2024.12.25

共通テスト新課程「情報I」医学部受験生はどう対応する?

共通テスト新課程「情報I」を徹底解説!受験対策から傾向分析まで

2025年度から、大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が新課程に対応した内容へ移行します。その中でも注目されるのが、新たに加わる科目「情報I」です。この記事では、「情報I」の試験概要や特徴、具体的な対策方法について詳しく解説します。受験生が安心して試験に臨めるよう、試作問題の傾向や学習のポイントを丁寧にまとめました。


新課程「情報I」とは?概要と基本情報

試験概要

「情報I」が導入されるのは、2025年度入試からです。この試験は、1月18日(土)・19日(日)の2日間で行われる共通テストの2日目に実施され、試験時間は60分、配点は100点満点(大学により配点が異なる場合があります)です。共通テスト全体の満点も、これまでの900点から1000点に増加します。

受験対象者

2025年度入試では、2024年度に高校3年生となる生徒が対象となります。この学年の生徒は高校入学時から新課程で学んでおり、情報Iの内容を必修科目として履修しています。したがって、学習指導要領に沿った授業を受けている生徒であれば、「情報I」を特別に恐れる必要はありません。

医学部受験で必須?

北海道大学医学部は共通テスト「情報」を配点化しない方針で、配点を行う医学部の間でも配点比率5%未満~10%以上と大きく異なります。志望校の配点比率をよく確認してどれくらい勉強時間を割くか決めましょう。配点率が10%程度あれば理科一科目目と同程度のため無視できなくなります。とくに東京医科歯科大学(東京科学大学)の後期や熊本大学医学部などは配点比率が11.1%で、より高水準になっています。


試験問題の構成と特徴

「情報I」の試験問題は、幅広い知識を問うとともに、思考力や問題解決能力を求められる内容になっています。以下は試作問題を基にした試験の特徴です。

問題量と時間配分

試作問題のページ数は約30ページ、問題数は約40問と、他教科に比べてもかなり多い構成です。英語リーディングのボリュームに近い量を、60分という短い試験時間内に解き切る必要があります。そのため、速読力や効率的な解答が求められます。

大問の構成

試作問題では、以下の4つの大問が出題されました。本番もこの形式が基本となると考えられます。

  1. 第1問:小問集合(情報社会や基礎知識)
    情報社会における課題解決や基礎知識に関する問題が中心。暗号やセキュリティの基本的な仕組みなど、教科書に基づく内容が多い。
  2. 第2問:中問2題(情報デザイン分野)
    データの可視化や情報整理に関連する問題が多い。図表やグラフを活用する問題が含まれるため、読解力と応用力が求められます。
  3. 第3問:プログラミング
    試作問題では、与えられた条件に基づいてアルゴリズムを考える内容が出題。たとえば、「おつりの硬貨枚数を最小化する方法」を共通テスト専用の簡易プログラミング言語で解答する問題がありました。
  4. 第4問:データの活用
    ビッグデータや統計処理に関連する問題が多く、図表の読み取りやデータ分析スキルが試されます。

効果的な学習方法と注意点

「情報I」の試験に向けた学習では、単なる知識の丸暗記ではなく、知識を活用する力を養うことが重要です。以下は学習におけるポイントと注意点です。

教科書をベースに基礎を固める

試験範囲は基本的に高校の教科書に準拠しています。したがって、教科書の内容をしっかりと理解することが最も重要です。特に、「情報社会」「データ活用」「プログラミング」など主要な分野の基礎を徹底的に固めましょう。

試作問題や予想問題を活用

過去問が存在しないため、各社が出版する予想問題集や公式の試作問題を活用して、試験形式や時間配分を事前に確認しておくことが効果的です。試作問題を通して、実際に60分間で解答する練習をしておくと安心です。

プログラミング対策

プログラミングの問題では、実務で使用される言語(PythonやJavaなど)ではなく、共通テスト独自の簡易言語が使用されます。このため、基礎的なアルゴリズムや条件分岐、繰り返し処理を理解しておくことが大切です。具体的なプログラムの構文よりも、問題文を読み解く力や論理的思考を養いましょう。

広い範囲を偏りなく学習

情報Iでは幅広い分野から出題されるため、「プログラミングだけ」「データ活用だけ」といった偏った学習は避けましょう。たとえば、ネットワークや暗号化、情報モラルといったトピックも重要です。


効率的な時間管理と試験テクニック

時間配分を意識

限られた時間内で多くの問題を解くためには、素早く問題を読んで重要な情報を選び取る力が必要です。試験当日は、最初に全体をざっと確認し、得意な分野から解答を進めるとスムーズです。

試験直前の心得

試験直前には、新しい問題に挑むよりも、これまで解いた問題を復習することに集中しましょう。また、試験当日の表紙や指示をよく読み、選択問題が出題された場合に混乱しないよう備えておくことが大切です。


情報Iを受験するメリット

「情報I」を得点源とすることは、受験全体での優位性につながります。

  • 高得点が狙いやすい
    初年度は難問が出題される可能性が低いと予想されているため、しっかり対策すれば高得点が狙えるでしょう。
  • 実社会でも活きる知識
    情報Iで学ぶ内容は、大学での学習や社会での実務にも役立つスキルです。特にプログラミングやデータ分析の基礎知識は、今後ますます重要になるとされています。ただし医学部受験生はほぼ医者になるであろうことを考えるとあまりプログラミングとは無縁の生活が待っているかもしれませんね。

まとめ

2025年度から導入される共通テスト「情報I」は、新課程に基づいた科目で、試験内容も広範囲にわたります。しかし、教科書の内容を中心に学習を進め、問題解決能力を養うことを意識すれば、十分に対応できる試験です。試作問題や予想問題を活用し、基礎力を確実に身につけることで、得点源とすることが可能です。

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