2025.05.21

子どもが医師を目指したとき、親が知っておきたい現実とそのサポート方法

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子どもが医師を目指したとき、親が知っておきたい現実とそのサポート方法

「うちの子、将来はお医者さんになりたいんだって」
そんな一言を子どもから聞いたとき、多くの親御さんは誇らしさや期待を感じる一方で、「本当にやっていけるのだろうか」と不安を抱くかもしれません。

医師になるというのは、単なる職業選びではありません。それは、10代から20代をまるごと賭けて、数々の試練に立ち向かっていく、いわば“人生をかけた長距離マラソン”です。そして、その過程には本人の努力だけでなく、家族、特に親のサポートが不可欠です。

本記事では、子どもが医師になるまでに必要な道のりと、その道を一緒に歩むために親ができるサポートの実態について、実例を交えながら具体的にご紹介します。


医師になるための道のりとは?

まず、医師になるためには次のステップをクリアしなければなりません。

  1. 高校卒業後に医学部へ進学
  2. 6年間の大学教育(講義・実習)を経て卒業
  3. 医師国家試験を受験・合格
  4. 研修医として実地訓練(2年間)
  5. 専門医になるための後期研修・試験

これらの過程をすべて順調に進めた場合、最短でも医師としてのスタートラインに立てるのは25〜26歳。しかし、現実には大学受験で浪人したり、大学在学中に留年するケースも多く、30歳前後でようやく一人前として認められる人も少なくありません。

ここには高校卒業からしか記載していませんが医学部受験のスタートというのは都市部では中学受験からスタートしているというのが一般的です。御三家などの難関中学では学校を上げて医学部受験の対策をしています。そういう学校と医学部とは無縁の高校とでは学校の指導ノウハウからして全く違うのです。中学受験をするとなると遅くとも小学校4年生からは塾通いです。つまり10歳から勉強漬けで軽く20年は勉強漬けとなります。


医学部受験は“超”難関。早期スタートが鍵

医学部への進学は、非常に高いハードルです。入試倍率が高いことに加え、求められる学力レベルも他学部とは一線を画します。特に国公立の医学部は共通テスト+二次試験、私立では独自試験や面接、小論文が課されるなど、幅広い能力が試されます。

そのため、多くの受験生は高校1年生、早ければ中学生のうちから医学部を目指した専門的な受験対策を始めています。

医学部専門の塾・予備校の存在

一般的な予備校ではなく、医学部専門の塾や予備校に通うケースが増えています。こうした施設では、学力の底上げだけでなく、医療に関する時事問題や倫理観を問う小論文、そして面接対策まで網羅したカリキュラムが組まれています。

特に面接では「地域医療への関心」や「医師としての使命感」といった、知識だけでは乗り切れない本質的な価値観を問われる質問が多く、テンプレート的な回答では太刀打ちできません。


覚悟すべきは「教育費」。医学部進学は親の経済力にも左右される

医学部進学にかかる費用は、想像を超えるものがあります。以下に代表的なコストをまとめました。

1. 予備校・塾費用

  • 集団指導型予備校:年額50万~300万円
  • 個別指導型予備校:年額100万~600万円
  • 医学部専門予備校:年間で100万~400万円
  • 医学部専門個別指導型予備校:年額500万~1000万円

夏期・冬期講習、特別模試などのオプション費用も加算され、年間トータルで1000万円近くになることも珍しくありません。

中には合宿と称し2泊3日で100万の講習を行っている医学部専門予備校もあります。あくどいですね。

医学部受験ではその熾烈さ故多浪がよく起こります。仮に二浪したと仮定して2年間なら2000万以上かかるということになります。吐きそうになりますね。

2. 大学の学費

  • 国公立大学(6年間):約350万〜400万円
  • 私立大学(6年間):2000万〜4600万円

学費の他にも、教科書代、実習で必要な道具、交通費や生活費などが加算されます。


奨学金や地域枠という選択肢。条件付き返済免除制度も

負担を軽減する手段として、奨学金の活用も検討に値します。中には、地元の医療機関で一定期間勤務することを条件に、返済が免除される制度もあります。

ただし、奨学金は“借金”であることを忘れてはなりません。将来の収入を担保にしている分、計画的な返済が必要です。家族全体で資金計画を立てておくことが重要です。

また地域枠は卒業後の進路に大きな影響を及ぼします。あまりお勧めはしません。


医師国家試験合格=ゴールではない。研修医時代の厳しさ

晴れて国家資格を取得した後、待ち構えるのが“研修医”としての2年間です。この期間は、あらゆる診療科を回り、現場で医療の実務を叩き込まれる大変な時期です。

初任給は25万円前後と悪くない水準ですが、勤務時間は非常に長く、100時間を超える残業もあるのが実情。自宅に帰れず、病院に泊まり込むことも珍しくありません。

この時期は、肉体的にも精神的にも相当な消耗が伴い、多くの若手医師が理想と現実のギャップに苦しむ時期でもあります。


医学部は留年率が高い!?他学部と何が違うのか

文部科学省のデータによると、一般学部のストレート卒業率は約88%に対し、医学部は83%と低め。その理由の一つが、進級要件の厳しさです。

  • 必修科目の不合格=即留年
  • 一部科目を落とすと学年全体をやり直し
  • 再試験の回数制限あり

このように、学年を“落とす”リスクが高いため、毎年一定数の学生が留年を余儀なくされるのです。

一部の大学(例:京都大学など)では、取得済み単位が次年度に持ち越される制度もありますが、大多数の医学部では一度失敗すればゼロからのやり直しとなります。


人間関係と結婚問題。医師という職業の“落とし穴”

医師という肩書は、時に周囲からの過剰な期待や偏見を招くことがあります。特に男性医師の場合、経済的安定性や社会的ステータスから“ターゲット”として見られることも。

あまりに熾烈な勉強漬け生活を送った結果純粋な恋愛経験が乏しいまま大人になり、思わぬ形で“ハイエナ系女子”に引っかかることも……。結婚によって得られる幸せもあれば、逆に家庭が足かせとなり、キャリアや生活が思い通りにいかなくなるケースもあります。


医師は人生をかけた職業。だからこそ親ができること

医師になるという選択は、長く険しい道のりです。しかし、それだけにやりがいや社会的意義、経済的安定性もある魅力的な職業でもあります。

親として子どもをサポートする上で大切なのは、情報収集・計画的準備・精神的サポートの3本柱です。

親ができる具体的なサポート

  • 早期に進路を明確にさせる環境づくり
  • 教育費の備えと家計の見直し
  • メンタル面でのサポートと現実の共有
  • 恋愛・結婚に対する価値観の対話

まとめ

子どもが医師を目指すというのは、本人だけの挑戦ではありません。親も一緒になって走り続ける長距離レースなのです。

「子どもが医師になること」そのものがゴールではありません。医師という道を通じて、子どもがどんな人生を築いていくのか。その“その先”にこそ、親の願いがあるはずです。

医学部進学や医師としてのキャリアをサポートするのは容易ではありませんが、しっかりと現実を見据え、心の準備と経済的備えをしていけば、必ず道は拓けます。

「医師になりたい」という子どもの夢を、親としてどう応援できるのか。その答えを一緒に探していくことが、何よりのサポートになるのです。


(文字数:約3,970字)

 

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