2024.09.21

私立大学医学部の御三家と新御三家とは?

私立大学医学部の御三家と新御三家とは?

日本の私立大学医学部の中でも、「御三家」と呼ばれる大学が存在します。これは、慶應義塾大学東京慈恵会医科大学、そして日本医科大学の3つの大学を指します。これらの大学は、単に偏差値が高いだけでなく、長い歴史とその功績により、日本の医療界において特別な地位を確立しています。この記事では、これら御三家の特徴や、近年注目されている「新御三家」について詳しく解説していきます。

医学部御三家とは?

まず、なぜこれら3大学が「御三家」と呼ばれるのでしょうか?その背景には、以下のような理由があります。

  1. 歴史的な背景
    慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学のいずれも、明治時代に設立された歴史ある大学です。日本の医学教育の発展に大きく貢献し、特に戦時中には旧帝国大学と同じく医療活動に携わり続けた功績があります。これにより、彼らは「御三家」という敬意ある呼称で知られるようになりました。
  2. 学費と偏差値のバランス
    御三家の特徴として、学費が比較的抑えられている点が挙げられます。私立大学医学部の中では学費が安く、さらに偏差値も高いため、多くの受験生にとって魅力的な選択肢となっています。
  3. 充実した設備と教育環境
    これらの大学は、先進的な医療設備や充実した施設を備えており、学生が高い水準で学ぶ環境が整っています。医師国家試験の合格率も非常に高く教育環境の充実ぶりが評されます。

御三家の特徴

1. 慶應義塾大学

慶應義塾大学医学部は、私立大学医学部の中で最も高い偏差値を誇ります。偏差値は72.5から75.0の範囲で、これは国公立大学医学部で言えば京都大学と同等の難易度です。また、医師国家試験の合格率も非常に高く、新卒生の合格率は98.2%に達しています。

慶應義塾大学の特徴は、国内外の医療機関との広範なネットワークにあります。学生の約3分の1が海外での学びを経験しており、グローバルな視野で医学を学ぶ機会が豊富です。このため、将来国際的な医療現場で活躍したい学生にとって、慶應義塾大学は非常に魅力的な選択肢となっています。

2. 東京慈恵会医科大学

東京慈恵会医科大学は、偏差値が70.0から72.5の範囲で、御三家の中では2番目に高い偏差値を持ちます。同大学の特徴は、臨床実習の充実度です。医科大学ならではの実践的な教育が行われ、附属病院での臨床実習が豊富に用意されています。

また、医師国家試験の合格率も高く、近年では新卒生の合格率が100%に達した年もありました。東京慈恵会医科大学の教育は、実際の臨床現場で即戦力となる医師を育成することを目指しており、卒業生は高い評価を得ています。

3. 日本医科大学

日本医科大学は、御三家の中では最も偏差値が低いものの、それでも67.5から70.0の範囲で、他の私立大学医学部に比べても高いレベルにあります。新卒生の医師国家試験合格率は95.6%であり、安定した成績を誇ります。

同大学の特徴は、未来志向の医学教育です。eラーニングや電子カルテの導入など、最新のICT技術を活用した学習環境が整っており、現代の医療に対応できるスキルを身につけることができます。このような革新的な取り組みが、多くの受験生に支持されている理由の一つです。

新御三家とは?

近年、「新御三家」と呼ばれる大学群も注目されています。これは、従来の御三家である慶應義塾大学と東京慈恵会医科大学に、順天堂大学を加えた3大学を指します。

順天堂大学の躍進

順天堂大学は、2008年に約900万円の学費削減を行い、それがきっかけで人気が急上昇しました。この大幅な学費の引き下げは、他の私立大学医学部に比べても非常に魅力的であり、多くの受験生が順天堂大学を志望するようになりました。

さらに、順天堂大学の医学教育は非常にハイレベルであり、医師国家試験の合格率も全国平均を大きく上回っています。順天堂大学は、歴史的には御三家ほどの長い伝統はないものの、その実力と学費の面で御三家に匹敵する存在として評価されています。

御三家の卒業が出世に与える影響

最後に、御三家の医学部を卒業することが、医師としてのキャリアにどのように影響を与えるのかについて考えてみましょう。確かに、御三家を卒業してその附属病院や関連施設で勤務する場合、出世に有利になることがあります。これは、医師のキャリアにおいて、自校出身者が優遇される傾向があるからです。

しかし出世やキャリアの成功は、卒業した大学だけで決まるものではありません。医学部で大切なことは研究成果や臨床実績といった個々の努力と成果です。どの大学を卒業したかにかかわらずどのように学びどのように医療に貢献するかが、最終的なキャリアを左右する要素となるでしょう。

まとめ

私立大学医学部の御三家である慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学は、いずれも高い偏差値と長い歴史、充実した教育環境を誇る名門校です。また、近年では順天堂大学を加えた「新御三家」も注目されており、学費や教育内容の面で受験生にとって魅力的な選択肢となっています。

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