近畿大学医学部 後期試験の概要と対策
いよいよ医学部受験の後期日程が開始されます。今年もトップバッターは近畿大。国公立医学部前期よりも早く後期日程を始める気が早い大学です。
募集人数(定員)
近畿大学医学部では、後期試験の定員が長年にわたり5名に固定されています。他の入試枠の定員が変動することはあっても、後期試験の定員に変更はなく、今後も同程度の規模で実施される可能性が高いです。
後期試験は一般的に定員数が少ないのが特徴であり、近畿大学医学部も例外ではありません。医学部の後期試験を実施している私立大学は全国で9校しかなく、前期試験で合格が得られなかった受験生が最後のチャンスとして受験するため、競争率は非常に高くなります。毎年500名以上の志願者が集まります。1000人を超える志願者がいる年もあり、医学部受験においても超高倍率の試験となっています。繰り上げ合格者も0名であることが多く、極めて狭き門であることが分かります。
合格者数と難易度
合格者数は年度によって若干の変動があるものの、基本的に5名〜15名程度の範囲に収まっています。後期試験を受験する学生は、ほとんどが前期試験で合格を得られなかった受験生であり、辞退者も少ないため、追加合格の枠もほとんど期待できません。2024年度は合格者が7名にとどまり、より厳しい競争となりました。
このような状況の中で合格を勝ち取るためには、高い学力と戦略的な対策が不可欠です。次に、各科目の傾向と対策について詳しく解説します。
各科目の出題傾向と対策
英語
- 試験時間: 60分
- 問題構成: 文法・語法・語彙問題、長文読解
近年形式はあまり変わらない。問題の分量の増減はありますが過去問演習を重点的に行えば間違いないでしょう。文法や語彙の問題が標準レベルに近づいたことで、長文読解に時間を割きやすくなっています。
対策ポイント:
- 文法問題(A・B・C)を10分程度で終わらせ、長文読解に時間を確保する。
- 長文中の同義語選択問題が難化傾向にあるため、語彙力を強化する。
- 900語程度の長文では、段落ごとの設問に着目し、戦略的に解く。
数学
- 出題形式: 小問集合(第1・2問)、記述式(第3問)
- 頻出分野: 場合の数・確率、数列、図形、微積分
2024年度後期は、大問2と3の後半に難易度の高い問題が含まれていましたが、例年に比べると比較的易しい問題が多く、高得点勝負となる傾向でした。
対策ポイント:
- 頻出分野について、教科書レベル以上の演習を積む。
- 記述問題に対する記述力を強化する。
- 確率問題では、丁寧な数え上げを心がける。
物理
- 問題構成: 大問3題
- 出題分野: 力学、電磁気、波動、熱、原子
2024年度は前期試験よりも難易度が低めでした。問題形式は、空所補充や数値計算を含む解答記述式でした。
対策ポイント:
- グラフを素早く読み取る力を養う。
- 問題文を整理し、図を描きながら考える習慣をつける。
- 過去問を数年分解き、時間配分の感覚を身につける。
化学
- 難易度: 標準レベル
- 出題内容: 計算問題が適度に含まれる
2023年度後期と比較して難易度に大きな変化はなく、一次合格には75%程度の得点が必要と考えられます。
対策ポイント:
- 過去問演習を通じて、基本事項を確実に押さえる。
- 計算問題の正確性を向上させる。
生物
- 問題構成: 大問3題
- 出題範囲: 遺伝暗号、心臓、発生など(頻出テーマ)
2024年度後期試験では、前期試験よりも複雑な問題が少なく、基本的な知識を問う問題が中心でした。
対策ポイント:
- 頻出分野の典型題を徹底的に解く。
- 応用問題にも対応できるよう、本質的な理解を深める。
- 考察問題に対応するため、論述のまとめ方を練習する。
- 近畿大学医学部で頻出の「免疫」分野を特に重点的に学習する。
まとめ
近畿大学医学部の後期試験は医学部受験において倍率の高い試験の一つです。合格を勝ち取るためには、各科目の傾向を理解し、適切な戦略で学習を進めることが重要です。
特に2025年度からは新課程の導入もあり、受験者の増加が予想されます。徹底した基礎力の強化と、過去問を活用した時間配分の調整を行い、本番での高得点を目指しましょう。