2月の私立医学部受験
私立受験乱立の2月1日・2日
2月1日と2日は、医学部受験生にとって選択を迫られる日となりました。この日を待ち望んでいた受験生も多いことでしょう。なぜなら、この日は日本医科大学と昭和大学医学部がありどちらも私立医学部受験の第一志望となることも多いからです。また、九州地方の受験生にとっては久留米と福岡大は外せないと考えることが一般的です。
私立受験本番:志願者数の動向
さて、今日は日本大学医学部(N方式1期)、東京女子医科大学、日本医科大学前期、久留米大学医学部前期の1次試験が同時に行われました。特に注目されるのが、日本大学医学部と久留米大学医学部の志願者数の増加です。
- 日本大学医学部(N方式1期)
- 志願者数:1959名
- 志願倍率:21.8倍
- 増加数:前年比94名増
- 久留米大学医学部前期
- 志願者数:1383名
- 志願倍率:18.4倍
- 増加数:前年比104名増
両大学ともに志願者数が増加しており、受験生の医学部への関心の高まりがうかがえます。
1次試験の4校の重複
昨年と同様に、日本大学医学部、東京女子医科大学、久留米大学医学部の1次試験が同じ日に実施されました。しかも今年は、これに加えて日本医科大学も同じ日に試験が行われました。4つの私立医学部が1次試験を実施することになり、受験生たちは激戦の日程となりました。
受験生はどこの大学に出願するのがベストだったか
この4校からどの医学部に出願するか、受験生の皆さんは迷ったことでしょう。もちろん学力による、という当たり前の前提はありますが。まず九州、西日本方面の医学部受験生は偏差値に関わらず、久留米大学医学部に迷いがなかったと思われます。一方で、男子受験生には東京女子医科大学という選択肢もありませんでした。
自分の学力に自信のある受験生は、日本医科大学に出願した可能性もあります。日本医科大学は志願者が減っていても日医に受かる自信のある生徒は避けることはありません。国立二次を本番としてとらえる強敵は減っていないと言えるでしょう。九州の医学部受験生は地元志向が強い傾向がありますが、学力に自信のある受験生の中には日本医科大学に出願した受験生もいたことでしょう。
結果として日医のすべり止めに日大と考えていた層が割を食う形となりチャレンジするか、すべり止めをとるか悩んだはずです。日大受験生にとってはすべり止めで受験するような強敵が減ってラッキーだったかもしれません。
各大学の試験特徴
- 日本大学医学部(N方式)
- 全学部入試の「N」は「NICHIDAI」のNで、医学部の難易度が高い。
- 他学部受験生にも合わせるため、医学部以外の受験生にも適した問題となっている。つまりミスが許されない形式
- 2次試験では難易度が全学部では足りないと判断しているのか医学部独自の英語と数学の試験が行われる。
- 今年は受験日が重なり第一志望の学生には幸運だった。
- 東京女子医科大学医学部
- 1次試験合格最低点は400点満点で、昨年は195点。
- 1次試験では5割を取ることを目標とし、試験に臨むことが勧められている。
- 学費が上昇してから受験を避ける女学生が多くなり倍率が低下。もちろん男子は受けられないこと、同日に入試が多いことなどを加味すれば2/1一番の穴場大学と言える。
- 日本医科大学
- 英語、数学の試験時間は90分と長い。
- 問題は他の私立医学部よりも難易度が高め。
- 解答を急がず、確実に進めることが求められている。
- 学費が私立の中では安く人気の大学。第一志望に設定する受験生も多い。
- 久留米大学医学部
- 1次試験合格最低点は400点満点で、昨年は226点。
- 数学の難易度には年によるばらつきがあり、注意が必要。
受験生へのアドバイス
この2日で8校もの私立医学部1次試験が行われ、ほぼ受験しない医学部受験生はいないでしょう。来年以降どの医学部を受けるか悩む受験生も多いと思います。女子受験生には、志願者数が低迷している東京女子医科大学をオススメします。学費の値上げにより志願者数が減少しており、受験生にとってはチャンスが広がっています。過去問で試験時間に慣れ、落ち着いて試験に臨んでください。
2月の医学部受験生にとっては激務の日々が続きますが、一つ一つの試験を確実にこなし、自分の目指す医学部に進学できるよう、最後まで頑張ってください!