2025.10.16

日本大学医学部(N全学統一)入試制度と対策:高得点スピード勝負

日本大学医学部(N全学統一方式)入試制度と配点:高得点スピード勝負

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日本大学医学部は2022年度から全学統一N方式を導入しており、複数学部併願が可能な同一試験日・同一問題方式です。入試は一次試験(学科試験)と二次試験(学科試験・口述・面接試験)に分かれます。一次試験は「英語」「数学」「理科2科目」の3科目構成で、試験時間は英語・数学各60分、理科2科目合計120分。解答形式はいずれもマークシート方式で、各科目100点満点(理科は2科目で計200点)とし、一次試験合計400点満点(得点は標準化して合否判定)となります。一次試験合格者(合格ラインは例年高めの得点率)には二次試験が課され、二次試験では「英語」「数学」に加えて面接(所要20分、30点満点)を行います。二次試験の英語・数学は各60分、配点各60点(英語はマーク式、数学は記述式)であり、一次400点+二次150点=550点満点で最終合否が決まります。以上のように、一次と二次を合わせた総合得点で合否判定が行われる点が特徴です(例:東邦大学は一次450点のみで判定)。

 

配点サンプル(2025年度入試)

  • 一次試験(マーク式)

    • 英語:100点(60分)

    • 数学:100点(60分)

    • 理科(物理・化学・生物から2科目選択):各100点(合計200点、120分)

    • 合計:400点満点(得点は標準化して評価)

  • 二次試験(合格者のみ)

    • 英語:60点(60分、マーク式)

    • 数学:60点(60分、記述式)

    • 面接:30点(20分)

    • 合計:150点満点

  • 総合計:550点満点

この配点・方式の特徴として、一次・二次とも英語が必須で、英語重視であることが挙げられます。また、全問マーク式(数学二次のみ記述式)であるため正確性が重視され、ケアレスミスを避けることも重要です。

一次試験の科目別出題傾向と対策

英語(一次・二次)

  • 出題形式・傾向(一次): 空所補充・語句整序・会話文読解・長文読解など、旧大学入試センター試験に似た構成が例年出題されます。語彙・文法問題も出るものの標準的なレベルです。

  • 出題形式・傾向(二次): 大問3題の長文読解(各600~700語程度)と設問約10問の構成で、総語数は1ページに収まる程度です。設問形式は内容一致・空所補充・同意語選択など典型的で、全問マーク式かつ設問も英文表記であるため、速読力と精読力が問われます。難易度は「やや易~標準」で、大きな難問は少ないものの、高得点勝負になりやすい試験です。

  • 対策: 一次試験対策では文法・語法・語彙の確実な定着が必須です。特に長文では時間に余裕を残すため、知識問題は素早く正答できるよう訓練しましょう。二次試験対策では長文読解演習を繰り返し、読解速度と正確性を高めます。設問・選択肢も英文のため、英語力の底上げ(語彙力強化や英文の速読訓練)が重要です

数学(一次・二次)

  • 出題形式・傾向(一次): 60分6題構成(大問1は小問集合)のマークシート形式です。2023年度までの実績では、大問1の5つの小問で「平面図形・ベクトル・二次関数・複素数」など多様な分野が出題されるなど、広い分野をカバーしています。2022年度からのN方式導入で、医学部独自のA方式より難易度は下がりましたが、それでも問題量は多く制限時間は厳しいため、素早く解答できる実力が必要です。

  • 出題形式・傾向(二次): 60分3題構成(大問1は小問集合)で、数学Ⅱ・ⅢやA・B・C(図形・確率・複素数)から出題されます全問記述式で、途中過程も記述する必要があります。頻出分野は微分・積分やベクトル・数列などです。日本大学医学部特有の出題としては三角比・三角関数が多いことも知られており、他大学にはあまり見られない分野対策も必要です

  • 対策: N方式導入で難易度がやや下がった分、満点近い高得点勝負が予想されます。頻出分野(微分・積分、ベクトル、数列、三角関数など)を中心に基礎から徹底的に演習し、解答スピードとケアレスミス防止を磨きます。マーク式なので記述の形式は気にせず解けますが、部分点がもらえないため正答率が勝負を分けます。二次試験対策も一次試験同様の範囲が問われるので、応用問題演習を含めた総合力を高めます

化学(一次のみ)

