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【2025年度】国公立医学部医学科:特定大学に見る志願動向の変化と背景分析
2025年度の国公立大学医学部医学科の一般選抜は、全体として2年連続の志願者減少という結果に終わりました。しかし、その一方で一部の大学では顕著な志願者数の増減があり、地域性や入試方式の影響、さらには「隔年現象」と呼ばれる入試特有のサイクルが色濃く現れた年でもありました。本記事では、特に動きが目立った大学をピックアップし、その背景にある要因を読み解いていきます。
◆ 富山大学医学部:前年比250%超の志願者増、その理由とは?
2025年度入試で最も注目された大学のひとつが富山大学医学部です。前年と比較して志願者数は約2.5倍に急増し、北陸エリアの中でも飛び抜けた人気を集めました。2024年度には志願者数が一時的に減少したこともあり、「入りやすい年」という印象を持った受験生が集まった可能性が高いです。
また、富山大学の二次試験問題は、近年はやや思考力重視の出題傾向が続いており、「得点差がつけやすい」とされているのもポイントです。共通テストで高得点をマークした上位層が、最終合格への突破口を開きやすい大学として富山大を選んだと考えられます。
さらに、富山大学は地方医療への貢献意欲が高い学生を重視しており、そのアピールが地域志向の強い現役生に響いたとも言えるでしょう。
◆ 鳥取大学医学部:二段階選抜の透明性が安心材料に
鳥取大学も前年と比べて志願者が約2倍となる大幅な増加を見せました。その背景には、共通テストの高得点層にとって「足切り」の基準が明確であり、安心して出願できる点が挙げられます。鳥取大学では毎年、二段階選抜(いわゆる足切り)の実施情報が早めに提示され、出願戦略を立てやすいという特徴があります。
特に2025年度の共通テストは、平均点が上昇傾向にあったため、8割超の得点率を取った受験生が多数存在しました。その中でも「地方で堅実に合格を狙いたい」と考えた層が、二次試験の癖が少なく、標準的な問題が出る鳥取大学を選んだと推測できます。
◆ 滋賀医科大学:共通テスト国語が“カギ”となった異色の大学
滋賀医科大学は関西圏に位置する唯一の単科医科大学として知られていますが、2025年度の入試では、共通テストの国語の得点しやすさが志願者数増加の一因とされています。
特に注目すべきは、滋賀医科大学の共通テスト配点において国語が200点と他教科よりも高く設定されている点です。2025年は国語の平均点が例年より高かったことから、国語で得点を稼いだ受験生が「有利に戦える大学」として同校を選択したと考えられます。
加えて、滋賀医科大学は二次試験で得点差がつきやすい形式の出題(記述式重視)を行っており、二次対策に自信のある層にとっては“勝負に出やすい”大学でもあります。
◆ 徳島大学医学部:理科が不要? 現役生向けの戦略校に
徳島大学医学部は、二次試験科目が英語・数学・面接のみで、理科の筆記試験が不要という特徴があります。これにより、現役生や理科が苦手な受験生が戦略的に志願しやすい大学となっています。
また、共通テストの比重が高く(共通テスト:900点、個別試験:400点)、一次試験でほぼ勝敗が決まるという特性もあります。2025年度の共通テストは得点率の高い層が厚く、こうした配点バランスの大学に人気が集まる傾向が強まりました。
特に「早い段階で共通テストの結果に手応えを感じたものの、理科の準備が不十分」というタイプの現役生にとっては、徳島大学は絶好の出願先であったはずです。
◆ 弘前大学医学部:二次試験の形式変更が志願者増に直結
弘前大学では2025年度から二次試験の出題形式を変更し、それまでの総合問題型から英語・数学への一般的な形式に戻しました。これにより、受験生にとって問題の予測がしやすくなり、「対策が立てやすい」と判断した受験生が集まったと考えられます。
また、地方医療志向が強い受験生や、北日本出身で実家から通えることを重視する層にとっても、弘前大学は志望校の選択肢として魅力的です。
こうした形式変更と受験層のニーズがうまく合致し、志願者数の回復・増加に繋がったと見られます。
◆ 福島県立医科大学・三重大学:人気集中の反動で志願者激減
一方で、2025年度に志願者数が大きく減少した大学として福島県立医科大学と三重大学が挙げられます。
これらの大学は、前年(2024年度)に志願者数が急増して「競争が激化した」という印象を受験生に与えており、その反動で避けられたとみられます。いわゆる「隔年現象」の典型的な例です。
特に福島県立医科大学は、前年の倍率上昇が警戒され、志願者が半数以下にまで落ち込みました。三重大学も同様に、前年の激戦を見た受験生がリスク回避の姿勢を取ったと考えられます。
◆ まとめ:安全志向・戦略的出願が顕著に
2025年度の国公立医学部入試を通して見えてきたのは、受験生の「安全志向」がますます強まっているという傾向です。共通テストで高得点を出した層の中には、旧帝大などの難関校を敢えて避け、地方の中堅医学部に志望変更するケースが多く見られました。
また、配点比率や出題形式、過去の志願動向を精緻に分析し、自分に最も有利な大学を選ぼうとする“戦略型の出願”がより一般化しています。
2026年度の入試では、さらに多くの大学で選抜方式や出題形式の変更が予定されています。今後も一人ひとりが、単なる偏差値ではなく、自分の得意分野や状況に応じた「受かりやすい大学」を見極める力が問われる時代になるでしょう。
今後の戦略に向けて:
志望校の選定においては、過去の倍率や配点だけではなく、以下のような点にも着目しておくと有利です:
- 共通テストと個別試験の配点比
- 二次試験の教科・出題傾向
- 地域枠や推薦枠の定員変化
- 医学部設置地域の生活環境や通学の利便性
特に、偏差値62.5~65.0帯の大学は、毎年のように志願者数の変動が激しい層です。人気や倍率の“谷間”を狙うことで、難関の医学部合格にも確かな道が開けるかもしれません。
※本記事は受験動向をもとにした独自分析です。各大学の正確な募集要項や入試方式については、必ず大学公式情報をご確認ください。
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