2025.10.11

面接で差がつく「医師になりたい理由」の語り方 —なぜ医師か?

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面接で差がつく「医師になりたい理由」の語り方 —— 個人面接での“なぜ医師か?”に備えて

はじめに

医学部の個人面接では、「なぜ医師を志すのか」という志望動機が必ず真正面から問われます。そこに 一貫性・説得力・オリジナリティ がなければ、面接官の心に残らない可能性が高いです。
特に、面接中に「医師じゃなくてもいいんじゃないか?」という鋭い反論を投げかけられることを想定し、それにきちんと答えられる構成を用意しておくことが、合格への分岐点になります。

本記事では、個人面接を想定して、「志望動機の一貫性を保ちながら構成する方法」と、「医師以外の選択肢との違いを説明する反論対応」を中心に解説します。


構成の骨子:一貫性を保つ 4ステップ

まず、志望動機を構成する際の基本骨子を示します。この流れを守ることで、一貫性を損なわずに深みを出せます。

  1. きっかけエピソード
  2. 問いかけ・思考の変遷
  3. 「なぜ医師でなければならないか」
  4. 将来像+大学との結びつけ

この4ステップの流れを一つのストーリーとして紡ぎ、「最初→最後まで矛盾がない」志望動機に仕立てます。


各ステップの詳細と記述のコツ

1. きっかけエピソード:感情とリアリティを出す

志望動機は、まず人としての出発点を伝える「きっかけ」が必要です。
例:身近な病気・怪我・家族の入院・学校での生物実験やクラブ活動での体験など。

ただし、この段階で終わってはいけません。「こういう経験があって医療に関心をもった」だけでは浅く聞こえます。多くの受験生がこのレベルで止まってしまい、面接官には「背景はあるけれど、そこから何を深く考えたか」が伝わらない、という指摘があります。

コツ:自分の感情・疑問・葛藤をセットで語る。「なぜその経験が心に残ったのか」「どう感じたか」まで丁寧に説明する。


2. 問いかけ・思考の変遷:動機の内面を構築する

きっかけを起点に、「なぜ興味を深めたか」「なぜ医療・人体・診断に関心を向けたか」を自問し、その答えを自分なりに言語化します。

ここで重要なのは、ただ「好き」「人を助けたい」などの漠然とした思いで終わらず、なぜそれが自分にとって意味を持つかを掘ること。どのような問いを持ち、どう答えてきたかを語れると、動機が“芯”を持つようになります。

例:

「最初は ‘人を助けたい’ という思いだけを抱えていましたが、その思いにはどのような形で結実させるのが適切かを考えたとき、医療技術や診断過程を学ぶ必要性に気づきました。対症療法だけでなく根本原因を探るプロセスを担いたいという思いと合致しました。」

このように、問いかけ → 発見 → 意思という流れを語ると、志望動機の深みが出ます.


3. 「なぜ医師でなければならないか?」:反論への備える

最も重要かつ差がつく部分です。「医師以外の道もあるだろう」という反論を想定し、理由を明確にしておく必要があります。

よくある反論例

  • 「看護師/薬剤師/研究者/福祉職など、医療に関わる他職種もあるではないか」
  • 「社会貢献したいだけなら、他の仕事でもいいのではないか」

これらに対して説得力をもたせるために、自分の価値観・強み・役割観と結びつけて答える必要があります。

回答の方向性 — 複数の観点から対比を使う

以下のような視点を使って、医師という職業の必然性を語ることが有効です:

視点 医師でなければ得られない/果たせない機能 補足ポイント・註
診断・治療プロセスを一貫して担える責任と裁量 他職種は診療方針決定や手術、治療責任を持ちにくい 医師として “初期判断 → 治療設計 → 実践 → フォロー” を統合できる点
高度技術・知識・判断力を用いる役割性 高度専門性・手技・臨床判断を担えるのは医師 他職では限界のある医療範囲を、自らの知見で拡げる意義
研究と臨床の橋渡し役 医師だからこそ、臨床で得た疑問を研究として還元できる立場 臨床研究医・訳者的ポジションを志向している場合に強み
責任と信頼性 医師は患者との最前線で信頼を構築し、診断・治療への最終責任を負う立場 “命を預かる”という責任感とそれを担いたい意思

これらの観点を、自分自身のキャラクター(強み・経験・関心)と絡めて説明できれば、「医師でなければならない理由」は十分説得力を持ち得ます。

「私は、生物学や病理学の知見を得ることに強い興味があります。また、臨床で出会う患者さんの背景・経過を自分の目で見て、『なぜこの治療を選んだか』『なぜこの反応が起こったか』という問いを持ち続けたいと思っています。他職種はその一部分を担うことはできますが、初期診断から治療設計・評価までを自ら責任を持って統合していくのは医師でなければできないと考えます。将来的には、その問いを研究という形で発展させ、臨床へ還元する“臨床研究医”となることを志しています。」

このように、自分の思考軸・強み・未来像を丁寧に結びつけ、「医師以外では物足りない/成し得ないからこそ医師を志す」という主張を臨場感を持って語ることが重要です.


