2026年度の医学部入試もいよいよ佳境を迎え、多くの受験生が自身の進路を左右する重要な時期を過ごしています。特に私立医学部の一般選抜において、合格発表と同時に手元に届く「補欠通知」や「補欠順位」は、受験生にとって非常に複雑な感情を抱かせるものです。
2026年度の医学部受験における「補欠合格・繰り上がり」の動向
今年度の医学部受験における「補欠合格・繰り上がり」の動向は、例年とは異なるいくつかの特徴が見られます。最新の入試状況と、これからの時期に起こる変化について事実に基づいた情報をお伝えします。
2026年度入試における「定員厳格化」の影響
2026年度の医学部入試において、最も大きな影響を与えている要素の一つが、文部科学省による「定員管理の厳格化」です。
各大学は、入学者数が収容定員を一定以上上回った場合に、私学助成金が交付されないといったペナルティを課せられます。そのため、大学側はかつてのように「辞退者を見越して多めに正規合格者を出す」という手法を控え、正規合格者数を必要最小限に絞り込む傾向が一段と強まりました。
この結果、正規合格の枠から漏れた受験生に対し、より多くの「補欠候補」としての通知が行われるようになっています。大学側にとっては、入学辞退者の数を確認しながら、欠員が出た分だけを順次「繰り上がり」として補充する方が、定員超過のリスクを確実に回避できるからです。
繰り上がり合格の規模と各大学の動向
今年度の入試データを分析すると、一部の私立大学医学部では繰り上がり合格者が非常に多くなる現象が確認されています。大学によっては、補欠順位が100名近くまで繰り上がるケースも珍しくありません。
特に、2026年度は入試日程が重複した大学(例:獨協医科大学と杏林大学、あるいは東北医科薬科大学と兵庫医科大学など)が多く、併願者が合格校を選別する過程で、多くの辞退者が発生しています。
主な動向の特徴
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正規合格者の絞り込み: 定員超過を避けるため、初回の発表では合格者数を極めて少なく設定する大学が増加。
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補欠候補者の増加: 正規合格を絞る代わりに、繰り上がりの可能性がある「補欠候補」の母数を広めに確保する傾向。
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回転率の変化: 上位校の繰り上がりが始まると、玉突き式に中堅校・併願校の欠員が発生し、一気に順位が動く。
国公立大学の結果発表と「連鎖的な繰り上がり」
医学部受験において、繰り上がり合格が最も活発に動き出すタイミングは「国公立大学前期日程の合格発表」の後です。
2026年度の国公立大学の前期試験は2月25日から実施されましたが、その合格発表が行われる3月上旬から中旬にかけて、私立医学部への入学を辞退する層が確定します。
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3月上旬: 国公立前期の発表により、私立の上位校(慶應義塾、東京慈恵会医科、日本医科など)で辞退者が発生。
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3月中旬: 上位校の繰り上がりによって、併願していた他大学での辞退が連鎖的に発生。
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3月下旬: 国公立後期の発表や、他学部の動向を含めた最終的な調整が行われる。
この時期は、一日に何度も補欠順位が動いたり、大学から突然の電話連絡(電話連絡による繰り上がり)が入ったりすることが、例年多くの受験生によって報告されています。
現時点での心構えと学習の継続
補欠順位を持っている状況は、期待と不安が入り混じるものですが、客観的な事実として「繰り上がりは最後まで不透明である」という認識を持つことが大切です。
もし「繰り上がりが来なかった場合には、来年度に向けて浪人する」という方針がすでに決まっている場合、今の時期から学習を再開することは、将来的に大きな意味を持ちます。現在取り組んでいる学習内容は、仮に繰り上がり合格で大学へ進学することになっても、医学部入学後の基礎学力として決して無駄にはなりません。
確定していない結果を理由に学習の手を止めてしまうことは、万が一の結果になった際の再スタートを遅らせる要因にもなり得ます。状況が確定するまでの間も、淡々と知識を積み重ねていく姿勢が、将来の医師としての学びに繋がっていきます。
2026年度医学部入試のまとめ
| 項目 | 特徴・現状 |
| 正規合格者数 | 厳格な定員管理により、例年より絞られる傾向 |
| 補欠・繰り上がり | 正規の絞り込みにより、補欠からの合格者が増える傾向 |
| 主な動きの時期 | 3月上旬の国公立前期発表後から3月末日まで |
| 留意点 | 繰り上がりを待ちつつも、次のステップへの準備を継続する |
補欠合格の連絡を待つ時間は長く感じられるものですが、入試の仕組みを正しく理解し、冷静に現状を見守ることが求められる時期でもあります。


