2025.09.10

医師国家試験の合格率から見える医学部受験の現実

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医師国家試験の合格率から見える医学部受験の現実

医師国家試験とは何か

医学部を志す人であれば誰もが最終的に目指すゴール、それが「医師国家試験の合格」です。6年間にわたる医学部での学びを終え、卒業見込みの段階で受験資格を得て挑戦するこの試験は、医師免許を取得するための最終関門です。
「合格率が9割を超えるなら簡単なのでは?」と思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。試験に挑戦できる時点で、既に医学部の卒業試験というふるいにかけられているため、数字だけを見て判断するのは危険です。


第119回医師国家試験の結果概要

2025年春に発表された第119回医師国家試験の結果によると、志願者数は約1万500人、そのうち実際に試験を受けたのは1万300人余りでした。合格者は9,400人を超え、全体の合格率は92%強という非常に高い水準となっています。

新卒者と既卒者の違い

受験者の多くは医学部を卒業予定の新卒者ですが、一度落ちて再挑戦する既卒者も存在します。今回の試験では、新卒者の合格率は95%前後と安定して高い一方、既卒者はやや低めの合格率となりました。医学部卒業後の学習環境の差が影響しているとも考えられます。


男女別の合格率と傾向

今回の発表で注目すべき点の一つが男女差です。男性の合格率はおよそ91%、女性は93%と、女性のほうがわずかに高い数字を示しました。合格者全体に占める女性の割合は約36%で、過去10年以上で最も高い水準となっています。医学部入試の不正問題以降、入学者のジェンダーバランスが改善されたことが背景にあるとみられます。


大学別の合格率ランキング

全国82校の医学部・医科大学のうち、新卒合格率が90%を超えた大学はほとんどで、特に国際医療福祉大学や福井大学、金沢大学、三重大学では**新卒合格率100%**を達成しました。これは受験者全員が合格したことを意味し、教育体制や学生支援の手厚さがうかがえます。

一方で、新卒合格率が90%を下回った大学も一部存在します。愛媛大学や川崎医科大学、久留米大学などがその例で、既卒者の合格率も含めると8割台にとどまりました。こうした差は、入学時の学生の学力層や大学のカリキュラム、学習サポート体制などが影響していると考えられます。


国公立と私立の違い

設置主体別に見ると、国立大学・公立大学はいずれも合格率が96%前後と非常に高水準でした。私立大学も95%程度と健闘していますが、全体的に国立・公立のほうがやや安定感があります。

ただし私立大学の中には、自治医科大学や順天堂大学、兵庫医科大学など、全国トップクラスの合格率を誇るところもあり、一概に区分だけで評価できるものではありません。大学ごとに教育方針やサポート体制に特色があるのです。


医師国家試験を「楽勝」と思ってはいけない理由

表面上は「9割以上が合格」と見える国家試験ですが、その数字には前提条件があります。そもそも卒業試験や学内進級試験を突破できなければ国家試験を受けることすらできません。

各大学は合格率を高く維持するために、国家試験に合格できそうにない学生を卒業試験で留め置く(留年させる)ケースもあります。特に私立大学では広告的な意味合いも強いため、「合格率○%」という数値の裏にこうした戦略が隠されているのです。
つまり、国家試験の合格率が高いのは「受けられる段階で相当にふるいにかけられている」からであり、決して簡単な試験ではありません。


医師を目指す道のり

医学部に入学するのはスタート地点にすぎません。6年間にわたる学習と実習を経て、卒業見込みを得て初めて国家試験に挑戦できます。試験は在学中の2月に行われ、合格発表は3月。もし仮に試験に合格しても、卒業が認められなければ免許は取得できません。

さらに、国家試験に合格したからといって終わりではなく、その後は臨床研修医として最低2年間の研修を積む必要があります。ようやく一人前の医師として独り立ちできるのは、その先なのです。


医学部志望者へのメッセージ

医学部受験生の多くは「国家試験の合格率が高いから安心」と思うかもしれません。しかし実際には、合格に至るまでの過程で膨大な努力と時間が必要です。受験勉強、大学入学、過酷なカリキュラム、臨床実習、卒業試験、そして国家試験と、途切れることなく試練が待ち受けています。

また、国家試験に合格しても即戦力になるわけではなく、研修や専門医取得などさらに長い道のりが続きます。「合格率の高さ」は医学部に入ってからの厳しい環境と、学生一人ひとりの粘り強さの結果として存在するのです。


まとめ

第119回医師国家試験は全体で9割を超える合格率を記録し、特に多くの大学で新卒者の合格率が非常に高い水準となりました。男女比においても女性合格者の割合が増加し、時代の変化が数字にも表れています。

しかしながら、この試験が「簡単」というわけではなく、医学部6年間の厳しい学びと大学による徹底的な選抜があってこその結果です。医師を目指すには、入試から国家試験、さらには臨床研修に至るまで、長く険しい道を歩み続ける覚悟が必要になります。

医学部受験を考えている人は、合格率という数字だけでなく、その裏にある努力と厳しさを理解したうえで、自らの進路を見据えることが求められます。


 


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