奈良県立医科大の独自の入試戦略とその背景
前期入試の欠員募集で何かと話題の奈良県立医科大学は、京都大学や大阪大学などの国立大学に落ちた比較的優秀な学生を狙いとして、独自の入試方法を採用しています。また、後期の定員を多くすることもその一環であり、これは奈良県立という関西地区の立地、及び公立大学で国立大学に比べると柔軟な対応が可能という奈良県立医科大学ならではの戦略と言えるでしょう。
入試方法の特徴
奈良県立医科大学の入試方法は、他の大学と比べて特異なものが多いです。例えば、後期定員が多かったり、書類を持参するよう指示される点など、一般的な入試方法とは異なります。また今回の前期試験欠員募集では入試要項には「配点で765点以上の者を選抜対象」という条件が示されており、これは前期の志願者の共通テストの得点が低かったため、大学側が合格させたくなかった可能性が考えられます。
難関国公立落ちのお零れを拾おうという戦略でしょう。
大学周辺の環境と入試難易度
奈良県立医科大学の周辺は田園風景が広がり、大阪中心部までは最短100分の距離にあります。この地理的な条件から、入試難易度は国立大学の下位に位置します。いまや医学部受験とはいえある程度の大学の立地条件も求められるようになっています。またその入試方式から旧帝落ちの学生が多く学生の能力的にはかなり高いものが想定されます。
奈良県立医科大学は再受験生に寛容
奈良県立医科大学は再受験生に寛容であり、多い年には再受験生が全体の2割を占めます。これらの再受験生の出身大学は多岐にわたり、前歴は関関同立や地方国立、京都大学や大阪大学の他学部、文系、女子大など、さまざまです。医学部受験は再受験生も多い一方で再受験生を取らない方策をとる大学も多くあります。本来あるべき姿といえばそうですが、再受験生にとっては非常にありがたい受験方式です。
まとめ
奈良県立医科大学の入試戦略は独自性があり、周辺の環境や大学の特徴と密接に結びついています。志望校選びにおいては、見かけの偏差値だけでなく、大学の戦略や環境も考慮することが重要です。