2025.02.17

東京慈恵会医科大学二次試験の小論文対策

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東京慈恵会医科大学一般入試の小論文対策

1. 小論文の概要

東京慈恵会医科大学医学部の小論文は、私立医学部入試の中でも独特な形式を持つ試験です。出題形式は課題文型であり、受験生は課題文を読んだ上で自らテーマを設定し、1200~2400字の文章を執筆する必要があります)制限時間は60~90分とされ、内容は段階評価方式で採点されます。(文字数時間は年度によって異なります。)今年度は小論文(二次試験)は90分で課題文の要約(300字以内)と課題文に関する論述(1,200字以内)を課します。とあります。HPより

この試験の大きな特徴は、他の大学と比べて字数が非常に多い点です。多くの私立医学部の小論文が600~800字程度であるのに対し、慈恵医大では倍以上の分量が求められます。そのため、長文の論理的な構成力や表現力が試されることになります。

また、受験生自身がテーマを設定するという点も特徴的です。自由にテーマを設定できる反面、適切なテーマ選びができなければ内容の一貫性が損なわれる可能性があります。そのため、日頃から幅広い知識を身につけ、論理的思考を鍛えておくことが重要です。

2. 過去の出題テーマと傾向

東京慈恵会医科大学の小論文では、医療に限定されない多様なテーマが出題されます。最近の出題例として、以下のようなテーマが取り上げられました。

  • 2024年度:原俊彦『サピエンス減少』
  • 2023年度:好井裕明『「あたりまえ」を疑う社会学』(差別に関する内容)
  • 2022年度:内田樹の「人は自分の知識を過大評価し、切り捨てた知識を過小評価する傾向がある」という趣旨の文章

これらのテーマからも分かるように、医療や生命倫理に直接関連しない内容が扱われることが多く、幅広いジャンルの書籍や評論文を読み慣れておくことが求められます。

また、具体的なテーマの傾向として以下のようなものがあります。

自己と他者に関するテーマ

  • チーム医療や患者とのコミュニケーションに関連する内容
  • 集団と個人の関係性に関する考察
  • リーダーシップや協調性についての議論

学校や教育に関するテーマ

  • 児童虐待や教育格差に関する考察
  • 行動心理学を基にした教育のあり方
  • 文化や宗教の教育への影響

経験や成長に関するテーマ

  • 人の成長過程における経験の重要性
  • 知識の獲得とその評価に関する考察
  • 医療倫理に関わる価値観の変化

3. 効果的な対策方法

1. 長文執筆の練習

1200字以上の小論文を書くには、長文を書くことに慣れておく必要があります。試験本番では90分以内に執筆しなければならないため、時間内に論理的な構成を作り、ミスなく仕上げる訓練が重要です。

  • 過去問を活用して、テーマ設定から執筆までの流れを練習する
  • 執筆後に自己添削や他者によるフィードバックを受ける

2. 批判的読解とテーマ設定

慈恵医大の小論文では、課題文を読んでから自らテーマを設定する必要があります。そのため、単に文章を読むだけでなく、

  • 課題文の主張を正確に把握する
  • その主張に対して、自分の意見を持つ
  • 医療や社会に関連付けながら論理的に展開する

といった批判的読解力が求められます。これには、評論文の読解練習や、京都大学の国語の第一問(評論文)などを活用すると効果的です。

3. 構成を考えた執筆

長文小論文では、論理的な構成が特に重要です。以下のような構成を意識すると、説得力のある文章が書けます。

  1. 序論(200~300字)
    • 課題文の内容を要約
    • 自分のテーマを明確に提示
  2. 本論(800~1200字)
    • 自分の主張を展開
    • 複数の視点から論じる(肯定的・否定的な側面を含める)
    • 具体的な事例やデータを用いる
  3. 結論(200~300字)
    • 本論の要点をまとめる
    • 将来的な展望や社会的意義について述べる

4. 幅広い知識の習得

慈恵医大の小論文では、医療に関する知識だけでなく、社会学、心理学、教育学など幅広い分野の知識が求められます。そのため、

  • 日々ニュースをチェックし、時事問題に関心を持つ
  • 社会学や倫理学に関する書籍を読む
  • 科学技術や医療倫理に関する最新の研究に触れる

といった学習習慣をつけることが有効です。

4. まとめ

東京慈恵会医科大学の小論文は、他の医学部入試とは異なり、自らテーマを設定し長文を書くことが求められる試験です。合格するためには、

  1. 長文執筆の練習を積む
  2. 批判的読解力を鍛え、適切なテーマ設定を行う
  3. 論理的な構成を意識した文章を作成する
  4. 幅広い知識を身につけ、医療以外の視点も持つ

といった対策が必要です。過去問演習や評論文の読解を継続的に行い、論理的思考力を養うことで、高得点を狙うことができます。

東京慈恵会医科大学は学生のレポート課題に満足しておらず、であれば入試の段階でしっかりとした文章を書ける人材を入れようという動きがあります。そのため小論文の出来は合格を大きく左右すると言っても過言ではないでしょう。

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