2024.06.26

予備校別:2025年度 私立医学部偏差値ランキングと考察

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2025年度 私立医学部偏差値ランキングと考察

各予備校から2025年度の私立医学部の偏差値ランキングが発表されました。主要な予備校であるベネッセ、河合塾、駿台の3者が提供するランキングを基に、その違いや特徴について考察してみたいと思います。

偏差値ランキングの比較

大学名 駿台 河合塾 ベネッセ
慶應義塾大学 69 72.5 78
東京慈恵会医科大学 67 70 76
日本医科大学 65 70 75
自治医科大学 64 67.5 77
順天堂大学 64 70 75
大阪医科薬科大学 64 67.5 74
関西医科大学 64 70 74
国際医療福祉大学 63 67.5 75
昭和大学 62 67.5 74
東邦大学 61 67.5 74
近畿大学 61 65 74
東京医科大学 61 67.5 73
兵庫医科大学 61 62.5 73
産業医科大学 61 67.5 73
藤田医科大学 60 65 73
愛知医科大学 59 62.5 74
東北医科薬科大学 59 65 73
帝京大学 59 65 73
杏林大学 59 65 73
東海大学 59 65 73
久留米大学 58 65 73
岩手医科大学 57 62.5 73
北里大学 57 62.5 73
東京女子医科大学 57 62.5 73
日本大学 57 65 73
聖マリアンナ医科大学 57 62.5 73
金沢医科大学 57 62.5 73
福岡大学 57 62.5 73
獨協医科大学 56 62.5 73
埼玉医科大学 56 62.5 73
川崎医科大学 56 60 71

 

※駿台偏差値より降順にて掲載

考察

偏差値ランキングの違いとその理由

慶應義塾大学医学部№1:全予備校が一致

私立医学部の中で最も難易度が高いとされるのは、3者ともに一致して慶應義塾大学医学部です。これは、慶應のブランド力や教育・研究環境の充実度が高く評価されているためです。医学部に限らず全学科で高難易度を誇る総合大学の慶應がトップに君臨。日本人なら慶應の名を知らない人はいないでしょう。歴史、難易度から見ても納得の評価です。

次点で難関な大学は差異あり

慶應義塾大学に次ぐ難関校については、予備校ごとに評価が分かれています。

  • 河合塾

    東京慈恵会医科大学、日本医科大学、順天堂大学医学部、関西医科大学の4校を同一偏差値としています。
    以前は慶應に続いて東京慈恵会医科大学、日本医科大学が御三家として数えられておりその差は歴然でした。
    しかし順天堂大学医学部、関西医科大学が近年大幅な学費の値下げを慣行。これにより偏差値を一気に伸ばしました。
    受験生側からしても知名度のあまりに高い慶応義塾以外であれば学費が安い方を選ぶ人が多く実際プレメディスタの合格者も慈恵ではなく私大で最も安い国際福祉大を選ぶ生徒もいるなど学費は医学部人気に大きく作用します。
    特に関西圏で大幅な値下げとなった関西医科大学は今後関西私立医学部の中で特筆した大学となるかもしれません。

  • 駿台予備学校

    こちらは東京慈恵会医科大学が慶應に次ぐ難しさとし、日本医科大学、順天堂大学医学部と続きます。御三家、四天王の強さはいまだ健在とするランキングです。

  • ベネッセ

    自治医科大学を挙げています。御三家、四天王を差し置いてこれは意外な結果でもあります。自治医科大学は私大ではありますが特殊な入試方式とやりようによっては学費がゼロになるというところがあるため特殊な大学でありややランキング付けも難しいと思います。狙える人は自治医大を目指してみるのもいいでしょう。東京や神奈川から直通の電車もあるのでかなり無理をすれば都内から通うことも不可能ではありません。

偏差値の刻み方

これらの違いは、予備校ごとの偏差値の表現方法にも起因しています。河合塾は偏差値を2.5刻みで表していますが、駿台とベネッセは1刻みで表しています。このため、駿台のランキングでは東京慈恵会医科大学67、日本医科大学65、順天堂大学医学部64となっており、東京慈恵会医科大学と順天堂大学医学部の間に3ポイントの差があります。

関西の私立医学部

関西の私立医学部についても、予備校ごとに評価が異なります。

  • 河合塾:関西医科大学、大阪医科薬科大学医学部、近畿大学医学部、兵庫医科大学の順としていますが、
  • 駿台予備学校:関西医科大学と大阪医科薬科大学医学部の難易度は同じとしています。
  • ベネッセ:関西医科大学、大阪医科薬科大学医学部、近畿大学医学部は同じ難易度、偏差値としています。

関西医科大学、大阪医科薬科大学医学部で毎年争っていましたがやはり学費の大幅値下げに踏み切った関西医科大学が関西の覇権を勝ち取りそうです。従来でも西日本の私立医科大学では最も低かった2770万円から、さらに670万円引き下げました。親世代のサラリーマンの年収分値下がると考えればその影響は当然のこととも言えます。昨今の不景気では偏差値に大きな影響を及ぼすでしょう。

ランキングの変動

偏差値上昇

  • 関西医科大学:前年の偏差値67.5から70.0へ上昇。
  • 国際医療福祉大学:偏差値65.0から67.5へ上昇。

学費の安い2つの私大医学部の偏差値が変化。入学を検討する際に大きな要素となっていることは間違いなさそうです。

偏差値下降

  • 金沢医科大学:偏差値65.0から62.5へ下降。
  • 岩手医科大学:偏差値62.5から60.0に下降。

金沢は例年までの偏差値が高かったことに加え受験直前に震災があったことから受験控えが起きた可能性があります。岩手医科は昨今現役生を取りたい狙いがあり問題難易度が下がっています。受験生側からすると合格を取りやすい大学になった分偏差値にも反映された形です。

東京医科大学も不正入試問題の後遺症から治癒

東京医科大学に関して近年不正入試問題の後遺症がありましたが報道もすっかり薄れ、風評被害も完全に消えて妥当なランキングに定着したと言えます。(風評被害というよりは自ら招いた結果ではありますが)女子や多浪生も逆に差別ができなくなったため狙い目大学となっていましたが今後の展望が気になるところです。

地域別の医学部偏差値ランキング

  • 新設大学では、東北医科薬科大学と国際医療福祉大学が比較され、国際医療福祉大学の方が難易度が高いとの評価です。震災をきっかけに作られた両校ですが学費が最も安く仮にも関東の千葉の国際福祉大がややリードしています。
  • 愛知県では、愛知医科大学と藤田医科大学が比較され、藤田医科大学の方が難易度が高いとされています。愛知医科大学の方が合格点を取りやすい印象があり、妥当でしょう。
  • 関西圏では、大阪医科薬科大学と関西医科大学が人気トップ争いをしており、関西医科大学が偏差値70.0で西日本最難関校となっています。先述の通りです
  • 九州地域では、福岡大学医学部と久留米医科大学が比較され、ランキング表から判断すると久留米医科大学の方が少し難易度が高いようです。産業は私大ですが特異性のある大学なのでランキングも上位にいます。

結論

私立医学部の偏差値ランキングは一つの指標に過ぎません。それぞれの予備校によって評価が異なるため、複数のランキングを参考にすることが重要です。また、偏差値にとらわれすぎず、実際の入試日程や問題の傾向なども考慮しながら受験戦略を立てることが大切です。

受験生の皆さんは、複数の偏差値ランキングを見比べ、自分に合った戦略を練ることで、志望校合格への道を切り開いてください。

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