できる制度となっています。

地域枠希望者の圧倒的増加

2007年には173人だった地域枠が、2020年には1679人と急激に増加しています。医師不足の深刻化を受けて、地域での医療提供を促進するための取り組みと言えるでしょう。ただし、この急激な増加には様々な課題や規制も見え隠れしています。

本当に地域枠に魅力を感じての受験というよりは厳しすぎる医学部受験を乗り切るための交換条件的な部分が散見します。

地域枠のメリット

地域枠を選ぶ受験生にとって、最大のメリットは「入試が一般枠よりも易しい」ことです。特に国立大医学部では、共通テストの難易度が緩和されているため、高い合格率が期待できます。また、地域への意欲を示す内申書や推薦文、面接などで審査されるため、学力だけでなく熱い思いが重視されます。また奨学金制度なども充実しており本当に地域に根付く気があるのであればお得な方法ともいえます。

地域枠のデメリット

一方で、地域枠にはデメリットも存在します。まず、指定病院での勤務が義務付けられており、途中で離脱すると専門医資格が得られないという規則が追加されました。これにより、就職先が限定され、医師としてのキャリア形成に影響が出る可能性があります。地域枠は各地域によって差がありますが5年~11年程度の期間の拘束が確約されており簡単には破棄できません。せっかく苦労して医師になったのにすべてを無駄にさせられてしまうのです。また制度が始まった当初は誰も縁もゆかりもない地域に根付きたいはずもなく適当な理由付けをして離脱ということが起こりました。結果ルールが厳重化され死亡や退学、国家試験不合格など医師としての勤務が不可能であった場合に限られてしまいました。出産や介護、本人の病気などは義務年数の中断扱いとなり、問題が解決すればまたその地域に戻って拘束年数を消化しなければなりません。またよくよくルールを確認してから出願して合格したにもかかわらず後からルールを変更されてしまうケースもあります。しかし地域枠というくくりで入学した以上こういった後出しじゃんけん的な改正にも従うしかありません。

将来の不確実性

地域枠に応募する学生は、入学時点での意欲や将来の計画を確約させられることに対して、様々な意見があります。特に若い年齢で将来の計画を確定することの難しさや変化に対する柔軟性の必要性が指摘されています。医者を目指す志高き若人といえど所詮は高校生、浪人をしても20そこそこです。その年齢で30半ばまでの人生を想定して確定しろということにそもそも無理があるのです。東京に恋人ができても結婚して一緒に住むことも叶いません。過疎化の進む町で適齢期を過ごす覚悟を高校生に決めろと言ってもなかなか難しい現実はあるでしょう。

最後に

地域枠は、入試の易しさや奨学金のメリットがある一方で、将来のキャリア形成に対する影響が不透明な部分もあります。受験生の皆さんは、よく考えて自分にとって最適な進路を見つけてください。

合格を心よりお祈りしています!頑張ってくださいね。


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