4. 将来像+大学との結びつけ:最後まで一貫性を保つ

志望動機を終える段階では、「未来像」と「なぜこの大学か」を結びつけて締めくくることが肝要です。

  • 将来的にどのような医師になりたいか、どの領域(研究、地域医療、再生医療等)に関わるかを描く
  • その未来像を実現するために、志望大学・医学部のどの特色(研究分野、教育制度、施設、連携臨床施設、学生サポート体制等)が魅力かを挙げる
  • 自分の志望と大学の特色が重なっている点(共通点・相性)を必ず示す

こうすることで、志望動機全体が単に「医師になりたい」ではなく、「この大学で学ぶことで、自分の志を実現したい」という論理的な構造を持つ答えになります。

「私は将来、がん治療と免疫療法の領域で、臨床と研究を融合させた医師になりたいと考えています。貴学は免疫療法・がん研究で顕著な実績を持ち、大学附属病院でも最先端治療を数多く取り入れており、その環境が私の未来像と強く符合しています。入学後は**研究室で学びつつ、臨床科も経験し、将来的には “先端治療の現場を担う医師研究者” として貢献したいと考えています。」

この締めが、冒頭のきっかけから問いかけ、医師性の必然性までを受けた、整合性のあるストーリーとして読めるようになると非常に強い志望動機になります。


「医師じゃなくてもいいんじゃないか?」を想定した質問例と応答テンプレート

以下は、このような反論を面接官から投げられた場合に備えておくべき想定質問と応答テンプレート案です。

想定質問 応答の要点 応答例(骨子)
「医師じゃなくても良くないか?」 ・他職種との違いを明確に示す・自分の強み・役割観と結びつける・責任・裁量・統合性を強調 「確かに医療には看護師・薬剤師・研究者など他の職種もあり、貢献できる道は複数あります。しかし、私自身が興味を持ってきたのは“診断→治療設計→経過把握”という一連のプロセスを自分の判断で統合して関わることです。私は(強み A:分析力・問いを立てる力)をもって、そこに自分が関わりたいと考えています。他職種ではその統合性や最終判断を担うことが難しい。将来的にはその統合された視点を研究にもつなげ、臨床研究医として社会に貢献したいと思います。」
「他の仕事でも同じような成果を出せるのでは?」 ・医師としての責任・視座の違いを語る・専門性・裁量・信頼を担える立場性を示す 「他業種でも“人を支える”という観点は通じるかもしれませんが、医師という立場でなければ得られない視点があります。たとえば、臨床現場での最初の判断・治療決定・手技の実施・経過判断を、自らの知見で行えることです。私はそれらすべてに責任を持ちたいと考えています。また、その視点を通じて得られた疑問を、研究として立て直す“臨床⇄研究”の架け橋になりたいという思いもあります。だからこそ、医師という職業選択が私にとって不可欠だと信じています。」

これらの応答例はあくまで骨子ですが、自分の経験・強み・未来像を当てはめて肉付けすれば、実戦向きの反論対応になります。


志望動機例

志望動機全文例です。これを自分なりに書き換えて練習用のベースにしてください。

私が医師を志す原点は、高校2年のとき、部活動でけがを負った後、整形外科医からリハビリ方針を丁寧に説明してもらった経験です。そのとき、「単なる対症ではなく、原因を探り最適な治療を設計する道筋を示す姿」に感銘を受け、医療・診断の道を強く意識し始めました。
ただ、それだけでは「なぜ医師か?」という問いに対する答えにはならないと考えました。私は、“なぜその治療が選ばれたのか”“なぜこの回復曲線だったのか”という疑問に強く惹かれ、診断から治療、経過観察までを統合して関わる立場に興味を持ちました。分析力と問いを立てる力を活かし、臨床の最前線で責任を持って判断できる立場こそが自分の志向に最も合致すると確信しました。
将来は、整形外科領域だけでなく、再生医療や組織修復の研究にも関わる“臨床研究医”になりたいと考えています。貴学は再生医療領域で研究実績が豊富で、大学附属病院における最先端治療導入の環境も整っていると知りました。そのような環境で学びながら、臨床と研究を両立させていく道を志望しています。
(反論対応を含め)確かに、他の医療職でも人を支える道はあります。しかし、私が最も描きたいのは、診断・治療設計・その実行・評価という一連のプロセスを自らの視点で統合できる立場であり、それを問い続けながら研究へ還元できる医師でありたいという強い意志があります。ですから、私は医師という道を選びました。

この例をもとに、自分の経験・性格・興味を反映させて肉付けしながら練習を重ねてください。


練習法と面接本番での注意点

  • 時間を計る練習:志望動機は話し出しから締めまで 1分〜1分半程度 を目安にまとめておく(長すぎると印象が散漫になる)
  • 深掘り質問を想定して準備:面接官は「なぜ?」を重ねてきやすいので、各段階(きっかけ → 意思 → 未来像)に対して裏付けエピソード・説明を準備
  • 言葉遣い・声の抑揚・視線 に注意:内容が良くても、話し方が淡白だと伝わりにくい
  • 暗記しすぎない:流れを覚えておくのは良いが、丸暗記すると言葉が不自然になったり、深掘り質問に詰まる
  • 模擬面接でブラッシュアップ:教員・講師・先輩を相手に、実際に突っ込まれる練習を重ねる

まとめ

  1. 志望動機は きっかけ → 問いかけ → 医師の必然性 → 将来像+大学との結びつけ というストーリー構成が基本。
  2. 面接で「医師じゃなくてもいいんじゃないか?」といった反論を受ける可能性を想定し、他職種との違いを自分の価値観や強みと絡めて説明できるようにしておく。
  3. 練習を繰り返すことで、内容・語り口・応答力を磨き、自然さと説得力を備えた志望動機に仕上げていく。

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