首都圏から医学部受験することと地方から医学部受験することの違い
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- 全国の医学部入学定員はおおむね 約9.4千人前後(令和期の政策枠組み) で推移しており、医師養成数・地域偏在対策が重要な政策課題になっています(政府資料)。(文部科学省)
- 今回は首都圏の対比として地方都市の秋田・愛媛と比較しています。
- 出身地域別の「医学部へ進学する確率(人口当たり)」は都道府県間で大きな差があります。東京→秋田で2倍強、東京→愛媛で1.5倍弱という違いになります
- 差の大きな要因は「(1)塾・受験産業や予備校の集中、(2)上位高校の偏在、(3)家庭の経済力・教育投資、(4)受験情報へのアクセスと移住(進学のための上京)」など複合的です
1) 医学部受験:前提の知識
全国の定員・入学者規模
- 医学部(医学科)の総定員は政策的に「約9.4千人」前後を上限に管理されてきました。直近の政府資料でも令和期の扱いが示されています(臨時定員や地域枠の継続など)。(文部科学省)
出身都道府県別(例:東京・大阪・秋田・愛媛)の「人あたり進学/入学」指標(重要)
下は(平成24年度相当の)出身地別の集計結果(※やや古いが、全国傾向を示す代表的な集計)です:東京都・大阪府・秋田県・愛媛県の「19歳人口1万人当たりの医学部進学者数(進学ベース)」は次のとおりでした。
- 東京都:137.8人(/1万人の19歳当たり)。
- 大阪府:72.9人(/1万人)。
- 秋田県:57.9人(/1万人)。
- 愛媛県:96.3人(/1万人)。
注意(データの性質):上の数値は「その都道府県出身の若年層が医学部に進学する割合(人口当たり)」を示す指標で、“出身高校所在地ベース”の集計をもとにしていること、集計年次がやや古いこと(平成24年度相当)年ごとの数値は大学入試の変化や定員政策で変動します。
2) 東京・大阪・秋田・愛媛の比率
- 東京 ÷ 秋田 = 137.8 ÷ 57.9 約 2.38倍
- 東京 ÷ 大阪 = 137.8 ÷ 72.9 約 1.89倍
- 東京 ÷ 愛媛 = 137.8 ÷ 96.3 約 1.43倍
このように見ても東京が数字の上でも圧倒していることがわかります。
(補足)上記の計算は下記に記します。また上記以外は大阪 ÷ 秋田 ≒ 1.26倍、愛媛 ÷ 秋田 ≒ 1.66倍といった関係になります。これらは「同年の人口当たり進学指標」からの単純比で、“合格しやすさ”=個人の合格可能性を完全に示すものではない点に注意してください。
3) なぜ「医学部受験においても東京が目立つのか」(加熱している理由)
- 進学塾・予備校・受験産業の集中
首都圏(東京圏)・大都市圏に進学塾や高校受験〜大学受験を専門にする大手予備校の校舎や講師が集中しており、通塾率も高い。統計・調査で東京都や関西圏の通塾率が全国で高いことが示されています(塾数・通塾率データ)。これは受験準備の機会格差を生みます。 - 上位高等学校(医学部合格実績のある高校)の偏在
医学部合格実績を大量に出す高校(難関進学校や私立進学系高校)が都市部(東京・大阪など)に多く、そこでの教育文化が医学部進学に直結しているケースが多いことが実地のランキング情報から確認できます(高校別合格者ランキング)。一方、地方でも「愛光(愛媛)」のように突出した実績校が存在するが、地域全体としての分布は偏っている。 - 情報・進路指導・家庭の投資(SES)の違い
都市部は教育情報(模試・個別相談・講師ネットワーク)・家庭の教育投資が集中しやすく、OECD研究や国内研究でも「都市部への教育機会の集中」「家庭の社会経済的地位(SES)が学歴に影響」を示す報告が複数あります。これが医学部のような競争領域で差を拡大します。 - “上京(高校進学・大学進学のための移動)”の存在
地方出身の有望生徒が中学〜高校で都市部に移り、そこで医学部へ進学するケースが多く(大学進学時の流入超過・流出超過のパターン)、地方“在住”のデータだけでは実態が把握しにくい点があります。文部科学省の流入・流出データもこれを示唆します。(文部科学省)
4) なぜ「地方(秋田・愛媛など)は医学部受験が盛んでないか」
- 塾・講師・模試会場が少ない → 志望対策の積み重ねで差が付く。
- 地域経済と教育投資の差 → 家庭の支出や学習環境の違いが学力育成に影響する研究が多い。
- 受験文化の欠如 → 地域に“合格実績を大量に出す高校”が少ないと、集積効果(コーチング・情報・競争心)が弱い。
- 医師地域枠の性質:地域枠は地方での医師確保のために作られていますが、枠自体は限定的で、かつ卒後に地元勤務を条件にするなど制約があるため、地方の合格機会を大幅に一挙に解決するものではありません(運用・人数は都道府県ごとに異なる)。
5) 地方と都市部の「教育格差」は生まれているか?
