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医学部入試の実質倍率とその現実:国公立 vs 私立
国公立大学の医学部入試倍率
2023年度の一般選抜・前期日程における国公立大学の医学部の実質倍率は3.4倍でした。「あれ?意外と倍率低い?」と思った方もいるかもしれませんが、これはいくつかの要因によるものです。まず、国公立大学では共通テストの得点による2段階選抜があり、全ての大学が同じ日に入試を行うため、原則として1校にしか出願できません。これにより、受験生は自分のレベルに合わせて分散し、倍率が抑えられる傾向があります。その結果、ほとんどの大学では倍率が2~5倍となっていますが、同レベルの受験生がひしめき合う少数激戦の入試となります。一部の大学では後期日程もあるので、チャンスは最大2回あります。
私立大学の医学部入試倍率
一方、私立大学の医学部の実質倍率は2023年度の一般選抜・メイン方式で11.2倍に達しました。私立大学では入試日程がバラバラであり、日程が被っていなければ複数校を併願することが可能です。さらに、国公立大学と違って共通テストなどによる出願のハードルもないため、受験したい人がどんどん挑戦できるのが私立大学の特徴です。その結果、私立大学の医学部では実質倍率が10倍を超える大学も少なくありません。これに対して、同じ私立でも医学部以外の他の学部で10倍を超えることはほとんどなく、5倍を超えることも珍しいため、医学部の倍率が極めて高いことがわかります。
医学部は本当に特別なのか?
「国公立医学部」と聞くと、それだけで特別な存在と感じる人も多いでしょう。実際、「医学部に合格できるのは特別な人」と考える人も少なくありません。しかし、国公立医学部が本当に特別なのでしょうか?
以前は、国公立医学部のセンター試験(現共通テスト)の得点率ボーダーが90%以上が当たり前と言われ、東大とほぼ同じ得点率でした。しかし、定員の増加や地域枠の拡大により、国公立医学部の中でも難しい大学と比較的入りやすくなってきた大学の二極化が見られます。
医学部の難しさ
一般的には、国公立医学部は難しいと言われています。共通テストで高得点を取る必要があるからです。地方の国公立でも概ね80%以上の得点率が必要であり、さらに大学独自の二次試験でも合格点を取る必要があります。国公立医学部の多くは総合大学に設置されており、他の理工系学部と共通の問題が出題されることが多いです。出題される問題自体は他学部と同じ基礎~標準レベルの問題が解ければよいのです。これに対し、単科の医科大学や医学科受験生だけは別の問題を準備する一部の大学では、難問を出題してくる場合もあります。
国公立医学部に受かるために
国公立医学部に受かるためには、基礎をしっかりと理解し、共通テストや他学部と共通の「標準レベルの二次試験」でミスをなくし、取れる問題をしっかり得点することが重要です。2021年度入試からセンター試験が共通テストに代わり、理解力や思考力を問う問題が増えました。その結果、センター試験に比べて高得点が取りにくい試験となり、国公立医学部であっても地方であれば80%強の得点で合格できるようになりました。
私立医学部の場合
私立医学部の場合は、まず筆記試験である一次試験が行われ、一次試験を通過した受験生だけが面接や小論文を行う二次試験に進むことができます。一次試験及び二次試験の結果、正規合格者と補欠合格者、不合格者に振り分けられ、補欠合格になった場合は繰り上げの合格を待つことになります。
まとめ
医学部受験は狭き門であり、本気の覚悟が必要です。共通テストは高校の教科書の範囲内から出題され、基礎の理解を重視した試験です。基礎をしっかり理解し、共通テストや二次試験で高得点を取ることが医学部合格への鍵となります。特に、共通テストの形式を克服できれば、合格のチャンスは非常に大きくなります。医師になりたいという強い意志と覚悟を持って、医学部受験に挑むことが求められます。
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