浪人生の国公立医学部受験:共通テスト対策開始時期と戦略
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理系主要科目(数学・理科)の共通テスト対策開始時期
理系科目(数学・化学・物理・生物)については、個別(2次)試験対策を兼ねる形で学習を進めます。日々の授業や問題演習で基礎力を固めながら、共通テスト特有のマーク形式に慣れるため、受験期に実施される共通テスト模試(年間約4回)に取り組みましょう。本格的に共通テスト形式の演習を始めるのは12月以降を目安にし、実際の過去問や予想問題集で総合練習を積みましょう。
浪人生の場合、浪人決定直後の春から計画的に学習を開始します。受験科目全体の基礎固めを浪人前半(~夏頃)に集中的に行い、夏までに共通テストレベルの基礎力を完成させます。これにより、夏以降は応用・難問演習や志望校対策(2次試験対策)に移行しやすくなります。
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4~6月(浪人開始直後): 基礎の徹底学習。教科書・基礎問題集で「教えられる」レベルまで理解し直し、特に弱点分野を補強します。
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7~9月: 基礎力を発展・標準レベルまで拡張し、共通テスト過去問演習を開始。夏休み中に共通テスト基礎問題集や予備校模試でアウトプット量を増やし、得点力を磨きます。
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10~12月: 秋以降は共通テスト形式の問題演習を本格化。過去10~20年分の共通テスト・センター試験を解き、マークミスや時間配分のトレーニングを重ねます。浪人生は12月のプレ模試で実践力を確認し、必要に応じて過去問演習を追加します。
以上のように、理系科目は学習開始時期を早めに設定し、夏までに基礎固めを行い、11~12月頃から共通テスト形式に慣れる演習を重点化するのが理想です。
文系共通科目(倫理・政治経済)の対策開始時期
文系科目といっても国語と社会がありますが今回は社会で特に選考者の多い倫政についてまとめます。まず倫理・政治経済は共通テストでしか使わない科目であり、丸暗記に近い科目です。そのため受験直前に慌てて詰め込むよりも、早めに少しずつ学習する方が効果的です。基本的には試験1年前(高校3年春または浪人開始時)には勉強を始めると十分間に合うとされています。夏頃から始めても要領よく進めれば共通テストで8~9割を目指せるレベルまで到達できるでしょう。特に浪人生は3月(浪人決定時)から計画を立て、1科目を並行して固めていきましょう。
学習法としては、暇つぶしがてら4月頃からインプット(用語・原理の理解)に着手し、夏頃までに用語や背景知識を固めます。倫理・政経は因果関係を含めた理解が重要で、理解してから暗記するのが効率的です。その後、秋以降に問題演習(単元別問題集→総合問題集→実際の共通テスト演習)を積み重ねて知識の定着を図りましょう。このように、倫理・政経は長期間にわたり分散学習を行い、試験直前期に慌てないよう準備するのが効果的です。
国公立医学部入試における共通テストと二次試験の比重・戦略
国公立医学部入試では、共通テストは実質「一次試験」に当たります。足切り(2段階選抜)を採用する大学も多く、最低限の点数確保が合格の前提です。医学部志望者は「共通テストで9割程度」を目標に高得点を狙う必要があります。実際、受験生間での共通テスト点のばらつきは小さく、低い点数は足切りや他者との差につながりやすいため、最低でも8割、できれば9割を超える得点を安定して取れるひつようがあります。
学習時間配分としては、前半~夏頃までを共通テスト対策に充て、基礎力を固めるのが理想的。夏までに共通テストレベルの基礎(教科書範囲)を完成させておけば、夏以降は応用・発展問題や志望校の2次対策に重点を移せます。実際、共通テスト本番後には1ヵ月程度の時間があり、ここで2次試験対策に集中できるため、共通テストは確実にこなせる状態にしておくことが重要です。
さらに、志望校選択や対策バランスでは配点比率が重要になります。2次試験(個別学力検査)の配点が高い大学を受ける場合は、2次重視で学習を進めても構いません。この場合、共通テスト対策は1月以降に過去問演習を行う程度でOK。共通テストで十分な点が取れる実力がある人や、2次比率が高く共通テストを犠牲にしても合格可能な場合は、後半で一気に2次対策に切り替える戦略も。一方で、共通テストに不安がある浪人生や、特に逆転合格を狙う受験生はまず共通テストを優先します。共通テストは対策さえすれば得点しやすく、逆に低くなると2次試験での巻き返しは極めて難しいためです。
志望校の選び方でも戦略が異なります。2次試験が不得意だが共通テストで高得点を見込めるなら、共通テストの配点比率が高い大学を選択し、「共通テスト逃げ切り」を狙う戦略があります。逆に2次試験を得意とするなら、2次比率の高い大学を目指し、共通テストは最低限の点数クリアを狙って2次対策を重視します。いずれにせよ、総合点で合格を勝ち取る観点から、まずは共通テストで安全圏(ボーダークリア)を確保し、そのうえで志望校の配点バランスに合わせた重点学習を行うことが肝要です
私立医学部併願時の対策
浪人生が国公立医学部を第一志望としつつ私立医学部も併願する場合、国公立対策を優先しながら私立対策を組み込む必要があります。私立医学部の入試は共通テスト直後に始まり、大学ごとに出題傾向が大きく異なるため、早めに過去問演習に取りかかることが重要です。共通テスト実施中および終了直後に、愛知医科大など全国の私立医学部入試が次々と行われるため、限られた時間で志望校の過去問を演習する計画を立てましょう。
具体的には、共通テスト本番までは国公立対策に集中し、共通テスト終了後に私立対策に切り替えるスケジュールが一般的です。ただし、国公立中心とはいえ、夏以降は少しずつ私立模試や過去問にも触れておき、私立特有の出題形式(記述問題や英語筆記・リスニング、面接対策など)にも慣れておくと安心です。私立医学部対策では「各大学ごとに対策が必須」と言われるほど傾向が異なるため自分が受験する大学群の過去問を十分に分析し、出題頻度の高い分野を中心に補強しておきましょう。


