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東北地方の医学部事情:関東出身者が多い理由と地域医療の課題
医学部への進学を考える際、その高い偏差値から首都圏や都市部の大学進学を諦め地方都市の医学部に目を向ける受験生が多くいます。しかし医者はその仕事の特性上地域に根付くことが求められる職業です。そうしたこともあり合格にはそれぞれの大学所在地や地域ごとの特徴が大きな影響を与えます。今回は比較的偏差値が低く別地方出身者からみて狙いやすい東北地方にフォーカスして医学部受験を考えていきます。
この記事では、東北地方の医学部の入学者動向やその背景、地域医療の課題などについて詳しく解説していきます。
1. 地域医療が叫ばれる東北地方の医学部に関東からでも合格可能?
1-1. 東北大学の入学者の約4割が関東出身
結論から言うと十分に合格は可能です。特に東北地方の医学部の中でも、最も難関とされる東北大学では、入学者の約4割が関東地方の出身者で占められています。また、新設された東北医科薬科大学の医学科では、関東出身者の割合が5割以上に達するなど、関東からの志願者の多さが目立ちます。
この傾向の背景には、いくつかの要因があります。
✅ 東北大学医学部の全国的な知名度の高さ
東北大学は旧帝国大学の一つであり、全国的に高い評価を受けているため、特に難関大学を目指す受験生からの人気が高いです。関東地方のトップ層の学生にとって、東北大学医学部は「地方の中では難易度が高く、魅力的な選択肢」となっています。関東近辺の国公立駅弁大学はどこも人気がありますがその中でも通いやすく知名度も高い東北大学は人気が高いです。
✅ 関東からのアクセスの良さ
仙台市は東京から新幹線で約1時間半と、比較的アクセスしやすい立地です。関東地方の受験生にとっては「遠すぎず、かつ医学部の学びが充実している」環境として選ばれることが多いのです。
✅ 東北地方の人口減少による志願者数の低下
東北地方は全国的に見ても人口が少なく、さらに18歳人口も年々減少しています。そのため、東北地方の医学部は、東北出身者だけで定員を満たすのが難しくなり、関東からの志願者が多くなる傾向にあります。
✅ 公立高校出身者が多い
東北地方では、公立高校のレベルが高い傾向があります。東北大学の医学部に合格する生徒の多くは、公立高校出身者であり、私立高校が強い関東地方の受験生とは異なる特色があります。ただ裏を返すと東北の私立校のレベルが低いという課題も見えます。
2. 東北大学以外の医学部の特徴と入学者傾向
東北地方には東北大学以外にも複数の医学部があり、それぞれ異なる特色を持っています。
2-1. 秋田大学の地域枠増加とその影響
秋田大学は偏差値だけで見ると最も低く入りやすい国公立医学部としてよく注目の的になります。しかし秋田大としては地域の医療を支える人材を育成しなければならないという使命があります。そのため、地域枠の定員を大幅に増加させています。一般選抜の枠を減らし、地域枠を拡大することで、卒業後に秋田県で医療に従事する医師を確保しようという狙いです。
✅ 秋田大学医学部の定員変更
- 一般前期試験枠:124名から45名へ縮小
- 学校推薦選抜枠の増加:54名に拡大(秋田地域枠24名、東北地域枠10名など)
このような変更は、「地域医療を担う医師を増やしたい」という意図が明確に反映されたものです。
2-2. 秋田県の厳しい現状
秋田県は全国的にも人口減少率が高く、医療環境の維持が大きな課題となっています。
⚠ 県内の経済力の脆弱さ
秋田県は社会問題として若者の県外流出が深刻な問題となっています。そのため、医学部も例外ではなく卒業しても他県へ流出するケースが多く、地元に医師が定着しにくいのが現状です。
⚠ 交通インフラの課題
秋田県は公共交通機関していません。電車は首都圏の売上に助けられ廃線こそ免れていますがバス共々苦しい状態。新幹線はありますがミニ規格のこともあり他県からのアクセス面でも不便さが課題となっています。医師が県内で働き続けるための環境整備が整っておらず他県に流れやすい環境があります。
⚠ 医学部の偏差値が下がっている
秋田大学医学部の偏差値は62.5と、かつてに比べて低下傾向にあります。そのため、比較的入りやすい医学部として認識され、「学費が安い国公立医学部で狙いやすい秋田大学を選ぶ」受験生が増えています。
2-3. 関東からのUターン狙い進学は難しい?
結論を言うと難しいです。ただし不可能では全くないといったところです。(Uターン進学とは大学だけ地方に行き就職は地元で行うこと)秋田大学は先述の通り地域に貢献するという大義があります。もちろんペーパーテストで圧倒的な差をつければどこからでも合格は可能ですが同じ程度の点数であれば地元出身者が優先されても文句は言えない状況にあります。テストで圧倒的な差をつけられる子は最初から秋田大学は眼中にないためなおさら顕著に表れます。その他の地域でも同様ですが東北大学は旧帝大の冠もあることから地域差別はあまりないとされ関東出身者も多く在籍しています。医学部は面接点があるためある程度点数を操作出来てしまいます。そのため合格最低点をみて受験するのは危険で考え直したほうがいいでしょう。
3. 東北地方の医学部が抱える地域医療の課題
医学部受験は熾烈を極め、また差別問題などでも度々問題が上がります。それでも地元出身者を優遇するのは理由があります。
3-1. 地域枠の増加による影響
近年、多くの医学部が地域枠を拡大しており、卒業後に一定期間地元で医療に従事することを義務付ける制度が広がっています。これは一時的な医師不足の解決には役立つものの、以下のような問題点も指摘されています。
- 本当に地域に定着するかが不透明
→ 地域枠で入学した学生が、義務年限終了後に都市部へ移動してしまうケースも多い。 - 受験生の選択肢が制限される
→ 一般枠が減ることで、医学部受験を目指す生徒の間で地域枠の是非が議論になっている。 - 高校生時点で将来の選択をさせることに対する疑問も
→医学部に入るような賢い子でもまだ社会に出ていない学生時代に将来の就職まで決定させるのは荷が重いのではないかと議論になります。地域医療と人権問題のはざまで揺れており解決には至りません。
3-2. 地域医療を維持するために必要なこと
東北地方の医学部が地域医療を支えるためには、以下のような取り組みが求められます。
✅ 医師が働きやすい環境の整備
→ 県外から医師を呼び込むためには、医療機関の設備充実や、生活環境の改善が必要。
✅ 医師の待遇改善
→ 地方で働く医師の給与や勤務環境を改善し、定着率を高める。
✅ 地域医療の魅力を伝える
→ 医学部生の段階で、地域医療の魅力を知る機会を増やし、地方での勤務を前向きに考えられるようにする。
4. まとめ:東北地方医学部への他地方からの合格は可能
東北地方の医学部は、関東からの志願者が多く、地域医療を支える人材の確保が課題となっています。
一部大学で東北出身者を優遇する傾向はあるものの関東やその他地域の出身でも十分に合格は狙えると考えて問題ありません。
📌 東北大学医学部は全国的な知名度が高く、関東出身者の割合が約4割を占める
📌 秋田大学などは地域枠を拡大し、地元に医師を定着させる取り組みを強化
📌 医師不足を解消するためには、待遇改善や生活環境の向上が不可欠
今後、東北地方の医学部は「関東からの志願者の受け入れ」と「地域医療の維持」という二つの課題に直面し続けることになります。いかにして地域に医師を定着させるかが、今後の大きなテーマとなるため受験生はその年によって受験枠に変更がないか受験したい大学をよく調べておきましょう。