2024.11.14

親世代と医学部受験は大違い:ギャップに苦しむ二世代医学生

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私立医学部志願者が再び10万人超えの注目を浴びる理由

医学部入試の状況と高倍率の現実

現在の日本の大学入試の中で、医学部は特に難関として知られています。他の学部の倍率が低迷する中、医学部の競争率は例年10倍から20倍に達することが一般的です。私立大学医学部の志願者数は2014年度以降、10万人を超えていましたが、2019年度からその数は減少傾向にあります。それでもなおコロナを乗り越えた2024以降も新型コロナウイルスの影響は残っており医療の必要性が高まったことで、医学部を目指す若者の関心が続く見込みであり、大幅な志願者数の減少は考えにくいでしょう。

医学部の難易度の推移と30年前との比較

消えた滑り止め

30年前と比べると、医学部入試の偏差値は大きく変動しています。保護者の中には、自身の経験を基に子供の大学選びに意見を持つ方も多いかもしれません。しかし、現代の医学部受験の現実はかつてのものとは大きく異なります。例えば、2015年の時点でトップレベルの慶應義塾大学の偏差値は30年前と比較して5も上昇しています。トップ難関校で引く手あまたの慶応義塾だからと思うことなかれ、かつて偏差値47.5で「東京の医学部滑り止め」とされた杏林大学や、偏差値37.5でFランかの扱いであった愛知医科大学も、2010年代には偏差値65を超える難関校へと変貌を遂げました。

このように、私立医学部はやればどこかに合格できるという安易な志望で目指せるものではなく、全力で臨まなければならない状況になっています。金持ちや医者の子供が金に力を言わせて医学生にしてやるという時代は疾の昔に過ぎ去っているのです。

時代の流れについていけない親世代との受験観のギャップ

親世代は本当に誰でも医学部に行けた

医学部入試をめぐる競争が過熱する一方で、親世代との間に受験観のギャップが生じていることも問題です。1990年代以前の医学部は、特に私立では合格ラインの幅が広く、偏差値50前後の大学も少なくありませんでした。

年が行くほど時代の流れにはついていけなくなる

親御さんたちがその時代のイメージを持ち続けていると、「そんなレベルの大学に…」「息子がガチFに…」「杏〇大学にも入れないなんて…」といった意見が子供の受験に影響を与えかねません。大げさに言っているのではなく本当にこういった考えの親は一定数います。いつまでも電子マネーを使えずSNSの意味も分からずにYouTubeとNetflixの違いも理解できないまま生きている人は沢山いるわけです。つまり仕方がないことと言えます。他の大学受験の難易度は大学全入時代、Fランク大学の増加、少子化の影響などで経営が厳しいということはニュースとして入ってきていますからまさか医学部だけが地獄の受験戦争になっているとは夢にも思わないわけですね。現在の医学部は、国公立も私立も問わず、ほぼすべてが高い偏差値を要求しています。親の経験に基づいた意見を押し付けることなく、現代の受験事情を理解してバックアップする姿勢が大切です。

医学部志願者が増える背景

経済の停滞と終身雇用の崩壊

近年の医学部人気には、いくつかの要因が関わっています。第一に、日本の経済成長の停滞や年功序列制度の崩壊により、大企業への就職だけでは将来の安定が見込めないという現実があります。かつては東京大学や京都大学、旧帝大や早慶の卒業生が大企業へ就職することが一般的でした。学閥なども強く存在し銀行員になりたくば有名大学をストレート卒業が最低条件ともいわれました。しかし昨今では多様化とともに就職先のバリエーションも増え、有名大学出身者だからといってお勉強ができるだけで仕事には関係ない。そして学歴フィルターは叩きの的になっています。そういった時代情勢に左右されない医療系学部への進学がより多くの学生に選ばれるようになりました。

女性の社会進出が進んだ

さらに、女性の社会進出が進んだことで、医学部を目指す女子学生が増えたことも一因です。昭和時代には、女子は主に薬学や看護を選ぶことが多かったものの、今では医学部進学を目指す女子も一般的です。2018年に発覚した入試での不正問題もあり、女子学生の医学部受験がクローズアップされましたが、この動きは医学部の競争をさらに厳しくする結果となりました。男女平等の観点から見ればこれは喜ばしい事態でありますが当然男子生徒からしてみれば枠を食い合う人の数が倍になったということなので熾烈極める医学部受験となってしまったわけです。

医学部入試に挑む姿勢とまとめ

現代の医学部は、「滑り止め」として考えられるような大学はほとんど存在しません。どの学校も一層の努力を求める高難度の受験となっており、受験生は志望校に迷わず全力で向き合うことが求められます。親御さんにとっても、かつての受験経験や常識は一旦脇に置き、子供の努力を理解し、支えることが重要です。現在の医学部入試のハードルはかつてと比べ物にならないほど高いことを認識し、受験生が安心して試験に挑める環境を作ることが大切です。

このように、医学部受験は特別な努力と適切なサポートが求められる時代に突入しています。将来、医師として活躍したいという夢を持つ若者たちは、その道を進むための計画と粘り強い努力を惜しまないようにしましょう。

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