2026.02.07

医学部受験の”東西格差”関東と関西で異なる私立医大の序列受験文化

医学部受験の”東西格差”――関東と関西で異なる私立医大の序列と受験文化

 医学部受験においても、関東と関西では私立医大の序列や受験生の志向に明確な違いが存在します。関東では「御三家」と呼ばれる伝統校が君臨し、関西では地域医療との結びつきが重視される傾向があります。東西の医学部受験事情を見ていきましょう。

関東私立医大の”御三家”とヒエラルキー

関東の私立医学部受験において、頂点に位置するのが慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学のいわゆる「御三家」です。この3校は私立医大の中でも歴史が古く、偏差値・合格難易度ともに最上位に位置しており、国公立医学部と併願する受験生が多数受験することで知られています。

特に慶應義塾大学医学部は、私立医大の中で別格の存在として認識されており、東京大学理科三類に次ぐ難易度とも言われます。慈恵・日医も国公立医学部の中堅校と同等かそれ以上の難易度を誇り、私立専願であっても相当な学力が求められるのが現実です。

その下には順天堂大学・昭和大学・東京医科大学・日本大学などが続き、さらに東邦大学・東京女子医科大学・杏林大学・帝京大学・聖マリアンナ医科大学といった大学群が形成されています。関東の私立医学部は数が多く、受験生の学力層も幅広いため、明確な序列が存在するのが特徴です。

関西私立医大の構図――地域に根ざした存在感

一方、関西の私立医学部は関東ほど大学数が多くなく、大阪医科薬科大学(大医)・関西医科大学(関医)・近畿大学医学部(近医)の3校が私立医大の中核を担っています。

この3校は関西圏での地域医療や関連病院ネットワークとの結びつきが強く、卒業後も関西圏で医師として活躍する人材を多く輩出しています。偏差値的には関東の御三家には及ばないものの、関西圏での評価は安定しており、地元志向の強い受験生から根強い支持を得ています。

また、関西では京都府立医科大学・大阪公立大学医学部・神戸大学医学部といった国公立医学部の存在感が非常に大きく、私立医大はあくまで「併願先」「滑り止め」という位置づけで受験されることが多い傾向があります。関東のように「私立医大でも御三家なら満足」という文化は、関西では比較的薄いとされています。

学費と受験戦略――経済的負担の現実

私立医学部受験を考える上で避けて通れないのが、学費の問題です。

関東の私立医大は、慶應・慈恵・日医・順天堂などの大学も6年間で2000万円~4000万円超の学費がかかります。近年は学費を引き下げる動きも見られますが、それでも国公立医学部(6年間で約350万円)と比べると大きな差があります。

関西の私立医大も同様で、大医・関医・近医いずれも6年間で2000万円前後の学費が必要とされており、経済的負担は決して軽くありません。そのため、関西の受験生は「可能な限り国公立を目指す」という志向が強く、私立医大は経済的に余裕のある家庭の選択肢という側面が色濃く残っています。

受験戦略としても、関東では「御三家を本命に、他の私立医大を複数併願する」という多段階の戦略が取られる一方、関西では「国公立が本命で、私立は1~2校に絞って受験する」という堅実な戦略が主流です。

入試難易度と合格者層の違い

関東の私立医大、特に御三家は全国から優秀な受験生が集まるため、競争は非常に熾烈です。慶應医学部の合格者は東大・京大レベルの学力を持つ層が多く、慈恵・日医も旧帝大医学部と併願する受験生がボリュームゾーンを形成しています。

関西の私立医大は、関東ほど全国区の知名度はないものの、関西圏の国公立医学部志望者が併願することで一定の難易度が保たれています。ただし、関東の御三家ほどの全国的なブランド力はなく、地域密着型の医師養成機関としての性格が強いといえます。

また、関東では多浪生や再受験生の比率が高い大学も存在し、医学部受験の長期化が一つの社会現象となっています。関西でも同様の傾向はありますが、関東ほど顕著ではないとされています。

地域医療との結びつき――卒後の進路選択

医学部受験を考える上で重要なのが、卒業後の進路です。

関東の私立医大は、大学病院や関連病院が都心部に集中しており、都市型の高度医療に触れる機会が多い環境にあります。また、研究志向の強い大学も多く、臨床だけでなく研究医を目指す道も開かれています。

関西の私立医大は、地域医療や市中病院との連携が強く、卒業後も関西圏で地域に根ざした医療に従事する医師が多い傾向があります。関東のような「医局の枠を超えた全国的なキャリア展開」よりも、地元での安定したキャリア形成を重視する文化が根付いているといえます。

まとめ――地域ごとの医学部受験文化を理解する

関東と関西の私立医学部受験には、序列の明確さ、国公立志向の強さ、学費負担への意識、そして卒後の進路選択という複数の違いが存在します。関東では全国区の御三家を頂点とするヒエラルキーが形成され、関西では地域医療と結びついた私立医大が存在感を示しています。受験生と保護者は、こうした地域ごとの医学部受験文化を理解した上で、自分たちに合った進路選択を考えることが求められています。

 

 

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