- 都道府県別の大学進学率や通塾率、学習塾の事業所数などを使った研究が多数あり、都市部が大学進学率・通塾率・学習リソースで有利であることが示されています(JGSSや大学進学に関する都道府県分析など)。
- ただし例外(地方でも強い高校や地域枠で高い比率を達成しているケース)はあり、「地方は一律で不利」という単純化も避けるべきです(愛媛の一部高校など。
6) 政策・現場での対応例(何がされているか・何ができるか)
- 地域枠(地元出身枠)の導入・拡充:地方での医師確保目的に一定の効果あり。ただし義務勤務年限がある。また地域枠という存在そのものが地域格差をものがっています。これを設けなければ地方に在住する医師の数を保つことが出来ないこと、地方出身者が東京研鑽を積んだ受験生に負けてしまい合格できない、という点からも東京や大阪の都市部から受験者が教育環境的に有利になっていると読み解けます。
- オンライン予備校・遠隔指導の活用:地方の候補者が都市部の講師・模試にアクセスできるようにする試みが増えている。現場では一定の効果を示している。図らずもコロナ騒動によってオンライン化が進み地方の医学部受験生も地元にいながらにして高い教育を受けやすくなった
- 奨学金・経済支援:経済的障壁の緩和は進学機会拡大に直結する。そのため地域枠などでは積極的に援助が行われている。
まとめ
- 「首都圏から医学部を目指す方が合格に有利か?」という問いに対しては、統計上は首都圏出身者の“人口当たりでの進学率”が高いことが示される。平成期の代表的集計では東京は秋田の約2.4倍、大阪の約1.9倍、愛媛の約1.4倍程度の差がありました
- その差の原因は単一でなく、塾や上位校の集中、家庭の投資、情報アクセス、都市圏への高校進学・上京の習慣など複合的です。
- とはいえ例外(地方に強豪校や独自の進学支援がある場合)もあり、「地方だから絶対不利」ではない。地方出身で医学部に進むルートは(地域枠や強豪高校、オンライン学習を活用した個別戦略など)複数存在します。
最後に
「首都圏出身だと医学部合格が明確に有利に見える」というのは、大きなデータ的裏付けがあります(上の集計が示す通り)。ただし、個々人の合格可能性は学力・準備方法・モチベーション・利用可能なリソースによって決まるため、地方出身でも十分合格する道は多数あります。逆に言えば首都圏にいるから簡単に受かるというわけではないのが医学部受験です。
計算詳細
- 東京 ÷ 秋田 = 137.8 ÷ 57.9
→ 57.9 × 2 = 115.8(残り 137.8 − 115.8 = 22.0)
→ 57.9 × 0.38 ≈ 22.002(0.38×57.9 = 22.002)
→ 合わせると 57.9 × 2.38 ≈ 137.802 → 約 2.38倍 - 東京 ÷ 大阪 = 137.8 ÷ 72.9
→ 72.9 × 1 = 72.9(残り 64.9)
→ 72.9 × 0.89 = 64.881(0.89×72.9 = 64.881)
→ 合わせると 72.9 × 1.89 ≈ 137.781 → 約 1.89倍 - 東京 ÷ 愛媛 = 137.8 ÷ 96.3
→ 96.3 × 1 = 96.3(残り 41.5)
→ 96.3 × 0.43 = 41.409(0.43×96.3 = 41.409)
→ 合わせると 96.3 × 1.43 ≈ 137.709 → 約 1.43倍
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