私立医学部入試日程の大幅な変更にどう対応するか
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2026年 私立医学部入試――日程の“偏り”が生まれた年の全体像
2026年度入試では、例年より「1月実施の大学が減り、2月上旬に1次試験が集中する」傾向が顕著になりました。入試日程のルール(いわゆる“2月1日ルール”)の運用強化を受け、これまで1月に実施していた大学の一部が2月へ後ろ倒ししたためです。結果として、
- 1月は受験チャンスが限られる一方、限られた大学に多くの受験生が集中する可能性が高まった。
- 2月1日〜4日頃に、複数校の一次試験がまとまって重なり、出願選びと日程調整がこれまで以上に重要になった。
具体例を挙げれば(代表的な流れの把握のため)1月下旬〜2月中旬にかけては、1月末から2月の序盤にかけて日程を動かした大学と、従来どおり1月に行う大学とが混在しています。たとえば、早めに一次試験を行う大学が1月中旬〜下旬に数校ある一方で、多くの大学が2月1日以降の週に集中して実施する日程になっています。
「2月1日ルール」とは何か? なぜ日程が変わったのか
大学入試の一般選抜における学科試験(筆記)の開始時期を原則2月1日以降に揃える、という運用方針があります。これは高校教育の一貫性や受験生の公平性、さらには中学入試シーズンとの日程調整といった観点から定着してきた慣行・指針で、近年改めて厳格に運用する動きが出ています。結果、学科試験を1月に実施していた大学の中には、日程を2月へ移す判断をしたところがあり、それが今回の“集中化”につながっています。
- 高校の学習機会を保障する(高3の学びを妨げない)
- 小・中学受験シーズンとの日程衝突を避ける(家庭の負担配慮)
- 受験生の負担(移動・宿泊)の極端な増大や“青田買い”競争を抑える
これらの方針に沿って、2026年は日程調整が進んだ年となりました。
受験生・保護者が直面する具体的な問題点
日程の偏りは単なるカレンダーの問題ではありません。現場で起きる問題は次のとおりです。
- 重複受験の増加
2月1〜4日のような集中日程は、志望大学同士の日程が被りやすく、出願先の優先順位付けが難しくなる。 - 移動・宿泊の取りづらさ
連戦や遠方試験が増えると、会場近辺のホテルや交通が混雑し、当日のコンディションに影響する可能性がある。 - 体力・メンタルの負担増
短期間に連続で勝負をかけるスケジュールは、精神面・体力面への影響が大きい。特に一次→二次のスパンが1〜2週間と短い大学が多く、合格発表後すぐ移動して二次に臨む必要がある場合も。 - 出願計画の複雑化
一次試験の日程だけでなく、二次(面接・小論文等)の可能性日も見越して出願校を選ぶ必要があるため、戦略設計が高度化する。
合格確率を上げるための戦略
受験戦略は“どの大学をいつ受けるか”の設計から。以下の手順で出願計画を立ててください。
- 合否優先度マトリクスを作る
志望校を「絶対合格したい(A)」「合格できれば嬉しい(B)」「チャレンジ(C)」に分類。Aは最優先で日程が被らないよう調整。Bは移動可能・宿泊を許容。 - 一次→二次の“流れ”を逆算する
1次合格が出たときの二次日程(予想)をあらかじめ確認し、1次で合格した場合の動線(会場→宿泊→二次会場)を組み立てる。1〜2週間の余裕で二次が組まれる大学が多い。 - 会場選択と宿泊の優先順位を決める
遠方会場かつ二次まで行く可能性がある大学は、なるべく会場に近い宿を早めに押さえる。複数大学を同エリアで受けるなら「そのエリアで使えるホテル候補」を調べておきましょう。同日にライブなどがあるとホテルが取れなくなることもあります。 - 出願の“安心枠”を設定
日程被りや当日の体調不良に備え、時間的に余裕がある大学を1〜2校、保険として残しておくと精神的にも有利。
本番期の行動プラン(試験当日〜一次合格後)
- 初動で狙える“早めの合格”を重視
心理的に早めに一次合格が取れると、その後の入試に良い影響(自信)が出る。1月に実施する大学で“勝負ができる”なら、早めに仕留めに行く戦術も有効。 - 連戦対策の体調管理
睡眠・食事・軽い運動で当日のパフォーマンスを安定させる。栄養補給と消化に配慮した食事(試験前は重すぎない)が有効。 - 移動は余裕を持って
公共交通機関の遅延を見越して早めに行動。可能なら前泊で会場近くに滞在する。 - 一次合格後の“二次準備”を並行する
一次合格発表までの数日間も、面接練習や小論文の添削を怠らない。もし複数大学で一次合格が出た場合の優先順位は事前に明確にしておく。
出願先選びで使える実践的チェックリスト
- 大学名・一次試験日(第1希望〜第N希望)
- 二次試験の想定日(範囲)
- 会場住所・会場最寄り駅・所要時間
- 宿泊候補(ホテル名・距離)
- 移動手段(車/新幹線/飛行機)と所要時間・費用見積り
- 出願締切日・検定料支払期限
出願費用・体力面の現実的な配慮
集中日程は交通費・宿泊費の増加を招きます。予算が限られる場合は「日程重複を減らす」「地理的にまとまった大学群に絞る」など、費用最適化を検討してください。疲労は思考の質を下げるため、費用をかけてでも前泊した方が短期的には有利なケースもあります。