医学部受験専門個別指導予備校 医学部物理対策
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高校物理であるということ
大学受験で入試科目となる物理はあくまでも高校範囲の物理であるということを理解することが大切です。
詳しくは授業でお話ししていますが、高校物理は大学以降で扱う物理と比べて様々な制限があります。
この制限のおかげで高校物理は比較的簡単な現象しか扱うことが出来なくなっていますので、「高校」物理であることをうまく利用して勉強していくことで簡単に得意科目にすることが出来ます。
「物理は難しい」と変に構えないことがポイントです。
高校物理はその制限の多さから何となく解けてしまう問題が多いのですが医学部の受験科目として安定感を出すために「高校」物理と割り切って上手く理解することが重要です。
また、近年は原子物理の出題が目立ちます。
原子分野は特に高校物理の制限を強く受ける分野ですから、光子のエネルギーや運動量、光電効果などの有名な実験内容、これらを正しく理解し覚えることで得点源になり得ます。
正しくといっても高校物理の原子分野には難しい内容はほぼ無いので、構える必要はありません。
またこの分野はなぜか苦手としている受験生が多いので一度理解できれば周りに差をつけることが出来ますから当塾では早い段階で原子分野の指導を行います。
微積分の使用
高校物理は微積分を使わなくても解ける問題が大半なので微積分を前面に出した解法は医学部受験においても無理に理解する必要はないと考えていますが、微積を使わないとしっくり理解できずに何となく雰囲気で理解するしかない問題もそれなりに存在します。
「何となく理解している」ということは特に医学部受験においてはかなり危険なので正しい理解を促すために当塾では良い塩梅を考えて微積分の使用方法も指導しています。
例えば力学分野であれば座標をしっかり設定し、運動を見る観測者の位置を明確にした上で問題に取り組むことがとても大切で、この姿勢が定着すると微積分を使用した解法も自然と身に着けることが出来ます。
まずは簡単な内容で微積分に慣れていくことをお勧めします。
以下の問題は医学部ではありませんが2016年度東京工業大学の力学です。
当時、解けそうで解けないという受験生からの感想が多かった記憶があります。
(a)から解けない受験生が多かったようです。
最初が解けないとそれ以降の問題が解けないという受験物理によくある設定で、(a)で止まってしまった受験生は大変気の毒でした。
(a)の一部ですがその解き方の一例として御紹介します。
上のように座標を設定します。
今、この赤い座標上にいる観測者の気持ちになって運動をイメージしてください。
座標を時間で微分すると速度になることは数学3の範囲で習いますから、立方体の座標Xと速度Vの関係式は
となります。また、おもりの座標 は、
であることから、おもりの速度 は、この座標 を時間で微分することにより、
と表すことが出来ます。(は定数であるから微分したら0 になります)
よって、①と③からおもりの速度 は、
と求めることが出来ます。
このように座標を設定してただ微分しているだけですが、このくらい簡単な内容から物理で微積分を使うことに慣れていくと良いと思います。
実際にこの問題では(a)で大きく差がついてしまったわけですから、普段から座標を取って問題を考える習慣は大切だと思います。
受験物理での計算ミスは致命的
大学受験物理の解答用紙は最終的な答えのみを書く場合が殆どで、途中経過を評価されることは一部の記述形式試験を課す大学以外ではほぼありません。
つまり解法がいかに適切であっても計算ミスを一度してしまえばその問題はゼロ点になります。
普段模試では偏差値70後半を取っているような上位層の受験生でも、計算ミス一つで全く物理を理解していない受験生の空白の答案と点数的には同じ評価になってしまうのです。
そうならないためにも計算ミスやつまらないミスは日ごろから極力減らすように努めなければなりません。
受験物理における計算ミスは数学に比べても途中点が入らない分かなり致命的です。
特に高得点勝負になりやすい医学部受験で物理の計算ミスは言うまでもありません。
もし大問初端で計算ミスをしようものなら、その大問の点数は壊滅的になるでしょうから大きな失点となりその大学の受験結果はおそらく駄目でしょう。
計算ミスの多さは人それぞれで正確にも依存するので、受験期に頑張って勉強してもゼロにすることはできません。
ですが途中で気づいて修正できる場合は多くあります。
例えば物理は文字計算が多いですから、次元チェックが比較的容易に出来ます。
常に単位を意識しながら(次元チェック)計算をしていくと、計算間違えは無秩序に起こりますので、計算途中で単位的に明らかにおかしくなっていれば、その段階で間違っていることが分かるので戻ってミスを探すことが出来ます。
他にも計算ミスを極力減らす方法については授業で扱っています。
計算以外でのミスは、普段から問題を丁寧に解くなど基本的なことを心掛けておく必要があります。
例えば運動方程式を立式する際、力のベクトルの向きをうっかり間違える受験生は多いです。
しかし、運動方程式が間違っているということは、それ以降の問題の答えはほぼ合わなくなりますから丁寧に立式しましょう。
力のベクトルを図に描き入れる段階から緊張感を持って取り組むことが重要です。
作用・反作用の法則(運動の第3法則)の大切さ
力学の問題を運動方程式で考えようとした際、立式する前に図の中に力のベクトルを書き込むことになると思いますが、前述のようなミスを減らすためにも絶対に気を付けなければいけないことがあります。
それは「今描いている力(ベクトル)がどの物体に働いている力(ベクトル)であるかを常に明確にしておくこと」です。
以下の図をご覧ください。
青い矢印は物体Bに働いている物体Aからの垂直抗力で、赤い矢印は物体Aに働いている物体Bからの垂直抗力でこれらは作用・反作用の関係にあります。
作用・反作用は当たり前の法則なのであまりきちんと意識していない受験生は多いと思いますが、これをしっかりと意識することがつまらないミスを減らすことにつながります。
図を大きく丁寧に描くこと等も大切です。
抗力や摩擦力等の接触力を描いたら必ず反作用の力も描く癖をつけましょう。
物体への力のかかり方を常に意識することに繋がりますから現象も捉えやすくなります。
また、上に質量mのおもりが乗っているから下の物体には上からのmgがかかる、とすることはやめましょう。
上の図であれば、数学的には正しいので答えは合いますが、物体Bに働いている力は反作用の抗力Nですから、必ず抗力Nと書くようにすることがポイントです。
高校物理は、きちんとルールを守って立式しきちんと計算ができるか、という能力も試されています。
このようなルールを守って丁寧に計算していくだけで入試ではほとんどの問題に対応できます。
授業では受験物理のルールを細かく説明しています。