2024.09.12

大学医学部の学費が下がっている理由とその影響

大学医学部の学費が下がっている理由とその影響

これまで大学医学部の学費は高額であるというイメージが強くありましたが、近年ではその学費が下がる傾向にあります。なぜこのような変化が起きているのでしょうか?その背景には、医師不足の深刻化や少子化による大学の生徒確保戦略が密接に関係しています。

医師不足と大学の戦略

医師不足は、医療現場での需要が高まる一方で、医学部の入学者数が一定のままであるという現実から生じています。この問題に対処するため、多くの大学は学費を引き下げることで、より多くの優秀な学生を確保しようとしています。学費の引き下げは、特に医師を志望する学生に対して、経済的な負担を軽減し、学業に専念しやすくする狙いがあります。

経済的な影響と教育資金制度

加えて、2013年から開始された「子や孫への教育資金の一括贈与制度」が、医学部受験に大きな影響を与えています。この制度では、教育資金として1500万円まで非課税で贈与できるため、多くの家庭がこの制度を利用して医学部の学費を支援しています。特に祖父母からの支援が増えており、これにより医学部への進学がしやすくなっています。目に入れてもいたくない程かわいい孫が医学部に行きたいとなれば祖父母も人生をかけて応援するケースが増えているのです。特に一人っ子家庭には追い風となっています。

医学部受験の過熱化

学費の引き下げや教育資金の援助が進む中で、医学部受験の人気は依然として高い水準を保っています。2017年度の私立大学医学部の志願者数は約900,000人強に達し、志願倍率は35倍と非常に厳しい状況が続いています。国公立大学についても、志願者数は多く、医療職の需要の高さを反映しています。

中高一貫校が医学部合格者に強い理由

中高一貫校の優位性

医学部と言えば現役合格率は30%で浪人が当たり前とされていますが、そんな医学部に合格するために、中高一貫校に通うことが大きなアドバンテージとなります。例えば上位の医学部合格者の中で、中高一貫校生の比率が高いというデータがあります。中高一貫校では、高校3年生の1年間を医学部受験対策に特化できるカリキュラムが組まれているため、他の学校よりも受験対策に十分な時間を確保することができます。

中高一貫校のカリキュラム

中高一貫校では、高校2年生までに必要な全てのカリキュラムを終了させ、高校3年生の1年間を受験対策に集中することができます。これにより、他の学校よりも早期に受験対策に入れるため、医学部受験の難度に対応するための準備が整います。さらに、多くの中高一貫校では、医学部進学コースを設け、専門的なカリキュラムや実践的な経験が提供されています。

中高一貫校のメリットとデメリット

メリット:

  1. 十分な受験対策の時間 – 高校3年生を受験対策に専念できるため、充実した準備が可能です。
  2. 早期の勉強習慣 – 中学受験を通じて勉強の習慣が身につくため、学習のモチベーションが高い状態を維持しやすいです。
  3. レベルの高い環境 – 同じ志を持つ生徒と切磋琢磨しながら成長できる環境が整っています。

デメリット:

  1. 中だるみのリスク – 高校受験がないため、緊張感が欠けると中だるみを起こす可能性があります。
  2. 勉強疲れ – ハイレベルな授業が続くことで、勉強疲れやストレスを感じることがあります。
  3. 受験の過信 – 中学受験の成功体験から、医学部受験も同様に甘く考えてしまうことがあります。

中学受験と医学部受験の関係

医学部受験を見据える場合、中学受験を通じて得られるメリットは大きいです。中学受験をすることで、早期に勉強習慣を身につけ、高校時代の受験対策に充てる時間を確保することができます。また、医学部を目指す家庭では、小さな頃からの準備が成功への鍵となります。早めの準備は、受験生にとって有利な状況を作り出し、医学部合格に近づける重要な要素です。

中学生からできる医学部対策

中学生のうちからできる医学部対策には以下のポイントがあります:

  • 勉強習慣の確立 – 日々の学習時間を確保し、バランスよく全科目を勉強することが重要です。
  • 基礎学力の強化 – 英語や数学などの基礎をしっかり固めることが、将来的な受験対策に繋がります。
  • 読解力・国語力の向上 – 小論文や面接対策として、文章読解や国語力を養うことが必要です。

中学生からの積極的な準備と適切な学習環境の整備が、医学部合格への大きな一歩となるでしょう。

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