2024.04.28

医療機関の休廃業・解散件数が過去最多

医療機関の休廃業・解散件数が過去最多

2023年度における医療機関の休廃業・解散件数が、前年度比37.1%増の709件に達し、これまでで最も多い数となりました。その背景には、開業医の高齢化があり、特に診療所がその影響を受けています。また、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及に対応できないケースも見られるといいます。

2023年度の休廃業・解散件数は、19年度の561件を上回り、過去最多を記録しました。その内訳は、診療所が580件(81.8%)、歯科医院が110件(15.5%)、病院が19件(2.7%)となっています。特に診療所の増加が顕著であり、10年前と比べて2.4倍に急増しています。

高齢化が顕著、コロナ時の融資が返済できない

診療所においては、65〜77歳ぐらいの開業医が多く、高齢化が顕著な状況です。また、新型コロナウイルス対策の一環として政府が実施したゼロゼロ融資の返済が本格化しており、これも影響の一因となっています。さらに、医療DXに対応できないケースもあるようです。

医院は飽和状態

厚生労働省のデータによると、2024年1月末時点の医療機関施設数は、「病院」が8115施設、「診療所」が10万5304施設、「歯科医院」が6万6886施設となっています。診療所は特に全国に多く、その数は全国のコンビニ数の2倍近くにも及びます。このなかで競争が激しくなっていることが指摘されています。

一般企業と比較すれば低水準

ちなみに、中小企業庁によれば、日本の中小企業数は約358万社であり、2021年には約5万件の休廃業や倒産がありました。そのため、クリニックの廃業・倒産率は一般企業と比較して低いといえます。

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