  • 出題形式・傾向: 一次試験で120分(2科目分)実施され、マークシート方式で各科目100点満点です。典型的には大問5~7題で構成されます。N方式以降は難易度がやや下がり、基礎~標準レベルの問題が中心となっています。特に理論化学の出題比率が高く、2022年度は7問中4問が理論化学からでした。無機・有機・高分子も出題されますが、他大学に比べて無機分野(非金属元素など)や実験的な問題がやや多い傾向があります。

  • 対策: 基礎力が問われるため、まずは教科書レベルから応用まで知識の抜け漏れなく固めることが重要です。標準問題集で典型問題を素早く解答できるよう演習し、計算問題の反復練習でスピードと正確性を高めます。難化していないぶん得点しやすい科目でもあるので、基本問題を確実に得点源とすることが合格への鍵です。

物理(一次)

  • 出題形式・傾向: 一次試験理科2科目の一つとして60分100点で行われ、マークシート方式です。N方式以降は大問5題構成で、各大問に4~6の小問があり、総計約25問になります。出題範囲は 力学・波動・電磁気が必須(毎年必ず1題ずつ)で、熱力学・原子物理もほぼ毎年出題されています。近年の傾向では問題数がやや増えたものの、レベルは教科書範囲の基礎~標準問題が大半で、極端に難しい計算問題は稀です。2023年度はやや難化しましたが、全体としては易~標準範囲と言えるでしょう。

  • 対策: 物理は合格点を確保する上で得点源としたい科目です。まずは教科書の例題・章末問題を完璧にし、基本公式・概念をすべて身につけます。苦手分野を作らないようにし、典型問題を迅速に解ける水準まで演習を重ねます。できれば8~9割以上を得点できるよう練習し、計算ミスや読み落としに注意しましょう。年によって問題数が多く時間がシビアなので、過去問演習で時間配分の感覚を身につけることも大切です。

他大学医学部との比較

日本大学医学部の入試は、以下の私立医学部と比べてN方式(全学統一試験)による科目構成・難易度・配点に特徴があります。

  • 昭和医科大学(東京): 英語100点・数学100点(または国語100点)の140分同時実施で、英語に加えて「数学or国語」を選択します。一次試験は英数国語3科目の合計520点満点で行い、小論文(20点)・面接(100点)も課される点が特徴です。日本大学のような二次英数試験はなく、学科重視+小論文・面接という方式です。英語には短い和訳問題や説明問題が含まれ、課題分読解に加え記述力も問われるため、対策は日本大学とは異なります。

  • 東京医科大学: 英語・数学・理科2科目は日本大学と似ているものの、物理では大問6~8題・約30問などボリュームが非常に多く、誘導が少なく煩雑な計算問題も含むことで知られています。英語も大問5題で設問数が多く、短い記述問題(50語程度)も含まれます。難易度は標準ですが問題量が多いため時間との戦いになる点が、N方式の日本大学より負担が大きいと言えます(東京医科は全問マーク式です)。

  • 杏林大学: 理科2科目100分(各75点)と制限時間が短く、科目ごとの配点も日本大学(各100点)より小さいのが特徴です。問題自体は基本~標準レベル中心ですが、数値計算の比率が高く、多めの問題量を短時間で解く必要があります。化学では実験・分析問題が多めで、無機・有機の広範囲が出題されます。全体にオーソドックスな傾向ですが「速さ」が求められ、物量勝負の傾向が日本大学より強いと言えます

  • 東邦大学: 一次試験で英語150点・数学100点・理科各100点(計450点)を課し、これら一次成績のみ(満点450点)で合否判定します。二次では面接のみを実施します。英語150点と配点が非常に高く、数学記述式・理科2科目マーク式(120分)であり、一次試験重視の仕組みです。日本大学では一次400点(英100+数100+理科200)+二次150点で判定するのに対し、東邦は一次450点+面接で合否を決める点が大きく異なります。英語配点の重みから共通テスト利用併用ではなく完全自校問題型で高得点競争となりやすいのも特徴です

日本大学医学部のように全学部の統一試験で実施している大学は少なく、日大医学部の問題は医学部の問題としては簡単すぎるためミスなくハイスピードで解き進める能力が必要です。

まとめ

以上のように、日本大学医学部N方式は「共通テスト対策型の基本問題中心」「マーク式主体」「一次は全学部共通問題」「二次試験で医学部独自の英語数学試験」「英・数・理2科目の合計550点評価」という点で、他大学にはない特徴があります。対策としてはまず日本大学の出題形式に慣れることが重要で、上記他校との違いを踏まえつつ、日本大学特有の出題傾向(例:数学の三角関数、物理の全分野網羅、化学の理論重視など)に重点を置いて学習を進めることが効果的でしょう。

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