2024.09.16

私立専願の医学部受験生は共通テストを受ける必要はない?

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私立専願の医学部受験生にとって共通テストを受けるべきか?

私立医学部の受験生は、国公立大学とは異なり、共通テストの受験が必須ではありません。しかし、共通テストを受験しないという選択肢が自動的に最良であるというわけでもありません。特に、私立大学の共通テスト利用入試に関しては、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。この記事では、私立医学部専願者が共通テストを受験すべきかどうかについて、詳しく解説します。

私立医学部の共通テスト利用入試とは?

多くの私立大学が共通テスト利用入試を導入しており、私立医学部や歯学部でも同様の選抜方法が採用されています。この入試形式は、共通テストの得点を基に合否が決まるため、国公立大学と併願する受験生が多く出願する傾向があります。

ただし、共通テスト利用入試には注意が必要です。共通テスト利用で合格を目指す場合、非常に高い得点が求められるのが現実です。たとえば、駿台予備学校のデータによると、私立医学部の共通テスト利用入試におけるボーダーラインは、帝京大学医学部で90.0%、近畿大学医学部で88.0%、藤田医科大学で86.4%といった具合に、かなりの高得点が要求されます。

この得点は国公立医学部に受かる人ですら取れていない可能性の高い点数です。つまり私立医学部の共通テスト利用入試はすべり止めとしての役割を果たしていません。共通テストで9割取れている人ならば仮に浪人してもう一年やってでも合格した私大にいくよりも国公立医学部を目指したほうがいいということになりどちらからしてもわりに合わないテストになってしまっています。

共通テスト受験のメリットとデメリット

私立専願の受験生にとって、共通テストを受験することには一部のメリットがあります。共通テスト利用入試は、一般入試とは異なる選抜方式であり、仮に私立大学の一般選抜で失敗した場合のバックアップとして活用できる可能性があります。特に、私立医学部の入試は競争が激しく、少しでも合格のチャンスを増やすために、共通テスト利用入試を視野に入れる受験生も多いです。

一方で、共通テストの対策には相応の時間と労力が必要です。共通テストはセンター試験とは異なり、問題の出題形式や内容が変わったため、従来の試験対策がそのまま通用しません。共通テストで高得点を取るためには、それ専用の勉強が必要となり、私立医学部や歯学部の一般入試に向けた対策時間が削られてしまう可能性があります。

また、共通テスト利用入試は、国公立大学医学部や歯学部を志望する受験生との競争になるため、合格ラインが非常に高く設定されています。これにより、共通テストで高得点を取らない限り、私立大学の共通テスト利用入試での合格は極めて難しいのが現状です。

あくまで使い道としては医学部で多浪を避けるために歯学部や他学部に併願する以外の使い道がないとも言えます。

私立医学部専願者の戦略:共通テストは不要

では、私立医学部専願の受験生は、共通テストを受験する必要があるのでしょうか?結論として、共通テストに時間を割くことは必ずしも最善策とは言えません。以下の理由から、共通テストに集中するよりも、一般選抜の対策に専念する方が得策と考えられます。

  1. 共通テスト利用入試のボーダーラインが非常に高い
    共通テスト利用入試で合格するためには、非常に高い得点が求められます。上述の通り、ボーダーライン得点率は80%~90%を超えることが一般的であり、私立専願の受験生にとっては厳しい条件です。
  2. 共通テスト対策に時間を割く余裕がない
    私立医学部の一般選抜に向けた勉強も膨大な量があります。そこに加えて共通テスト対策を行うとなると、両方の対策が中途半端になるリスクが高まります。共通テスト利用入試に賭けることは、結果的にどちらも不完全に終わってしまう可能性が高くなるのです。
  3. 私立大学の一般選抜に集中した方が良い
    私立医学部の一般選抜に焦点を絞って対策を行うことで、より確実に合格を目指すことができます。過去問演習や特有の出題形式への対応力を強化することで、一般選抜での勝算を高める方が効率的です。

私立医学部は共通テスト後私立受験までにインターバルが無い

通常の学部を受ける場合は共通テストから私立の本試験まで約2週間ほど間があるためその間に共通テストから通常のテスト方式へ再調整する時間があります。しかし医学部受験を見てみると今年は共通テストからわずか2日後には愛知医科大学の受験がありそれを皮切りに怒涛のスケジュールが始まります。医学部は二次試験で面接を行うため他の学部より試験が早めに設定されています。このため国公立医学部を受けないのに共通テストを受けることはタダの足枷にすぎません。共通テストは試験の特異性から私立大学の練習にはなりません。国公立医学部を受ける可能性が皆無の場合はお金と時間と体力の大幅な損失であることを理解しましょう。

まとめ:共通テストを受験するべきかの最終判断

私立医学部・歯学部専願の受験生にとって、共通テストを受験するかどうかは慎重な判断が必要です。共通テスト利用入試は一見して魅力的な選択肢に見えるかもしれませんが、そのハードルは非常に高いものです。また、共通テスト対策に時間を割くことが、一般選抜対策の足を引っ張るリスクもあります。

したがって、共通テストを受けるべきかどうかは、個々の学力や目標に応じて判断することが重要です。もし共通テストを受けることを選んだ場合でも、それに適した対策を十分に行いながら、一般選抜にも集中できるような計画を立てることが必要です。

結論として、共通テスト受験に無理にこだわるのではなく、自分の受験戦略に合った方法で準備を進めることが、私立医学部や歯学部の合格への近道と言えるでしょう。

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